米ドル/円は中期目標の100円水準に迫る! トランプ相場の起点が重要なサポートに
2020-03-12
今週(3月9日~)の米ドル/円は、大荒れの展開に。
3月9日(月)のマーケットでは、一気に101.19円まで暴落。
米ドル/円 日足(出所:Trading View)
これで、このコラムの米ドル/円の短期のターゲット(=105円)どころか、中期のメドとしていた100円レベルに、あっという間に到達しました。
【参考記事】
●新型コロナ対策でFRBが0.5%の緊急利下げ! ドル/円は短期で105円台、中期では100円も(3月5日、西原宏一)
■レバノンのデフォルトにNY州非常事態宣言 週明けに、米ドル/円が暴落した要因としては、先週(3月2日~)末、リスクオフ要因が立て続けに報道されたことが挙げられます。
まず、レバノンのデフォルト報道。
レバノンがデフォルトへ 首相「国債返済を延期」
中東の小国レバノンのディアブ首相は7日、9日に償還期限を迎える12億ドル(約1260億円)の外貨建て国債について、支払いを延期すると表明した。レバノンメディアが報じた。経済の低迷や放漫な歳出で財政危機に陥っていた。
出所 日経新聞
レバノンといえば、真っ先に思い浮かぶのが、カルロス・ゴーン氏。
ネットでは、彼がレバノンを助けなければ(?)というジョークが飛び交っています。
レバノンは、かなりデフォルトに近いというウワサが飛び交っていたので、デフォルト自体、サプライズなニュースではありません。
しかし、ネガティブなニュースではあることは間違いないので、マーケット参加者は、レバノンのデフォルトが他の国に飛び火してドミノになることを恐れているといったところ。
次に、「NY州が非常事態宣言」との報道です。
現在、マーケットは、米国での新型コロナウイルス感染拡大報道にもっとも神経を尖らせているので、こうした報道は、かなりマーケットを神経質にさせます。
さらに、サウジアラビアの株価の急落です。
サウジアラビアの代表的な指数である、サウジアラビア・タダウル全株指数も急落しました。
サウジアラビア・タダウル全株指数 日足(出所:Bloomberg)
要因は、原油価格の急落です。
WTI原油先物 日足(出所:Bloomberg)
この原油価格の急落は、米国株の下落を連想させますので、これも「株安・円高」材料。
こうした要因が重なって、週明け3月9日(月)の米ドル/円は、ストップロスも巻き込んで、一気に101.19円まで暴落するマーケットとなったわけです。
この米ドル/円の…