
この記事の要点
- 米下院議員2名が2026年3月27日に税制改革草案を公開
- ステーブルコインに少額取引の非課税枠導入を提案
- ビットコインの少額決済向け非課税措置は今回も対象外
- BTC支持者とステーブルコイン推進派の対立が拡大
ステーブルコインに非課税枠、BTCは今回も対象外に
米下院議員のマックス・ミラー氏とスティーブン・ホースフォード氏は2026年3月26日、仮想通貨の税制を全面的に見直す議論草案「Digital Asset PARITY Act(デジタル資産パリティ法)」を公開しました。
今回の草案では、ドル連動型ステーブルコインに対する税優遇措置が盛り込まれた一方で、ビットコイン(BTC)の少額取引非課税枠(デミニミス免除)は対象外とされており、この判断をめぐって業界内で議論が広がっています。
特にBTCユーザーにとっては、コーヒーなどの少額決済であっても都度課税対象となる現状が維持される見通しであり、「決済通貨」としての実用性に影響が及ぶ可能性があります。
一方でステーブルコインには一定の非課税枠が検討されていることから、仮想通貨のユースケースや位置付けをめぐり、ビットコイン支持者とステーブルコイン推進派との対立がより鮮明になっています。
なお、この草案は現時点で議会に正式提出された法案ではなく、今後の審議を通じて内容が修正・整理される予定です。
税制改革に向けた超党派提案
業界を二分する税制論争、BTC除外の是非が焦点に
ステーブルコイン優遇・収益課税、草案の3本柱
両議員が公開した草案は、デジタル資産の課税区分が明文化されていない現行の内国歳入法(1986年制定)を改正し、税務上の扱いを整理することを狙いとしています。
ステーブルコインについては、取得価格の変動が1ドルの1%(0.01ドル)以内に収まる場合、値上がり益の課税対象から除外する規定が設けられました。
また、ステーブルコインの取得・移転にかかる手数料はコスト基礎(取得費)に算入できないとも定めています。
さらに、200ドル(約3万2,020円)未満のステーブルコイン取引には課税・報告義務が生じないデミニミス免除も導入され、年間の免除上限額は草案の時点では未定とされています。
レンディング、ステーキング、バリデーターサービス等から得られた収益は「受動的所得」として毎年の総所得に算入し、公正市場価値で計算する仕組みが示されています。
立法府でBTC免除が見送られ続ける背景
今回の草案がビットコインのデミニミス免除を盛り込まなかった直接の理由は公表されていません。
ただし、同様の枠組みは審議中の仮想通貨市場構造法案「CLARITY法案」でもビットコイン免除が見送られており、立法府での扱いに一定の傾向があることが背景にあるとみられています。
こうした状況を受け、デジタル資産擁護団体Digital Chamber(デジタル・チェンバー)のコーディ・カーボーンCEOは「デジタル資産の税制を明確にしなければ、活動が国内に定着することはない」と草案を歓迎する立場を示しました。
一方、BTCの金融商品を手がけるThe Bitcoin Bond Company(ザ・ビットコイン・ボンド・カンパニー)のピエール・ロシャールCEOは「これは誤った方向性だ。デミニミス免除が必要なのはビットコインだ。ステーブルコインは非中央集権でも許可不要でもない。本物のお金ではなく、単なる法定通貨にすぎない」と反発しています。
コインベースへの疑惑とBTC支持者の不信感
大手仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)幹部については、ビットコインのデミニミス免除に反対しているとの疑惑がビットコイン支持者の間でSNS上に広がり、CEOのブライアン・アームストロング氏らが相次いで否定する事態となりました。
アームストロング氏は「ビットコインのデミニミス免除のためにロビー活動を続けており、今後も続ける」と述べており、疑惑そのものは否定しています。
それでも、今回の草案でビットコインが除外されたことは事実であり、業界内の合意形成には時間がかかる見通しです。
法的グレーゾーンに初の統一基準
合意なき税制改革、米国の仮想通貨政策が岐路に
今回の草案はビットコインを税優遇の外側に置いたことで業界内の合意形成をより困難にする可能性があり、立法プロセスの本格化を前に支持層の分断が波紋を広げています。
デジタル資産パリティ法が今後どのように修正され、どのような形で議会に正式提出されるか、またビットコインのデミニミス免除が別の法案として整理されるかどうかが、米国の仮想通貨税制改革の行方を決める焦点となっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=160.29 円)
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Source:草案資料
サムネイル:AIによる生成画像







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