米NFL、スポーツ予測市場は「賭博」と主張。カルシ巡る訴訟で米最高裁に意見書

州の賭博規制の適用を支持、試合の公正性と利用者保護を訴え

米プロアメリカンフットボールリーグのNFL(National Football League)が、スポーツ関連の予測市場のイベント契約は実質的にスポーツ賭博に当たると主張する意見書を、米連邦最高裁判所に10月8日付で提出した。

同意見書は、予測市場運営企業カルシ(Kalshi)とニュージャージー州当局の訴訟について、第三者の立場から見解を示す「アミカス・ブリーフ」として提出された。NFLは、州当局側による最高裁での審理の申し立てを支持している。

予測市場は、将来の出来事の結果を予想して契約を売買する市場だ。スポーツ関連のイベント契約には、試合の勝敗や選手の得点数などを対象とするものがある。

この訴訟の発端は、ニュージャージー州の賭博規制当局による取扱い停止要求だ。カルシは2025年1月にスポーツ関連のイベント契約を提供開始したが、同当局は同年3月27日、州内の利用者への無許可のスポーツ賭博に当たるとして、取扱い停止と既存の賭けの無効化を求めた。

当局は、州内で開催される大学スポーツを対象とした契約も問題視した。同州の憲法は、州内開催の大学スポーツや、同州の大学チームが参加する試合への賭けを禁止している。

これに対しカルシは、連邦法による規制が州の賭博規制に優先すると主張し、同年3月29日に州当局を提訴した。ニュージャージー州の連邦地方裁判所に、州当局による規制の執行を差し止めるよう求めた。

主な争点は、こうした契約が米商品取引所法(CEA)上のデリバティブ(金融派生商品)の一種である「スワップ」に該当し、米商品先物取引委員会(CFTC)の専属管轄に入ることで、州の賭博法の適用が排除されるかだ。

同地裁は2025年4月28日、カルシのスポーツ関連契約に対する州法の執行を差し止める仮処分を出した。州当局は控訴したが、米第3巡回区控訴裁判所は2026年4月6日、同契約にCFTCの専属管轄が及ぶとして仮処分を維持した。

州当局側は同年9月2日、最高裁に審理を申し立てた。NFLの意見書によると、別の訴訟では第6・第9巡回区控訴裁判所がスポーツ関連契約をスワップとみなさず、裁判所間で判断が分かれている。

NFLは、ドッド・フランク法上の「スワップ」は、既存の経済的リスクを軽減する商品を想定したものだと主張した。これに対し、スポーツ関連契約は、主に一般消費者に新たなリスクを生じさせる賭博だと主張している。2008年の金融危機を受けて成立したドッド・フランク法の定義を、州のスポーツ賭博規制を排除する根拠とする解釈に反対した。

またNFLは、CFTCと予測市場運営企業の現状の対策には、州規制下のスポーツ賭博に求められる保護策と大きな隔たりがあると指摘した。試合の公正性や利用者保護のため、規制主体を明確にする必要があるとしている。

具体的には、一人の行動で操作しやすい契約、選手の負傷などを対象とする契約、審判の判断に関する契約、結果を事前に知り得る契約の禁止を求めた。非公開情報にアクセスするリーグ関係者などの取引を防ぐため、運営企業とNFLが取引禁止対象者の情報を共有する必要性も訴えている。

NFLは、CFTCと予測市場運営企業が州規制下の事業者と同等の保護策を導入すれば、監督主体を巡る懸念は小さくなるとも説明した。最高裁がCFTCの専属管轄を認めた場合には、CFTCや議会などに、より強い保護策の導入を求める考えも示している。

本件は、最高裁での審理の許可を求める段階にある。最高裁の事件記録によると、カルシ側の回答期限は11月9日に設定されている。

参考:NFLの提出意見書・最高裁の事件記録
画像:PIXTA

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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