松田哲の「FX一刀両断!」

英国国民投票はユーロ/ドルにどう影響? テクニカル的にはまだ下落しそうだが… ブログ

英国国民投票はユーロ/ドルにどう影響? テクニカル的にはまだ下落しそうだが…

■ユーロ/米ドルは1.2ドル-1.6ドルの間で乱高下 今回は、ユーロ/米ドルの分析を行なう。まずは月足チャートをご覧いただきたい。

 月足チャートで見ると、ユーロ/米ドルは0.8500ドル近辺(安値は、0.8200ドル近辺)から、1.6000ドル近辺まで大きく上昇している。 

ユーロ/米ドル 月足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 1.6000ドル近辺の高値を付けて以降は、安値1.2000ドル程度-高値1.6000ドル程度のゾーンで、大きく上下動を繰り返した。

 この「安値1.2000程度-高値1.6000程度のゾーンでの大きな上下動」は、個人的には、「高値圏での乱高下」と、判断している。

 いつもではないのだが(=必ずではないのだが)、一般的に「高値圏での乱高下」は、「売りのシグナル」だ。

 つまり、この大きな上下動は、いずれネック・ライン(=下限)を下に割り込むことを示唆しているのだろう、と推測していた。

 このネック・ライン(=下限)は1.2000ドル近辺のことで、ネック・ライン(=下限)を割り込む場合は、その後で大きく下落する、と考える。

■節目1.2ドルを割り込み「売りシグナル」 上述のように考えていたところ、1.2000ドルを割り込んだ。

 重要な節目(=チャート・ポイント)である1.2000ドルを割り込んだことで、「売りシグナル」を発した、と考える。

 サポート・ライン「緑の破線」は、その傾きを緩やかにして、2013年7月の安値1.27ドル台ミドルに合わせている。

 月足チャートを見てのとおりに、ユーロ/米ドルはこのサポート・ライン「緑の破線」を割り込んだ。

 このサポート・ライン「緑の破線」を割り込んだ時点で、まず、「売りシグナル」を発した、と考える。

 高値1.4000ドル近辺からの下落に合わせて、レジスタンス・ライン「緑の破線」を加筆した。

 このレジスタンス・ライン「緑の破線」は、直近の高値に合わせて表示している。

 このところの高値(1.17ドル台前半)を抜けるまでは、このレジスタンス・ライン「緑の破線」は、直近の高値に合わせれば良い、と考える。

■月足で長期のサポートラインを割り込み「売りシグナル」 長期のサポート・ライン「赤の破線」を表示した。

ユーロ/米ドル 月足(再掲載、クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 月足チャートを見てのとおりに、ユーロ/米ドルは、この長期のサポート・ライン「赤の破線」を割り込み、その時点でさらなる「売りシグナル」を発した、と考える。

 中長期のチャート(この月足チャート)で判断するならば、「赤の破線」を割り込んで発せられたこの「売りシグナル」のターゲットは、「紫の破線」で表示した1.18ドル台の水平線と考える。

 月足チャートを見てのとおりに、上述のターゲット(1.18ドル台ミドル)は、達成した、と考える。

■ウェッジの下限を割り込み、さらなる「売りシグナル」 長期のレジスタンス・ライン「紫の破線」を表示した。

 2008年以降のユーロ/米ドルが、下落トレンド(下落傾向)にあることを示している、と考える。

 1.18ドル台に「紫の破線」で水平線を表示した。

 これらの2本の「紫の破線」に注目すると、ユーロ/米ドルは「三角保ち合い(ウェッジ)」を形成した、と考える。

 2015年1月の値動きで、重要なチャート・ポイント1.2000ドルを割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。

 そして、1.18ドル台の水平線「紫の破線」を、割り込み、「三角保ち合い(ウェッジ)」を下に抜けて、さらなる「売りシグナル」を発した、と考える。

 この1.18ドル台ミドルを割り込んで発せられた「売りシグナル」に従い、ユーロ/米ドルは、1.04ドル台の安値を付けた。

 1.04ドル台からは、1.17ドル台に大きく反発(上昇)した。しかし、1.17ドル台からは、再び下落に転じている。

 ユーロ/米ドルは、1.17ドル台から1.05ドル台に下落したが、1.05ドル台から1.16ドル台にまで再度、上昇している。

 しかしながら、大局で見るならば、今のところユーロ/米ドルの下落トレンドに変化がない、と考えている。

■月足でヘッド&ショルダーを完成し、急落 続いて、別のラインなどを書き込んだもう1つの月足チャートをご覧いただきたい。ユーロ/米ドルの中長期のチャートの形状から、「ヘッド&ショルダー(※)」の可能性を考えていた。

(※編集部注:「ヘッド&ショルダー」はチャートのパターンの1つで、天井を示す典型的な形とされている。典型的なものは3つの山がある形で、これを人の頭と両肩に見立てて「ヘッド&ショルダー」と呼び、仏像が3体並んでいるように見えるため「三尊」と呼ぶこともある)  

ユーロ/米ドル 月足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 当初は、3つの山で「ヘッド&ショルダー」を想定したのだが、3つの山では「ヘッド&ショルダー」を完成せずに、1.20ドル台から1.4000ドル近辺まで上昇した。

 しかし、1.4000ドル近辺から反転下落し、4つ目の山を作った、と考える。

 そして、1.2000ドル近辺(正確には、1.18ドル台ミドル)のネック・ラインを下に抜けて、4つの山の「ヘッド&ショルダー」を完成した、と考える。

 ネック・ライン(1.18ドル台ミドルの水平線)「紫の破線」を割り込んだ時点で、「ヘッド&ショルダー」を完成させて、「売りシグナル」を発した、と考える。

 「ヘッド&ショルダー」の形状を「ピンクの破線」で表示している。

 この「ヘッド&ショルダー」のターゲットは、パリティ(1.0000ドル)近辺を割り込んだあたり、と考えることができる。

 上述のケースは、「赤の破線(両端矢印)」で示している。

 この「ヘッド&ショルダー」に着目して、その値幅が最大になる場合のターゲットを「緑の破線(両端矢印)」で示している。

 その場合のターゲットは、月足チャートを見てのとおりに、0.8000ドル近辺になる。

 今の時点で、0.8000ドルを想定する必要はないので、当面のターゲットは、パリティ(1.0000ドル)近辺を割り込んだあたり、と考えている。

 続いて、週足チャートを…
ユーロ/円は118円ほぼ達成で次は 102円?日銀政策と都知事問題に共通点 ブログ

ユーロ/円は118円ほぼ達成で次は 102円?日銀政策と都知事問題に共通点

■ユーロ/円週足・2009年高値更新で「買いシグナル」点灯 今回はユーロ/円の分析を行なう。まずは、週足チャートをご覧いただきたい。週足チャートに「94.00円-112.00円のボックス相場」(赤の破線)を表示した。 

ユーロ/円 週足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 ユーロ/円は、この「94.00円-112.00円のボックス相場」の上限を抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。

 ユーロ/円の上昇は、大局で見れば、当初はサポート・ライン(1)「ピンクの破線」に従っていた、と考える。

 そしてユーロ/円は、139円台ミドルを上に抜けた時点で、2009年の高値を更新し、「買いシグナル」を発した、と考える。

 この「買いシグナル」に従い、ユーロ/円は上昇して、高値145円台をつけている。

■149.75-80円水準の高値をつけた後は下落に転じる この高値(145円台)をつけてからのユーロ/円は、調整局面を迎えて、サポート・ライン(1)「ピンクの破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。そして、「紫の破線」で示したボックス相場を形成した、と考える。 

ユーロ/円 週足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 ボックス相場「紫の破線」の上限は145円台ミドル、下限は134.00円と考える。

 2014年10月31日(金)に、日銀が追加の金融緩和策を発表したことを材料に、ユーロ/円が急騰した。

 ユーロ/円は、ボックス相場「紫の破線」の上限(145円台ミドル)を上に抜けて、この時点での最高値を更新して、「買いシグナル」を発した、と考える。

 この「買いシグナル」に従い、上昇して、149.75-80円水準の高値をつけている。

 ユーロ/円が、高値を更新したので、サポート・ライン(2)「ピンクの破線」を表示した。

 ユーロ/円は149.75-80円水準の高値をつけてから、下落に転じている。それで、「緑の破線」で示したボックス相場を形成していると考えた。

 ユーロ/円は急落してサポート・ライン(2)「ピンクの破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。

■売りシグナル点灯後、特殊な状況の影響で反発 そして、134.00円を割り込んだので、ボックス相場「緑の破線」を下にブレイクし、さらなる「売りシグナル」を発した、と考える。「134.00円を下に抜けた」ということは、「新安値を更新した」ということなので、当然に「売りシグナル」だ。 

ユーロ/円 週足(再掲載、クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 ボックス相場のセオリーは、「ボックス相場の下限を割り込む場合は、下限から、その値幅分下落する」である。

 つまり、下限は134.00円近辺、ボックス相場の値幅は16円だから、ターゲットは118.00円近辺になる。「緑の破線(両端矢印)」で表示しているのが、その値幅だ。

 昨日(6月14日)のユーロ/円安値は118円台ミドルなので、上述のターゲットは、ほぼ達成した、と考える。

 ユーロ/円は、134.00円を割り込んで発せられた「売りシグナル」に従い、

130円台前半(安値は130.10-15円水準)にまで急落したが、いったんそこから反発している。

 この反発で、136円台の戻り高値をつけたが、再度急落して、今度は130.00円を割り込み、新値を更新した。

 ユーロ/円は、126.00円近辺に急落したが、126.00円近辺から、反転急騰している。

 2015年のゴールデン・ウィークの直前あたりからは、ポジション調整による「ユーロの買戻し」が出ていた、と考える。

 2015年のゴールデン・ウィークが始まると、市場参加者が極端に少ない中で、スパイラルに急上昇した、と考える。

 ユーロ/円が上昇を続けたので、サポート・ライン(3)「ピンクの破線」を表示した。

 このサポート・ライン(3)「ピンクの破線」がこのサポート・ライン(3)「ピンクの破線」が、有効な間は、(=このラインを割り込まない場合は、)ユーロ/円が、高値圏での保ち合いを続けている、と判断した。

 この時点でのユーロ/円は、ボックス相場「青の破線」を形成した、と考える。 

ユーロ/円 週足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 ボックス相場「青の破線」の上限は141.00円近辺、下限は126.00円近辺、と考える。

 そして、週足チャートを見てのとおりに、ユーロ/円はこのサポート・ライン(3)「ピンクの破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。

 サポート・ライン(3)「ピンクの破線」を割り込んで発せられた「売りシグナル」に従い、130.00円を割り込み下落したのだが、昨年(2015年)の12月3日(木)の129円台から134円台への急上昇で、相場は攪乱された、と考える。

 12月3日(木)の急上昇は、「クリスマス相場」の特殊な値動きと考える。

 つまり、相場が落ち着きを取り戻せば、サポート・ライン(3)「ピンクの破線」を割り込んで発せられた「売りシグナル」が有効と、改めて確認できる、と考えた。

 今年(2016年)の初日(1月4日)の動きで…
米6月利上げはほぼないとする理由とは? 米ドル/円は売り!ただし今すぐではなく… ブログ

米6月利上げはほぼないとする理由とは? 米ドル/円は売り!ただし今すぐではなく…

■米ドル/円は日足チャートでボックス相場を次々に形成 今回は米ドル/円の分析を行なう。まず、日足チャートをご覧いただきたい。 日足チャートを見ると、米ドル/円は「緑の破線(細線)」で表示した約6円幅のボックス相場を形成した、と考える。 

米ドル/円 日足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 2015年3月10日の値動きでは、従来の高値である121.85円を上に抜けて、高値122.00-05円水準を付けた。

 しかし、明確に、122.00円を上に抜けていないので(=高値を更新したのに、跳ね上がらなかったので)この時点では、ボックス相場「緑の破線(細線)」が維持されていた、と考える。

 ボックス相場「緑の破線(細線)」の上限は122.00円近辺、下限は116円近辺、と考える。

 そして、2015年5月下旬に、ボックス相場「緑の破線(細線)」の上限である122.00円近辺を明確に上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。

 この「買いシグナル」に従い、125円台後半(125.85円近辺)の高値を付けている。

 そして、この最高値圏での米ドル/円は、「茶色の破線(細線)」で表示したボックス相場を形成した、と考える。 

米ドル/円 日足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 ボックス相場「茶色の破線(細線)」の上限は、125円台後半程度、下限は120円台ミドル程度、と考える。

 このボックス相場「茶色の破線(細線)」を割り込み、「売りシグナル」を発し、そして、節目だった120.00円も割り込んだので、大きく急落した、と考える。

 米ドル/円は、116円台前半に急落したが、116円台前半からは強烈に反発し、121円台を回復している。

 しかし、その後の相場は、120.00円程度を中心レートにして、上下動を繰り返した。

 この時点での米ドル/円は、ボックス相場「紫の破線(細線)」を形成した、と考える。 

米ドル/円 日足(クリックで拡大) (出所:ヒロセ通商)

 ボックス相場「紫の破線(細線)」の下限は116.00円近辺、上限は122.00円近辺、と考える。

 2015年11月6日(金)の米国雇用統計をきっかけに…

■米国の利上げ開始の思惑が拡大し、買いシグナル 2015年11月6日(金)の米国雇用統計をきっかけに、「12月の米国の利上げ開始」の思惑が拡大し、ボックス相場「紫の破線(細線)」を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。

 米ドル/円は、123円台に上昇したが、124円台には届かなかった。

 2015年12月15日(火)、16日(水)のFOMC(の直前には、120円台程度に下落したが、FOMC(米連邦公開市場委員会)で、米ドルの利上げ開始が発表されて、123円台に上昇した。しかし、123円台からは下落に転じている。

 この時点での米ドル/円は、ボックス相場「青の破線(細線)」を形成した、と考える。 

米ドル/円 日足(クリックで拡大) (出所:ヒロセ通商)

 ボックス相場「青の破線(細線)」の上限は123円台後半程度、下限は120.00円近辺、と考える。

 2015年末(大みそかの12月31日)の時点では、120.00円がサポートになっていた。それで、2016年年明けの値動き(つまり、1月4日の値動き)に注目していた。

 年明け(1月4日)の値動きで、120.00円を明確に割り込み、つまり、ボックス相場「青の破線(細線)」の下限(120.00円)を割り込み、「売りシグナル」を発した、と判断する。

 120.00円を割り込んで発せられた「売りシグナル」点灯後の米ドル/円は、ボックス相場「ピンクの破線(細線)」を形成した、と考える。

米ドル/円 日足(クリックで拡大) (出所:ヒロセ通商)

 ボックス相場「ピンクの破線(細線)」の上限は121円台後半程度、下限は116.00円近辺、と考える。

 このボックス相場「ピンクの破線(細線)」を形成している最中に、1月末(1月29日)の日銀政策決定会合で、マイナス金利の導入が発表されて、米ドル/円は、121円台に急上昇した。この時の高値が、ボックス相場「ピンクの破線(細線)」の上限だ。

 そして、日足チャートを俯瞰すると…
米ドル/円の円高トレンドは転換するのか 難しい局面。112円近辺がポイントに! ブログ

米ドル/円の円高トレンドは転換するのか 難しい局面。112円近辺がポイントに!

■週足ではダブルボトムを完成後、ウェッジを2つ上抜け 今回は、米ドル/円の分析を行なう。まずは、週足チャートをご覧いただきたい。

 週足チャートには、「75.00円-86.00円のボックス相場」を、「赤の破線」で表示している。 

米ドル/円 週足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 下限は、歴史的最安値の75.32円と断定することもできるので、「75.32円-86.00円のボックス相場」と考えてもOKだ。

 2010年半ばから2012年12月末まで2年以上にわたり、このボックス相場が続いた。このボックス相場の上限86.00円を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。

 その形状を見ると、ダブル・ボトムを完成した、と考える。

 米ドル/円は、急上昇して、103円台後半の高値をつけたが、その高値(103.85円)から、93円台にまで急落した。

 93円台からは反転し、101円台に急上昇している。

 この乱高下で、「緑の破線」で示したように、「三角保ち合い(ウェッジ)」を作った。そして、この「三角保ち合い(ウェッジ)」「緑の破線」を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。  

米ドル/円 週足(再掲載、クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 このウェッジ「緑の破線」を上に抜けたことで発せられた「買いシグナル」に従い、米ドル/円は、大きく上昇した。

 103円台後半の高値を更新した時点で、さらに「買いシグナル」を発した、と考える。

 この「買いシグナル」に従い、この時点では105円台ミドルをつけている。

 しかし、105円台ミドルの高値をつけてから、調整局面に入り、米ドル/円は、100円台後半にまで下落した。ただし、100円台後半は、底堅く推移した。

 いったん、100円台にまで下落した後の米ドル/円は、102円台ミドル程度を中心レートにした「保ち合い」に推移している。

 結果的に、米ドル/円は、「ピンクの破線」で示した新たな「三角保ち合い(ウェッジ)」を形成した、と考える。

 この三角保ち合い(ウェッジ)「ピンクの破線」を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。

■2014年10月31日の日銀追加緩和で急騰 そして、従来の高値であった105円台ミドルを上に抜けた。高値を更新したことで、さらに「買いシグナル」を発した、と考える。  

米ドル/円 週足(再掲載、クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 この「買いシグナル」に従い、米ドル/円は上昇して、110円台に乗せた。

 いったん110円台に乗せた後で、米ドル/円は105円台に急落している。110円台から105円台への急落は、「調整の下落」だった、と考える。

 105円台からは反転して上昇気味だったが、一昨年(2014年)の10月31日(金)に、「日銀の追加緩和策」が発表されると、それまでの最高値であった110円台前半を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。

 この「買いシグナル」に従い大きく上昇して、この時点では121円台後半の高値をつけている(この時の高値は、121.80-85円水準)。

■さらに新たなウェッジを形成し、買いシグナル点灯 121円台後半の高値を付けてからの米ドル/円は、「紫の破線」で示したように、新たな三角保ち合い(ウェッジ)を形成した、と考える。 

米ドル/円 週足(再掲載、クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 そして、昨年(2015年)の5月下旬に、高値(122.00円近辺)を明確に更新した時点で、三角保ち合い「紫の破線」を上に抜けて、「買いシグナル」を発したと考える。

 この「買いシグナル」に従い、昨年(2015年)6月初旬に、高値125.80-85円レベルをつけている。

■最高値更新後は下落に転じる 125円台をつけて最高値を更新した後の米ドル/円は、下落に転じている。 

米ドル/円 週足(再掲載、クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 120円台ミドルにまで急落したが、120円台ミドルから反発して125円台を回復し、三角保ち合い(ウェッジ)「紫の破線」のサポート・ラインに支えられている状態だった。

 ただし、このサポート・ライン「紫の破線」を割り込む場合は、「売りシグナル」なので、要注意だと考えていた。

 上述のように考えていたところ、このサポート・ライン「紫の破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した。

 この「売りシグナル」で、パニック気味に116円台前半まで急落したが、116円台前半からは反発急騰して、121円台を回復した。

 しかし、その後は、120.00円程度を中心レートに、上下動を繰り返した。

 昨年(2015年)11月6日(金)の米国雇用統計をきっかけに、米ドル/円は、121円台から123円台に急上昇している。

 2015年12月15日(火)、16日(水)のFOMCの直前は、120円台程度だったが、FOMCで、米国の利上げ開始が発表されてからは、123円台をつけている。

 しかし、昨年(2015年)末の相場では、円高気味に推移し、年末のクローズは、120.00円近辺だった。

 年初の相場に注目していたが、2016年1月4日(月)の…
ユーロ/円は121.50円を割ったら急落も! 伊勢志摩サミットは基本無視してよい!? ブログ

ユーロ/円は121.50円を割ったら急落も! 伊勢志摩サミットは基本無視してよい!?

■ユーロ/円週足・2009年高値更新で「買いシグナル」点灯 今回はユーロ/円の分析を行なう。まずは、週足チャートをご覧いただきたい。週足チャートに「94.00円-112.00円のボックス相場」(赤の破線)を表示した。 

ユーロ/円 週足(クリックで拡大) 

(出所:ヒロセ通商)

 ユーロ/円は、この「94.00円-112.00円のボックス相場」の上限を抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。

 いわゆる「ダブル・ボトム」を作り、その上限(ネック・ライン)を上抜けして「買いシグナル」を発した、と言える。

 ユーロ/円の上昇は、大局で見れば、当初はサポート・ライン(1)「ピンクの破線」に従っていた、と考える。

 そしてユーロ/円は、139円台ミドルを上に抜けた時点で、2009年の高値を更新した。2009年の高値を更新したことで、「買いシグナル」を発した、と考える。

 この「買いシグナル」に従い、ユーロ/円は上昇して、高値145円台をつけている。

■149.75-80円水準の高値をつけた後は下落に転じる この高値(145円台)をつけてからのユーロ/円は、調整局面を迎えて、サポート・ライン(1)「ピンクの破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。そして、「紫の破線」で示したボックス相場を形成した、と考える。 

ユーロ/円 週足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 ボックス相場「紫の破線」の上限は145円台ミドル、下限は134.00円と考える。

 2014年10月31日(金)に、日銀が追加の金融緩和策を発表したことを材料に、ユーロ/円が急騰した。

 ユーロ/円は、ボックス相場「紫の破線」の上限(145円台ミドル)を上に抜けて、この時点での最高値を更新して、「買いシグナル」を発した、と考える。

 この「買いシグナル」に従い、上昇して、149.75-80円水準の高値をつけている。

 ユーロ/円が、高値を更新したので、サポート・ライン(2)「ピンクの破線」を表示した。

 ユーロ/円は149.75-80円水準の高値をつけてから、下落に転じている。それで、「緑の破線」で示したボックス相場を形成していると考えた。

 ユーロ/円は急落してサポート・ライン(2)「ピンクの破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。

■売りシグナル点灯後、特殊な状況の影響で反発 そして、134.00円を割り込んだので、ボックス相場「緑の破線」を下にブレイクし、さらなる「売りシグナル」を発した、と考える。「134.00円を下に抜けた」ということは、「新安値を更新した」ということなので、当然に「売りシグナル」だ。 

ユーロ/円 週足(再掲載、クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 ボックス相場のセオリーは、「ボックス相場の下限を割り込む場合は、下限から、その値幅分下落する」である。

 つまり、下限は134.00円近辺、ボックス相場の値幅は16円だから、ターゲットは118.00円近辺になる。「緑の破線(両端矢印)」で表示しているのが、その値幅だ。

 ユーロ/円は、134.00円を割り込んで発せられた「売りシグナル」に従い、

130円台前半(安値は130.10-15円水準)にまで急落したが、いったんそこから反発している。

 この反発で、136円台の戻り高値をつけたが、再度急落して、今度は130.00円を割り込み、新値を更新した。

 ユーロ/円は、126.00円近辺に急落したが、126.00円近辺から、反転急騰している。

 2015年のゴールデン・ウィークの直前あたりからは、ポジション調整による「ユーロの買戻し」が出ていた、と考える。

 2015年のゴールデン・ウィークが始まると、市場参加者が極端に少ない中で、スパイラルに急上昇した、と考える。

 ユーロ/円が上昇を続けたので、サポート・ライン(3)「ピンクの破線」を表示した。

 このサポート・ライン(3)「ピンクの破線」がこのサポート・ライン(3)「ピンクの破線」が、有効な間は、(=このラインを割り込まない場合は、)ユーロ/円が、高値圏での保ち合いを続けている、と判断した。

 この時点でのユーロ/円は、ボックス相場「青の破線」を形成した、と考える。 

ユーロ/円 週足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 ボックス相場「青の破線」の上限は141.00円近辺、下限は126.00円近辺、と考える。

 そして、週足チャートを見てのとおりに、ユーロ/円はこのサポート・ライン(3)「ピンクの破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。

 サポート・ライン(3)「ピンクの破線」を割り込んで発せられた「売りシグナル」に従い、130.00円を割り込み下落したのだが、昨年(2015年)の12月3日(木)の129円台から134円台への急上昇で、相場は攪乱された、と考える。

 12月3日(木)の急上昇は、「クリスマス相場」の特殊な値動きではないか、と考える。

 つまり、相場が落ち着きを取り戻せば、サポート・ライン(3)「ピンクの破線」を割り込んで発せられた「売りシグナル」が有効と、改めて確認できるのではないか、と考えた。

 今年(2016年)の初日(1月4日)の動きで…
たった1.75%の金利で豪ドル/円を買うのは 高リスク!原油の上昇も困難と見るワケは? ブログ

たった1.75%の金利で豪ドル/円を買うのは 高リスク!原油の上昇も困難と見るワケは?

■豪ドル/円は月足でボックス相場を割り込む 今回は豪ドル/円の分析を行なう。まずは、月足チャートをご覧いただきたい。

 月足チャートを見ると、一番右のサポート・ライン「緑の破線」に沿った上昇が続いた結果、「紫の破線」で示した「下値72円-上値90円のボックス相場」を上に抜けて、「買いシグナル」を点灯させて上昇したことがわかる。 

豪ドル/円 月足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 この「買いシグナル」で、豪ドル/円は、105円台の高値を付けているが、105円台から86円台にまで大きく急落している。

 86円台からは、再び大きく反発(上昇)して、102円台後半の高値を付けている。

 俯瞰すると、豪ドル/円は、「赤の破線」で示したボックス相場を形成したと考える。このボックス相場「赤の破線」に注目するべき、と考えていた。

 豪ドル/円は、まず、右端のサポート・ライン「緑の破線」を割り込んで、最初の「売りシグナル」を発した、と考える。

 そして、この「売りシグナル」が発せられた時点でのターゲットは、

このボックス相場「赤の破線」の下限(86.00円近辺)であったと考える。

■最近の動きは2007年、2008年頃の値動きに似ている 話を2007年、2008年頃の値動きに振るが、豪ドル/円は「ピンクの破線」でボックス相場を形成した、と考える。 

豪ドル/円 月足(再掲載、クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 この頃は、ボックス相場「ピンクの破線」の内側で、サポート・ライン「緑の破線」を下に抜けて、「売りシグナル」を何回か発したのだが、その都度、反発(上昇)している。

 しかし、最終的には、ボックス相場「ピンクの破線」を下に抜けて、明確な「売りシグナル」を発し、その後、大きく下落した。

 昨年(2015年)の値動きが、この頃に似ている、と感じていた。つまり、時間が経過すると、ボックス相場「赤の破線」を割り込むことで明確な「売りシグナル」を発することになるのではないか、と考えていたわけだ。

 月足チャートを見てのとおりに、ボックス相場「赤の破線」の下限(86.00円近辺)を割り込み、明確な「売りシグナル」を発したと考える。

 難しく考える必要もないので、単純に従来の安値(86.00円近辺)を更新したので「売りシグナル」を発した、と考えてもかまわない。

■週足では2009年半ばから2012年までボックス相場 続いて、週足チャートをご覧いただきたい。豪ドル/円は2009年半ばから2012年までの期間、「緑の破線」で示した「下値72円-上値90円の18円幅のボックス相場」を作った。

豪ドル/円 週足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 2013年の初めに、このボックス相場を上に抜けたことで「買いシグナル」を発して、上昇を始めた。

 ボックス相場のセオリーに従うならば、ボックス相場上抜けの場合は、上限からボックス相場の値幅分上昇したところがターゲットになる。

 このケースでは、上限が90.00円、ボックス相場の値幅が18円だから、ターゲットは、108円になる。

 しかし、すでにターゲットを達成した可能性があることに留意する必要がある。

 この時点での高値は、105円台半ば(105.40円-50円)程度だ。

 ターゲットは108円程度なので、まだ2円ほど余地がある、と考える人もいることだろう。

 しかし、チャート分析でのターゲットは、そのような厳密なものではなく、「だいたいこのくらい」といった「いいかげんなもの、大まかなもの」だ。

 豪ドル/円は105円台の高値から下落に転じ、…
RBA利下げで豪ドル/ドルは急落、目先も ボックス相場下限割れで売りシグナル! ブログ

RBA利下げで豪ドル/ドルは急落、目先も ボックス相場下限割れで売りシグナル!

■週足ではサポートラインに従って上昇 今回は豪ドル/米ドルの分析を行なう。まずは週足チャートをご覧いただきたい。週足チャートを見ると、豪ドル/米ドルは大きく上昇したが、その上昇は、サポート・ライン「緑の破線」に従っていたと考える。 

豪ドル/米ドル 週足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 豪ドル/米ドルは、「赤の破線」で示した「下値0.8000ドル-上値0.9400ドルのボックス相場」を上に抜けたことで、「買いシグナル」を発して上昇した。

 そして、ボックス相場のセオリーどおりに、ボックスの値幅分(1400ポイント)上昇してターゲットを達成したと考える。

 「赤の破線」で示したボックス相場を上抜けしてからは、「紫の破線」で示した「下値0.9400ドル-上値1.1100ドルの約1700ポイント幅のボックス相場」へ移行(シフト)したと考える。  

豪ドル/米ドル 週足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 その後、2013年5月上旬にサポート・ライン「緑の破線」を割りみ、「売りシグナル」を発したと考える。

 そして、「紫の破線」で示したボックス相場の下限0.9400ドルを割り込み、さらなる「売りシグナル」を発したと考える。  

 ボックス相場のセオリーに従えば、ボックス相場の下限0.9400ドルからボックスの値幅分(1700ポイント)下落したところがターゲットになる。つまり、0.7700ドル程度がターゲットだ。

 週足チャートを見てのとおりに、上記のターゲットはすでに達成したと考える。

 この「紫の破線」で示したボックス相場を下に抜けた時点で、大きく急落する可能性が高いことを示唆していた、と考える。

■ボックス相場下抜けのターゲットを次々と達成 2013年から2014年にかけての豪ドル/米ドルは、「ピンクの破線」で示したボックス相場を形成していた、と考える。 

豪ドル/米ドル 週足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 以前は、このボックス相場の上限は0.9800ドル近辺、下限は0.8800ドル近辺と考えていた。 

 だから、このボックス相場の下限(0.8800ドル近辺)を割り込み、「売りシグナル」を発したと考えた。 

 相場は、この「売りシグナル」に従い、0.86ドル台まで下落したが、0.86ドル台ミドルを底値に、0.9500ドル近辺にまで大きく反発上昇している。


 それで、ボックス相場の下限は0.86ドル台と想定し直す必要がある、と考える。

 つまり、このボックス相場は「上限0.9800ドル近辺-下限0.8600ドル近辺」と考えた。

 ボックス相場「ピンクの破線」の下限を考え直したが、その修正した下限の0.8600ドルを割り込み、「売りシグナル」発した、と考える。

 それまでの安値を更新したので「売りシグナル」を発した、と考えた。

 この「売りシグナル」に従い相場は大きく急落して、まずは1700ポイントのボックス相場「紫の破線」を下抜けした場合のターゲットを達成した。

 そして、週足チャートを見てのとおりに、1200ポイントのボックス相場「ピンクの破線」を下抜けした場合のターゲットも、達成した。

 週足チャートに、ボックス相場「赤の破線(細線)」と…
GW相場で円高進行の米ドル/円はどこまで 下落?100円まで「円売り介入」はない! ブログ

GW相場で円高進行の米ドル/円はどこまで 下落?100円まで「円売り介入」はない!

■GWに入り、円高が一段と進行している ゴールデン・ウィークに入り、一段と円高が進行している。麻生財務大臣は、ゴールデン・ウィークに入ってから早々に、「円売り介入」の可能性を示唆した。

 しかし、米国財務省は、日本を為替政策の「監視国リスト」に指定し、意図的な円安誘導を牽制している。

 今のところ、日本が「円売り介入」を実施することは難しい状況、と考える。

 さて、今回は米ドル/円の分析を行なう。まず、日足チャートからご覧いただきたい。 

米ドル/円 日足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 日足チャートを見ると、米ドル/円は「緑の破線(細線)」で表示した約6円幅のボックス相場を形成した、と考える。

 2015年3月10日の値動きでは、従来の高値である121.85円を上に抜けて、高値122.00-05円水準を付けた。

 しかし、明確に、122.00円を上に抜けていないので(=高値を更新したのに、跳ね上がらなかったので)この時点では、ボックス相場「緑の破線(細線)」が維持されていた、と考える。

 ボックス相場「緑の破線(細線)」の上限は122.00円近辺、下限は115円台ミドル程度、と考える。

 そして、2015年5月下旬に、ボックス相場「緑の破線(細線)」の上限である122.00円近辺を明確に上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。

 この「買いシグナル」に従い、125円台後半(125.85円近辺)の高値を付けている。

 そして、この最高値圏での米ドル/円は、「茶色の破線(細線)」で表示したボックス相場を形成した、と考える。 

米ドル/円 日足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 ボックス相場「茶色の破線(細線)」の上限は、125円台後半程度、下限は120円台ミドル程度、と考える。

 このボックス相場「茶色の破線(細線)」を割り込み、「売りシグナル」を発し、そして、節目だった120.00円も割り込んだので、大きく急落した、と考える。

 米ドル/円は、116円台前半に急落したが、116円台前半からは強烈に反発し、121円台を回復している。

 しかし、その後の相場は、120.00円程度を中心レートにして、上下動を繰り返した。

 この時点での米ドル/円は、ボックス相場「紫の破線(細線)」を形成した、と考える。 

米ドル/円 日足(クリックで拡大) (出所:ヒロセ通商)

 ボックス相場「紫の破線(細線)」の下限は116.00円近辺、上限は122.00円近辺、と考える。

■米国の利上げ開始の思惑が拡大し、買いシグナル 2015年11月6日(金)の米国雇用統計をきっかけに、「12月の米国の利上げ開始」の思惑が拡大し、ボックス相場「紫の破線(細線)」を上に抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。

 米ドル/円は、123円台に上昇したが、124円台には届かなかった。

 2015年12月15日(火)、16日(水)のFOMC(の直前には、120円台程度に下落したが、FOMC(米連邦公開市場委員会)で、米ドルの利上げ開始が発表されて、123円台に上昇した。しかし、123円台からは下落に転じている。

 この時点での米ドル/円は、ボックス相場「青の破線(細線)」を形成した、と考える。  

米ドル/円 日足(クリックで拡大) (出所:ヒロセ通商)

 ボックス相場「青の破線(細線)」の上限は123円台後半程度、下限は120.00円近辺、と考える。

 2015年末(大みそかの12月31日)の時点では、120.00円がサポートになっていた。それで、2016年年明けの値動き(つまり、1月4日の値動き)に注目していた。

 年明け(1月4日)の値動きで、120.00円を明確に割り込み、つまり、ボックス相場「青の破線(細線)」の下限(120.00円)を割り込み、「売りシグナル」を発した、と判断する。

 120.00円を割り込んで発せられた「売りシグナル」点灯後の米ドル/円は、ボックス相場「ピンクの破線(細線)」を形成した、と考える。 

米ドル/円 日足(クリックで拡大) (出所:ヒロセ通商)

 ボックス相場「ピンクの破線(細線)」の上限は121円台後半程度、下限は116.00円近辺、と考える。

 このボックス相場「ピンクの破線(細線)」を形成している最中に、1月末(1月29日)の日銀政策決定会合で、マイナス金利の導入が発表されて、米ドル/円は、121円台に急上昇した。この時の高値が、ボックス相場「ピンクの破線(細線)」の上限だ。

 そして、日足チャートを俯瞰すると…
ユーロ/米ドル1.14ドル台は売り水準!? 1.17ドルを超えなければトレンド転換はない ブログ

ユーロ/米ドル1.14ドル台は売り水準!? 1.17ドルを超えなければトレンド転換はない

■ユーロ/米ドルはウェッジを下抜けして「売りシグナル」点灯 今回はユーロ/米ドルの分析を行なう。まず週足チャートをご覧いただきたい。 

ユーロ/米ドル 週足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 週足チャートに、長期のレジスタンス・ライン「赤の破線(太線)」を表示している。

 ユーロ/米ドルは、2012年の安値1.20ドル台ミドルから、2014年の高値1.4000ドル近辺(高値は、「1.3990-95ドルレベル」)まで、上昇した。

 この上昇は、サポート・ライン「紫の破線(太線)」に従っていた、と考える。

 サポート・ライン「紫の破線(細線)」は、サポート・ライン「紫の破線(太線)」の平行線を表示している。

 中長期のチャートで見ると、ユーロ/米ドルはレジスタンス・ライン「赤の破線(太線)」とサポート・ライン「紫の破線(太線)」で、「三角保ち合い(ウェッジ)」を形成していた、と考える。

 そして、週足チャートを見てのとおりに、ユーロ/米ドルは、サポート・ライン「紫の破線(太線)」を割り込み、「三角保ち合い(ウェッジ)」を下に抜けて、「売りシグナル」を発した、と考える。

 ユーロ/米ドルは、1.2000ドルを割り込んだ時点で、「窓(Gap)」を空けて、「売りシグナル」を発した、と考える。

 そして、1.18ドル台ミドルの水平線「赤の破線」を割り込み、従来の安値を更新して、「売りシグナル」を発した、と考える。

■レジスタンスは1.17ドル、今のところトレンド転換はない 一番右のレジスタンス・ライン「青の破線(太線)」と、その平行線「青の破線(細線)」を表示した。 

ユーロ/米ドル 週足(再掲載、クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 このレジスタンス・ライン「青の破線(太線)」は、その傾きを、実際の相場に合わせて調整している。

 直近の高値(1.14ドル台)に合わせている。

 現在のユーロ/米ドルは、「緑の破線」で示したボックス相場を形成中、と考える。

 チャートの形状を見ると、ボックス相場「緑の破線」の上限(1.17ドル台前半程度)が、目先のレジスタンス(上値抵抗)だ。

 つまり、今のところ、このレジスタンス(上値抵抗)を上に抜けていないので、ユーロ/米ドルのダウン・トレンド(=下落傾向)に変化がない、と考える。

 別な言い方をすると、トレンド転換を考えるには、1.17ドル台前半程度を上に抜ける必要がある、ということだ。

■日足では2015年年初の「窓(Gap)」がいまだ埋まらず 続いて、日足チャートをご覧いただきたい。ユーロ/米ドルは2015年1月に、1.2000ドルを割り込み、「窓(Gap)」を空けて急落した。 

ユーロ/米ドル 日足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 今のところ、この「窓(Gap)」は、窓埋めをしていない。

 窓を埋めても、このまま窓を埋めなくとも、この「窓(Gap)」自体が、「売りシグナル」だ。

 上述の1.2000ドル近辺「窓(Gap)」で、「売りシグナル」を発してから、

ユーロ/米ドルは、大きく急落した。

 この「売りシグナル」に従い、急落して、この時点では、1.1100ドル近辺(1.10ドル台後半)の安値をつけている。

 1.1100ドル近辺からは、反発しているが、この反発は1.2000ドルを割り込んでからの下落が、大きく速かったので、その調整が起こっているだけ、と考えていた。

 つまり、調整が終われば、安値を更新して下落する可能性が高い、と考えていた。

 この時点での相場は、「赤の破線」で示したボックス相場を形成中、と考える。 

ユーロ/米ドル 日足(再掲載、クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 そして、事前に想定していたとおりに、ボックス相場「赤の破線」の下限(1.1100ドル近辺)を下に抜けて、「売りシグナル」を発した、と考える。

 ボックス相場「赤の破線」の下限(1.1100ドル近辺)を下に抜けることは、新安値を更新することだ。

 安値を更新したので「売りシグナル」を発した、と考えることもできる。

 この「売りシグナル」どおりに下落して、今のところ1.0500ドル割れ(1.04ドル台後半)の安値をつけている。

 1.0500ドル割れ(1.04ドル台後半)の安値をつけてから…
安値更新後も4時間足でボックス相場を 維持しているユーロ/円だが、今後は? ブログ

安値更新後も4時間足でボックス相場を 維持しているユーロ/円だが、今後は?

■2012年11月に中長期のレジスタンスラインを突破 今回はユーロ/円の分析を行なう。まずは、月足チャートからご覧いただきたい。

 ユーロ/円は、2008年に約170円(正確には、169.95円)の高値をつけてから、下落に転じた。 

ユーロ/円 月足(クリックで拡大) (出所:ヒロセ通商)

 そして、月足チャートで見ると、2012年3月に2008年の高値を起点としたレジスタンス・ライン「ピンクの破線(細線)」を上に抜けたのだ が、この時点では、結局、トレンド転換が起こらなかった、と判断したので、2012年4月の高値に合わせて、新たなレジスタンス・ライン「緑の破線」を表 示した。

 つまり、レジスタンス・ライン「ピンクの破線(細線)」を上に抜けた時には、ユーロ/円は、下落トレンドのままで、上昇トレンドに転換していない、と判断した。

 しかし、改めて引き直した中長期のレジスタンス・ライン「緑の破線」を明確に上に抜ける場合は、「買いシグナル」なので、要注意と考えていた。

 2012年の11月に、中長期のレジスタンス・ライン「緑の破線」を、明確に上に抜け、「買いシグナル」を発した、と考える。 

ユーロ/円 月足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

■ユーロ/円はすでに1年以上も下落トレンドが継続 一昨年(2014年)の10月31日(金)に、日銀が追加の金融緩和策を発表したことを材料に、ユーロ/円が急騰した。

 それで、その時点での直前の安値(134円台前半)に合わせて、サポート・ライン「赤の破線」を表示した。

 高値150.00円アラウンド(149.75-80円水準)をつけるまでは、このサポート・ライン「赤の破線」に従って上昇した、と考える。

 しかし、昨年(2015年)の1月中旬(1月15日木曜日)の急落で、このサポート・ライン「赤の破線」を割り込んだ。「売りシグナル」を発した、と考える。 

ユーロ/円 月足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 この時点(2015年1月15日木曜日)で、ユーロ/円が、トレンド転換した可能性がある、と考えた。

 つまり、ユーロ/円の94円台から150円近辺まで上昇した期間が、「上昇トレンド」であり、150円近辺がピーク(最高値)で、「下落トレンド」に転換している可能性がある、ということだ。

 ユーロ/円は、この「売りシグナル」に従い、126.00円近辺まで下落した。

 しかし、126.00円近辺を底に、反転して、大きく急騰した。

 それで、新たに、一番右のサポート・ライン「緑の破線」を表示した。 

ユーロ/円 月足(再掲載、クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 126円台からの反転、大きな上昇で、ユーロ/円のトレンドは判然としなくなった(つまり、はっきりしなくなった、わからなくなった)、と考えた。

 昨年(2015年)の4月以降の値動きでは、ユーロ/円は、126円台にまで急落し、そして、141円台に急騰した。

 それで、上述のとおりに、下落トレンドなのか、否か判然としなくなったのだが、月足チャートを見てのとおりに、ユーロ/円は、一番右のサポート・ライン「緑の破線」を割り込み、改めて「売りシグナル」を発した、と考える。

 月足チャートに、「赤の破線」で示したサポート・ラインを割り込んだことで、その時点でトレンド転換が起こっているのではないか?(=すでに、下落トレンドに転換しているのではないか?)と、考えていたのに、判然としない状況だった。

 しかし、126.00円近辺の従来の安値を割り込んだので、「サポート・ライン『赤の破線』を割り込んだ時点で、下落トレンドに転換した」ことを確認できた、と考える。

 つまり、ユーロ/円は、昨年の1月中旬(2015年1月15日木曜日)の急落で、「下落トレンド」に転換した、と考える。

 そう考えると、ユーロ/円は、すでに1年以上も下落トレンドが継続していることになる。

■マイナス金利導入の影響は月足では見つからない 先月末(1月29日)の日銀政策決定会合で、マイナス金利の導入が発表されて、「円売り」になった。

 ユーロ/円は、129円台から132円台に急上昇している。

 しかし、現時点の月足チャートで見る限りでは、特段の変化は見つからない。

 つまり、一番右のサポート・ライン「緑の破線」を割り込んで発せられた「売りシグナル」が有効、と考える。

■週足では2009年高値更新で「買いシグナル」点灯 続いて、週足チャートをご覧いただきたい。週足チャートに「94.00円-112.00円のボックス相場」(赤の破線)を表示した。  

ユーロ/円 週足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)

 ユーロ/円は、この「94.00円-112.00円のボックス相場」の上限を抜けて、「買いシグナル」を発した、と考える。

 いわゆる「ダブル・ボトム」を作り、その上限(ネック・ライン)を上抜けして「買いシグナル」を発した、と言える。

 ユーロ/円の上昇は、大局で見れば、当初はサポート・ライン(1)「ピンクの破線」に従っていた、と考える。

 そしてユーロ/円は、139円台ミドルを上に抜けた時点で、2009年の高値を更新した。2009年の高値を更新したことで、「買いシグナル」を発した、と考える。

 この「買いシグナル」に従い、ユーロ/円は上昇して、高値145円台をつけている。

 この高値(145円台)をつけてからのユーロ/円は…