
この記事の要点
- トークン化米国債が135.3億ドル・約2兆円に到達
- サークル・ブラックロック・オンドが上位独占
- 機関を呼ぶ「24時間決済×担保二重活用」
- RWA市場全体は292.2億ドル規模に拡大
まずはRWA(現実資産)を詳しく
RWA米国債が135億ドル超え、機関マネー本格化
2026年4月12日時点で、トークン化された米国債の総額が135.3億ドル(約2.1兆円)に達し、140億ドル突破が目前に迫っていることが、RWA専門データサイト「rwa.xyz」の集計で明らかになりました。
市場を牽引しているのはサークル(Circle)の「USYC」で、ブラックロック(BlackRock)の「BUIDL」、オンド(Ondo)の「USDY」がそれに続き、いずれも機関投資家向けの運用設計を前提としたプロダクトが上位を占めています。
米国債という伝統的な金融資産をブロックチェーン上で扱う仕組みは、すでに機関投資家レベルで本格導入が進んでおり、RWA(現実資産)市場全体も292.2億ドル(約4.6兆円)規模へと成長しています。
7日間平均年換算利回り(7D APY)が3.34%となっているなか、トークン化国債の保有者数は60,893人に達しており、機関投資家と個人投資家の双方で利用が拡大しています。
世界初・オンチェーン株主投票が実現へ
サークル・オンド・BUIDL 3強、Centrifugeが73%急伸
利回り3.34%と少額参入が呼び込む需要拡大
2022年以降、米連邦準備制度(FRB)が政策金利を急速に引き上げたことで、米国債は年利3%超の利回りを安定的に生む資産として機関投資家の注目を集めてきました。
一方で、従来の米国債購入には証券口座の開設や最低投資額の設定があり、特に非米国投資家や新興市場のプレイヤーには参入障壁がありました。
トークン化はこの壁を下げ、ブロックチェーン上で少額かつリアルタイムでの利回り受け取りを可能にする手段として普及が進んでいます。
rwa.xyzの集計によると、トークン化米国債の7日間平均年換算利回り(7D APY)は2026年4月12日時点で3.34%に達しており、主要国の短期金利と同等の利回り水準となっています。
機関投資家は利回りを確保しつつオンチェーンで運用できる選択肢として、個人投資家は少額から米国債エクスポージャーを得る手段として、異なる目的でトークン化国債を活用しています。
こうした双方向の需要を背景に、保有者数は60,893人に達し、機関と個人の双方で利用が広がっています。
上位5社の市場シェアと急成長プレイヤーの実像
rwa.xyznのデータによれば、トークン化米国債のプラットフォームランキングで首位はサークル(Circle)で、総額27億ドル・市場シェア20.03%を占めています。
サークルが発行する「USYC」はバミューダ籍の発行体から非米国投資家向けに提供されており、最低投資額は10万USDCです。
2位のオンド(Ondo)はプラットフォーム全体で26億ドル規模に拡大しており、30日間の増加率は25.85%と上位陣のなかで高い伸びを記録しています。
主力商品「USDY」はOndo製品のうち18.8億ドル(約3,000億円)相当を占め、保有者数は16,568人と全プロダクトのなかで最大規模となっています。保管機関はモルガン・スタンレー・スミス・バーニーが務めています。
また、3位のセキュリタイズ(Securitize)は25億ドル(約3,994億円)の総額を抱えており、主力はブラックロックが運用する機関投資家向けファンド「BUIDL」で、単体で24.2億ドルとなっています。
BUIDLはニューヨーク・メロン銀行(BNY Mellon)が保管機関を務め、最低投資額は500万USDCと機関専用の水準に設定されています。
一方、規模では上位3社に及ばないものの、伸び率の面ではセントリフューグ(Centrifuge)が突出しており、過去30日間の増加率は73.04%に達しています。
上位5社の規模と成長率は以下の通りです。
| 順位 | プラットフォーム | 総額 | 30日増減 | 市場シェア |
|---|---|---|---|---|
| 1 | Circle | 27.0億ドル | +16.29% | 20.03% |
| 2 | Ondo | 26.0億ドル | +25.85% | 19.57% |
| 3 | Securitize | 25.0億ドル | +20.73% | 18.70% |
| 4 | Centrifuge | 13.0億ドル | +73.04% | 9.97% |
| 5 | Franklin Templeton | 10.0億ドル | +0.40% | 7.65% |
同プラットフォームが扱うジャナス・ヘンダーソンとアネモイが共同運用する「JTRSY」は13.2億ドル規模で、2025年3月にS&P Global RatingsからAA+の信用格付けを取得しています。
フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)の「BENJI(Franklin OnChain U.S. Government Money Fund)」は10.2億ドル(約1,630億円)規模で、最低投資額は20ドルと上位5社のなかで最も低い水準となっています。
24時間決済と二重活用が機関を呼び込む
機関投資家がトークン化米国債を選ぶ利点としては、24時間365日のリアルタイム決済と、ブロックチェーン上での透明な保有証明の組み合わせが挙げられます。
従来型の国債に比べ、夜間・週末を問わず流動性を確保できるため、資金移動や担保管理の効率化につながります。
さらにDeFiプロトコルにおける担保資産としての活用も広がっており、利回りを得ながら別の運用に流動性を回す「二重活用」の事例も機関投資家の利用動機の一つとなっています。
直近の取引データでは、アービトラム(Arbitrum)、ステラ(Stellar)、BNBチェーンといった複数ネットワークにまたがる取引が確認されており、チェーン横断型のマルチチェーン展開が進んでいます。
「トークン化はインターネット級の変革」
292億ドルRWA市場、規制とDeFi接続が焦点に
RWAトークン化をめぐっては、米国以外でもシンガポールや欧州の金融機関が制度整備と並行して試験運用を進めており、国境をまたいだ資産流通の基盤として注目が高まっています。
RWA市場全体292.2億ドルのうち46%超をトークン化米国債が占める構造は、「安全資産×ブロックチェーン効率」という組み合わせが市場の主軸となっていることを示しています。
こうしたなか、次の段階ではDeFiプロトコルとのより深い連携、規制の明確化、伝統金融との接続強化が焦点となります。
140億ドルの節目を超えた後は、どの資産クラスが次の拡大を主導するかが市場で注視されます。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.74 円)
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Source:rwa.xyzデータ
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用







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