陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

米ドル全面安はそろそろ一服? 本格的な円高の到来はなぜあり得ないのか? ブログ

米ドル全面安はそろそろ一服? 本格的な円高の到来はなぜあり得ないのか?

■米ドルの「1人負け」だが、本格的な円高にはほど遠い 米ドル全面安の市況が続いている。全面安という言葉のとおり、米ドルの「1人負け」は鮮明で、7月に入ってからほぼ一本調子の下落を果たし、執筆中の現時点のドルインデックスは92半ばをトライ、2018年5月の水準に逆戻りした。
ドルインデックス 週足(出所:TradingView)
 そして、円高云々の論調もまた強まってきたが、結論から申し上げると、単に米ドル全面安であり、円高はあっても受動的で、本格的な円高にはほど遠い。その証拠とし...
短期スパンではしばらく米ドル安が続くが、 長期スパンでは米ドル安の最終段階に! ブログ

短期スパンではしばらく米ドル安が続くが、 長期スパンでは米ドル安の最終段階に!

■米ドル安は、米中覇権争いに米国が負けるから? 為替トレーダーにとって、トレンド発生の理由を探るよりも、トレンドの進行をフォローすることは遥かに大事であり、また、そこに専念すべきである。
 トレンドの進行に関して、どんな理由であっても、米ドル安のトレンドが続くかどうか、モメンタムはどうなるか、どこまで続くかなどなど、肝心なところは理由や背景の解釈だけではヒントを得られず、得られたとしても非常にマクロ的、長期的な要素になるから、目先のトレードに役に立つどころか、先入観が入って邪魔に...
米国のコロナ禍拡大は短期的には米国株を 支え、米ドル全体を下落させる材料に!? ブログ

米国のコロナ禍拡大は短期的には米国株を 支え、米ドル全体を下落させる材料に!?

■景気は「気」が重要、コロナが蔓延する限り景気は… 戦後最大の危機はまだまだ進行中である。前回のコラムで指摘したように、防疫体制の違いで中国の優位性が一段と鮮明になってくると思われたが、実際にもそうなっているようだ。北京の新規感染者が連日ゼロだったのに対して、東京は悪化する傾向が見られ、昨日(2020年7月9日)の新規感染者数は過去最高と報道された。
【参考記事】
●クロス円上昇は豪ドル/円が牽引?6月高値更新を念頭に中期的には80円台も!(2020年7月3日、陳満咲杜)
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クロス円上昇は豪ドル/円が牽引? 6月高値更新を念頭に中期的には80円台も! ブログ

クロス円上昇は豪ドル/円が牽引? 6月高値更新を念頭に中期的には80円台も!

■新型コロナ第2波で日米はまた中国に後れを取る 50万人超の死者を出してもなお、新型コロナ感染は世界規模で一段と拡大し続けている。
 米国は新規感染者数が1日5万人にのぼり、日本でも緊急事態宣言が解除されて以来の記録を更新、このままでは再度、緊急事態宣言が出されてもおかしくないほど、まったく油断できない状況だ。
 対照的に、厳しいコントロールを敷く北京の状況は改善されつつある。人権無視と言われる厳格な措置があっただけに、中国は今回の大災難を作り出した張本人(国)にもかか...
「リスクオフの円高」は過去の話と再度証明。 「リスクオフの米ドル高」を米ドル/円でも確認 ブログ

「リスクオフの円高」は過去の話と再度証明。 「リスクオフの米ドル高」を米ドル/円でも確認

■米国株の調整は当然の成り行き 前回のコラムでは、以下の2つ論点について話した。
 1つは「猫も杓子も」コロナバブルを言い出したから、株式市場は不安定な変動時期に入ったかと思うこと。もう1つは米ドル売りに距離を置きたいということだ。
【参考記事】
●猫も杓子もコロナバブルと言い出したから逆に警戒!? 米ドル売りからは距離を置くべき(2020年6月19日、陳満咲杜)
 今回も基本的な見方は変わらないが、状況次第で部分的な修正をしていく必要もあるかと思う。
 一昨...
猫も杓子もコロナバブルと言い出したから 逆に警戒!? 米ドル売りからは距離を置くべき ブログ

猫も杓子もコロナバブルと言い出したから 逆に警戒!? 米ドル売りからは距離を置くべき

■米ドル全体はスピード調整の下げ一服 米ドル全体は、下げ一服の兆しが見えてきた。ドルインデックスでみると、先週(2020年6月8日~)の陽線引けに続き、今週(6月15日~)も陽線で大引けする可能性が大きく、5月後半から加速してきた米ドル安の流れをいったん阻止できたとみる。
ドルインデックス 週足(出所:TradingView)
 もっとも、たびたび強調してきたように、3月高値を起点とした大型ジグザグ型下落波は調整的な値動きであり、メイントレンドとしてみるのは早計である。
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「コロナバブル」はまだ崩壊していない! ドルインデックス底打ちで米ドル/円も上昇か ブログ

「コロナバブル」はまだ崩壊していない! ドルインデックス底打ちで米ドル/円も上昇か

■NYダウは史上4番目の下げ幅に 昨日(6月11日)、米国株は大きく調整してきた。ナスダック総合指数が1万ポイントの大台に初めて乗せたと報道されて間もなく、今度は一転してNYダウが史上4番目の下げ幅となる暴落といったニュースが流れ、あわただしい。
ナスダック 日足(出所:TradingView)
NYダウ 日足(出所:TradingView)
 米国株急反落の理由は、米コロナ第2波に対する警戒だとか、FOMC(米連邦公開市場委員会)後のFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長...
典型的なリスクオン相場で円安はまだまだ これから。米ドル/円は120円をめざす!? ブログ

典型的なリスクオン相場で円安はまだまだ これから。米ドル/円は120円をめざす!?

■コロナバブルの予想的中!? 日米株は続騰 このコラムにて筆者は「コロナバブル」という造語を使い、コロナショックがあったからこそ株の急騰があるかもしれないことを繰り返し指摘してきた。
【参考記事】
●経済対策が効きすぎてコロナバブルに!? 株式市場の切り返しはまだ序の口!(2020年4月10日、陳満咲杜)
 目下の状況、バブルかどうかは別にして、株の急騰が確実に見られており、多くの市場関係者の「困惑」はさらに深まっている一方に見えるのが事実だ。
 日経平均は一...
米ドル/円の「居眠り取引」って一体ナニ? クロス円が堅調な2つの理由とは? ブログ

米ドル/円の「居眠り取引」って一体ナニ? クロス円が堅調な2つの理由とは?

■株高が続き、市場のコンセンサスが変わりつつある 株高が続いている。米国株のリード、また、ナスダックのリードは相変わらず、そして、NYダウや日経平均の追随も鮮明になってきたから、市場のコンセンサスも変わりつつある。
ナスダック 日足(出所:TradingView)
NYダウ 日足(出所:TradingView)
日経平均 日足(出所:TradingView)
 株高に懐疑的な見方の多くは、今、変わろうとしているように見える。
 もっとも、筆者のような、最初から株のV字回...
「リスクオフの円安」を警戒! 円は「翻弄される通貨」から「普通の通貨」へ ブログ

「リスクオフの円安」を警戒! 円は「翻弄される通貨」から「普通の通貨」へ

■日米株は、なお堅調な値動き やや頭が重くなっている印象があるものの、日米株はなお堅調な値動きを示し、S&P500やナスダック、日経平均は昨日(5月21日)、一時、3月安値を起点とした切り返しの高値を更新した。

S&P500 日足(出所:TradingView)

ナスダック 日足 

(出所:TradingView)

日経平均 日足(出所:TradingView)

 筆者が一貫して指摘していたように、コロナショックは100年に一度の「危」でありながら、100年に一度の「機」でもあるから、株価のV字回復自体、むしろ想定しやすかったと思う。

 株式市場の反騰につられ、大きく売られた主要外貨のうち、豪ドルや英ポンドの切り返しも鮮明、豪ドル/円や英ポンド/円の反騰もその一環と見なされることは、以前から当コラムで述べているとおりだ。

【参考記事】

●日米株は早ければ2020年内に高値更新!一本調子に回復? それとも2番底をつける?(2020年5月1日、陳満咲杜)

豪ドル/円 日足 (リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:豪ドル/円 日足)

英ポンド/円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 日足)

 前回のコラムで述べたように、米ドル高の受け皿が、本来対極的な存在であるはずのユーロに集中しなかった分、ユーロ/米ドルの下落幅は限定され、また、ユーロ/円の値動きもその他の主要クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)と大きく異なった。

【参考記事】

●米マイナス金利導入の可能性は低いが、仮にマイナス金利導入でも米ドルは買われる!(2020年5月15日、陳満咲杜)

ユーロ/米ドル 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)

世界の通貨VS円 日足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)

 しかし、クロス円と言えばユーロ/円…