仮想通貨の分散化レベルランキング|トップ3は「ETH・ADA・AVAX」

7つの仮想通貨の「分散化度合い」を評価

ヨーロッパ最古の仮想通貨ファンド「Cyber Capital」の創設者兼CIOで、仮想通貨リサーチャーであるジャスティン・ボンズ氏は2024年2月20日に、主要な仮想通貨の分散化の度合いを評価した結果について報告を行いました。

ジャスティン・ボンズ氏は以下7種類の仮想通貨を評価した上で「その仮想通貨プロジェクトで権力がどれくらい分散化されているか」を数値化して示しています。

【1/18】分散化とは何か?分散化の度合いを測定するためにはどうすれば良いか?

最後に「BTC、ETH、SOL、XRP、ADA、AVAX、TRX」を評価します。

自分たちの平凡さを正当化するために、分散化を盾として誤って利用する人が多すぎます。

以下に示すの6つの基準は、分散化(権力の分散)の度合いを測定するものです。

分散化の測定基準について

ジャスティン・ボンズ氏は仮想通貨の分散化の度合いを測るための基準として以下6つの点をあげています。

  1. バリデータの分布(ノード数は基準にならない)
  2. クライアントの分布
  3. パーミッションレス設計
  4. 技術的なトレードオフ
  5. ガバナンス設計
  6. 政治的な地方分権化

ブロックチェーンネットワークを支えるノードの数については、複数のアカウントや偽IDを使用してネットワークを操作・統制しようとする攻撃である「シビル攻撃」の問題があるためノード数は参考にならないと説明、重要なのは「ユニークバリデータの分布」だとされています。

また同氏は「見落とされがちではあるが、分散化を実現するためにはオンチェーンガバナンスが重要である」とも強調しており、ガバナンスの欠如は最終的に最悪の人々を引き寄せることになり、間違った意思決定につながると指摘しています。

さらに「影響力のある人物や派閥をマッピングするためには政治的な分析が必要である」とも説明されており、「創始者のカルト的な個性が支配的であれば、技術的に分散化されていたとしても中央集権的なものになる」と指摘されています。

主要仮想通貨の分散化レベル

ジャスティン・ボンズ氏の仮想通貨評価は、上記6つの測定基準をそれぞれ10点満点で評価したもので、60点満点中で特に高いスコアを記録した仮想通貨は「ETH・ADA・AVAX」の3銘柄となっています。

今回報告された各種仮想通貨の合計スコアをランキング形式でまとめると以下のようになります。

順位 仮想通貨 合計スコア
1位 イーサリアム(ETH) 43/60
2位 カルダノ(ADA) 35/60
2位 アバランチ(AVAX) 35/60
4位 ソラナ(SOL) 32/60
5位 ビットコイン(BTC) 29/60
6位 トロン(TRX) 26/60
7位 エックスアールピー(XRP) 17/60

また、各暗号資産の評価内容については以下のように報告されています。

ビットコイン(Bitcoin/BTC)

基準 点数 評価
バリデータ分布 8/10 バリデータ数が2番目に多い
クライアント分布 1/10 コアが支配している
パーミッションレス設計 10/10 パーミッションレス要素なし
技術的トレードオフ 5/10 PoW、ネイティブ委任なし
ガバナンス設計 0/10 オンチェーンガバナンスなし
政治的な地方分権化 5/10 技術者や専門家が増加中

イーサリアム(Ethereum/ETH)

基準 点数 評価
バリデータ分布 10/10 バリデータ数が最大
クライアント分布 10/10 最も多様なクライアントエコシステム
パーミッションレス設計 10/10 パーミッションレス要素なし
技術的トレードオフ 7/10 ネイティブ委任なし
ガバナンス設計 0/10 オンチェーンガバナンスがない
政治的な地方分権化 6/10 巨大なエコシステム、多数の統一勢力

ソラナ(Solana/SOL)

基準 点数 評価
バリデータ分布 7/10 バリデータ数が多い
クライアント分布 7/10 多様なクライアントエコシステム
パーミッションレス設計 10/10 パーミッションレス要素なし
技術的トレードオフ 2/10 PoH、高いノード要件
ガバナンス設計 3/10 オンチェーンガバナンス計画
政治的な地方分権化 3/10 派閥がほぼない巨大なエコシステム

エックスアールピー(XRP)

基準 点数 評価
バリデータ分布 1/10 ユニークバリデータ数が少ない
クライアント分布 0/10 単一クライアント
パーミッションレス設計 0/10 パーミッションレス要素あり
技術的トレードオフ 3/10 バリデータリストを使用
ガバナンス設計 0/10 オンチェーンガバナンの計画なし
政治的な地方分権化 4/10 強い派閥が存在する小さなエコシステム

カルダノ(Cardano/ADA)

基準 点数 評価
バリデータ分布 7/10 ユニークバリデータ数が多い
クライアント分布 1/10 単一クライアント
パーミッションレス設計 10/10 パーミッションレス要素なし
技術的トレードオフ 8/10 ネイティブ委任
ガバナンス設計 6/10 オンチェーンガバナンスをほぼ実装済み
政治的な地方分権化 3/10 IOHKに対する反発はほぼない

アバランチ(Avalanche/AVAX)

基準 点数 評価
バリデータ分布 5/10 ユニークバリデータ数が中程度
クライアント分布 1/10 単一クライアント
パーミッションレス設計 10/10 パーミッションレス要素なし
技術的トレードオフ 8/10 ネイティブ委任
ガバナンス設計 8/10 限定的なオンチェーンガバナンス
政治的な地方分権化 3/10 大規模なエコシステムだが派閥は少ない

トロン(Tron/TRX)

基準 点数 評価
バリデータ分布 1/10 ユニークバリデータ数が少ない
クライアント分布 1/10 単一クライアント
パーミッションレス設計 10/10 パーミッションレス要素なし
技術的トレードオフ 2/10 強制委任
ガバナンス設計 9/10 オンチェーンガバナンス完全実装
政治的な地方分権化 3/10 中規模なエコシステム、創設者が支配

仮想通貨プロジェクトを見極める際の判断材料に

分散化レベルはあくまでも判断材料の一つであり、中央集権的な仮想通貨にも「迅速な意思決定・責任の明確化・セキュリティや信頼性・規制対応のしやすさ」など複数のメリットがあるため、そのような点も踏まえた最終的な総合的な評価や判断が重要です。

仮想通貨はそれぞれのプロジェクトの特徴に応じて「完全自己管理できるが、ある程度の知識が必要」「簡単かつ手軽に利用できるが、特定企業などへの信頼が必要」などメリットとデメリットが存在するため、総合的に評価して自分に合った投資先を見つけることも重要となります。

今回公開された分散化レベルの評価は「主要な仮想通貨の分散化レベル」を測る際に活用できる一つの基準になると考えられますので、判断材料の1つとして役立てていただければと思います。

なお、今回評価されている7種類の仮想通貨は、全て日本国内の暗号資産取引所にも上場しているため、日本円で売買することができます。

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参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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