XRPレジャーの量子対応「注目すべき進捗」Google論文が評価

この記事の要点

  • Google Quantum AIが3月30日に量子脆弱性の報告書を公開
  • XRP Ledgerをポスト量子暗号の先行事例として言及
  • RWAトークン化拡大で量子攻撃リスク増大の可能性を指摘
  • 量子耐性の有無が機関投資家のブロックチェーン選定基準に

XRPLの量子対応、GoogleがPQC進捗を確認

米Googleの量子AI部門は3月30日、ブロックチェーンの量子脆弱性と対策を包括的に分析したホワイトペーパーを公開し、仮想通貨XRPの基盤であるXRPレジャー(XRP Ledger/XRPL)が「ポスト量子暗号(PQC)の実験的な展開において注目すべき進捗を示している」との見方を示しました。

報告書は、XRP Ledgerがアルゴランド(ALGO)ソラナ(SOL)とともにテスト環境でのPQC実装を進めているネットワークとして名指ししており、ポスト量子対応を実際に進めている数少ないブロックチェーンのひとつとして位置づけています。

こうした実装の進展が評価される一方で、同報告書は、ブロックチェーンの設計の違いによって量子攻撃への耐性に差が生じると指摘しています。

特に、XRP Ledgerのようなアカウントモデルを採用するネットワークは、ビットコイン(BTC)のUTXOモデルと比べて公開鍵が露出しやすく、量子コンピュータによる攻撃リスクが高まる可能性があるとGoogleは分析しています。

Googleが量子リスクの観点からXRP Ledgerを名指しで言及したことは、リップルの機関投資家向け戦略や、XRPを活用する金融機関の採用判断において、量子耐性への対応状況が新たな評価材料になる可能性を示しています。

XRPLの量子リスクと対策、Google論文の評価

XRPLがPQC署名と鍵更新機能を先行実装

ポスト量子暗号(PQC)は、量子コンピュータによる解読攻撃に対しても安全性を維持できるよう設計された暗号方式の総称とされています。

現在広く使われているECDSA(楕円曲線デジタル署名アルゴリズム)等の公開鍵暗号は、十分な性能を持つ量子コンピュータ(CRQC)が実現した場合に解読されるリスクがあると報告書は指摘しています。

こうしたリスクへの対応として、同報告書ではXRP LedgerがAlphaNetと呼ばれるテスト環境でポスト量子ML-DSA署名をすでに展開済みであることを確認しており、実験・試験段階のPQC実装を進めているネットワークのひとつとして挙げています。

署名方式の移行に加え、報告書はXRP Ledgerがアルゴランドおよびトロン(TRX)とともに、ネットワーク自体の仕組みとして公開鍵を定期的に更新できる鍵ローテーション機能をプロトコルレベルでサポートしていると指摘しています。

量子コンピュータによる攻撃に対しては公開鍵を定期的に更新できる仕組みが有効とされており、この機能をネットワーク標準で持つ点がGoogleの報告書で評価されています。

一方、イーサリアム(ETH)やソラナでは新しい形式のウォレットは鍵の更新に対応しているものの、既存の古いアカウントには対応できない脆弱性が残るとGoogleは指摘しています。

これに対してXRP Ledgerは、新旧アカウントを問わずネットワーク自体の仕組みとして鍵の更新をサポートしており、より幅広いユーザーが量子リスクへの備えを取れる構造になっているとされています。

RWA拡大が量子攻撃リスクを増幅する構造

量子耐性に向けた取り組みが進む一方で、GoogleはRWAトークン化の拡大によって新たな量子リスクも生じると指摘しています。

アカウントモデルとスマートコントラクトを活用するネットワークは、ビットコイン系のUTXOモデルとは異なり、量子攻撃の経路が増えるとGoogleは分析しています。

報告書では、法定通貨担保型ステーブルコインやRWAトークン化の拡大によって、2030年までに量子リスクの影響を受ける資産規模が大幅に膨らむ可能性があると警告しています。

RWAトークン化での実績を積み上げているXRP Ledgerについて報告書は、米ドル建て短期国債と1対1で連動する「TBILL」の約3分の2を保有するネットワークとして言及しており、成長機会と同時に量子リスクへの対応を迫られる立場にあるとしています。

「今すぐ移行開始が不可欠」Googleが警鐘

Googleはブロックチェーン全体がポスト量子署名方式へ移行するプロセスには、技術的・社会的に複雑な課題が伴うため、完了まで数年単位の時間を要するとの見通しを示しています。

その一方で報告書は、CRQCの実現可能性や正確なタイムラインが明確になるまで移行を先送りすることはできないと警告しています。量子コンピュータが実際に暗号を脅かす水準に達する前から対応を開始することが不可欠だとGoogleは説明しています。

XRP Ledger、アルゴランド、ソラナがポスト量子暗号への移行に向けて先行的な実装事例を示していることは、複雑な移行課題が現実に進められている例として位置づけられています。

量子耐性、ブロックチェーン選定の新基準に

RWAトークン化をめぐっては、複数のブロックチェーンが制度整備と技術開発を並行させながら機関投資家の取り込みを競っており、量子耐性への対応状況が選定基準のひとつとして浮上しています。

Googleの量子AIがXRP Ledgerを名指しで分析したことで、同ネットワークのポスト量子対応は第三者による公式評価の対象となりました。

技術評価と並行して、ビジネス面での実績も積み上がっています。Riiple(リップル)が決済大手Converaとの連携で国際送金網を拡大するなど、ユースケースの拡大が続く中で、Googleによる今回の分析は機関投資家の採用判断に影響を与える可能性があります。

量子コンピュータの実用化が近づくなかで、ポスト量子暗号への移行対応がブロックチェーンプロジェクトの競争力を決める局面が今後さらに強まるとみられており、XRP Ledgerの技術的な動向が引き続き注目されます。

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Source:Google量子AI部門論文
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

参照元:仮想通貨ニュース最新一覧【毎日更新】 - 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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