民間発行デジタル通貨「2022年にも実用化へ」大手銀行・企業など30社以上が連携


暗号資産取引所を運営している「DeCurret(ディーカレット)」や3メガバンク・NTTなど30社が協力して、2022年にデジタル通貨の共通基盤を実用化する予定であることが明らかになりました。この共通基盤が構築されることによって、乱立する様々な電子マネーやデジタル通貨を自由に交換することができるようになり、企業間の大口決済や取引などでも個別の取引内容を把握・追跡することができるようになると期待されています。

こちらから読む:Liquid、不正アクセスで”個人情報流出”の可能性「国内ニュース」

30社以上が参画する「デジタル通貨フォーラム」設立へ

暗号資産取引所を運営している「DeCurret(ディーカレット)」は2020年6月〜9月の約4ヶ月間に渡って、日本を代表する銀行・小売・運輸・情報通信などといった様々な分野の主要企業や有識者と共に関係省庁関係者も交えながら「デジタル通貨勉強会」を開催していましたが、2020年11月19日にはこの勉強会を「デジタル通貨フォーラム」へと発展させることが発表されました。

デジタル通貨勉強会には「みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、インターネットイニシアティブ(IIJ)、セブン銀行、NTTグループ、KDDI、東日本旅客鉄道(JR東日本)」などといった日本を代表する大手企業や金融機関が数多く参加していましたが、今回新たに「野村ホールディングス、東京海上日動火災保険、大同生命保険、関西電力」などが加わり参画企業は30社を超えたと報告されています。

デジタル通貨フォーラムでは「民間発行デジタル通貨」に関する様々なユースケースを想定した概念実証が実施される予定となっており、各業界をリードする主要企業の参加を促しながら、幅広い分野での情報共有や意見交換を行なっていく予定だと説明されています。

「民間発行デジタル通貨」について

「二層構造のデジタル通貨モデル」を採用

DeCurret(ディーカレット)は今回の発表の中で『勉強会でデジタル通貨に関する検討を進めてきた結果、ブロックチェーンベースでデジタル通貨のコア機能である共通領域と、ビジネスロジック・スマートコントラクトを実装する付加領域を併せ持つ「二層構造のデジタル通貨モデル」が経済の発展に貢献できるのではないかとの考えに至った』と説明しています。

これはデジタル通貨を「価値情報を書き込む共通領域(下層部分)」と「様々なビジネスニーズに応じて付加機能をスマートコントラクトで付加する領域(上層部分)」の二層構造で構築する考え方であり、これによって「デジタルによる決済手段確率」と「様々なビジネスニーズへの対応」を両立させることができると期待されています。

二層構造のデジタル通貨(画像:デジタル通貨勉強会最終報告書)二層構造のデジタル通貨(画像:デジタル通貨勉強会最終報告書)

「各種電子マネーとの交換機能」で支払いが便利に

現在の構想では、デジタル通貨は個人や企業が持つ現預金を裏付け資産として銀行口座と同様の役割を持つウォレットに銀行を通じて発行される予定となっています。このデジタル通貨は送金や支払いに使用できるだけでなく、既存のスマホ決済サービスや電子マネーと交換することもできるようになる予定だと報告されています。

ここ最近では「電子マネー」や「スマホ決済サービス」が乱立したことによって『各サービスの対応店舗がわかりづらく使いづらい』といった問題が発生していましたが、デジタル通貨の共通基盤が構築されることによって『交通系電子マネーにしか対応していない店舗でも”別のスマホ決済サービス”を使用して支払うことができる』といったことが可能になると期待されています。

「企業間の大口決済・取引」にも対応予定

またデジタル通貨は「企業間の大口決済や取引」にも対応する予定だと伝えられています。ディーカレットが開発する決済基盤は分散型台帳技術(ブロックチェーン)を使用しているため、ブロックチェーン上に情報を書き込むことによって「個別の取引内容を把握・追跡することができる」という利点がもたらされます。

参画企業は2021年4月から、小売・製造・物流・電力といった分科会ごとに実証実験を開始することを計画しており、2022年にもデジタル通貨の共通基盤が実用化される予定だと報じられています。

>>「DeCurret」の公式発表はこちら

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です