
この記事の要点
- グレースケールが世界初のZEC現物ETFを上場
- ZEC価格は1週間で約58%上昇し約803ドルに
まずは仮想通貨ETF(上場投資信託)を詳しく
ZEC現物ETF「ZCSH」取引開始
米グレースケール・インベストメンツは2026年8月25日、ジーキャッシュ(ZEC)の現物価格に連動する世界初のETF「The Zcash ETF」をNYSE Arcaに上場したと発表しました。
ティッカー「ZCSH」で取引される同商品を通じて、投資家はZECを直接購入・保管することなく、証券口座からその値動きに投資できると、同社は説明しています。
一方、原資産のZECにはETF上場への期待などを背景に資金が流入しており、価格は直近1週間で約58%上昇するなど、急ピッチの値上がりが続いています。
記事執筆時点では1 ZECあたり約792ドル(約12万7,000円)で取引されており、過去1年間でおよそ19倍となる高値圏に達しました。
Ironwood延期も視野に3つの対応策
打倒BTCを掲げるZcash、3つの強み
金融プライバシーが挑戦の切り札に
ZEC価格が急伸するなか、同社リサーチ部門責任者のザック・パンドル氏は同日のブログで、ジーキャッシュがビットコイン(BTC)の強固なネットワーク効果に対抗できる可能性があるとの見方を示しました。
同氏はビットコインが独自分類の「通貨」カテゴリで時価総額の93%を占めるほど強固な地位を築いているとしたうえで、後発のジーキャッシュには3つの差別化要因があると論じています。
具体的には「AIの普及で重要性が増す金融プライバシー」「量子コンピュータを含む将来のサイバー脅威への耐性」「他のブロックチェーンとの接続性」を強みとして挙げています。
なかでも最大の強みとしているのがプライバシー機能で、取引情報が公開されるビットコインとは異なり、ジーキャッシュは送信者・受信者・金額を秘匿できる「シールド取引」を備えています。
この特徴について、同社インデックス部門責任者のスティーブ・ヴァノーニー氏は「AIが金融活動の監視方法を変えるなかで、本物の金融プライバシーへの需要は増す一方だと考えている」と述べています。
2017年の私募信託をETFに転換
今回上場したZCSHは、グレースケールが2017年10月から私募ファンドとして運用してきたジーキャッシュ信託を、上場投資信託へ転換して誕生しました。
その原資産となるジーキャッシュは2016年に登場し、発行上限2,100万枚やProof-of-Work(プルーフ・オブ・ワーク)などビットコインとの共通点を持つ一方、利用者が任意で取引情報を秘匿できる点に大きな違いがあります。
グレースケールは信託をETFへ転換することで、こうした特徴を持つZECへの投資機会をより幅広い層へ届ける狙いがあると述べています。
ただし、パンドル氏は時価総額がビットコインの1%未満にとどまることからZECに過小評価の余地があるとみる一方、価格変動を伴うハイリスクな投資でもあるとして慎重な見方を示しています。
新シールドプール「Ironwood」稼働
ジーキャッシュではネットワークの改良も重ねられており、2018年のSapling、2022年のOrchardとNU5に続き、2026年7月にはIronwoodへのアップグレードを実施しています。
開発に携わるZODLによると、Ironwoodは旧Orchardプールのゼロ知識証明回路で健全性に関わる問題が見つかったことを受け、新たなシールドプールとして開発されました。
旧プールの問題が悪用された証拠は確認されておらず、Ironwoodでは形式検証を経た回路を採用するとともに、旧プールから移行したZECの量を「ターンスタイル」と呼ばれる仕組みで検証できるとZODLは説明しています。
こうした技術改良についてグレースケールは、Ironwoodを含む一連のアップグレードにより、透明な台帳型の設計と比べて量子関連リスクへの追加的な耐性がもたらされるとみています。
秘匿取引の偽造対策で関係者が合意
日本は出遅れ、広がるプライバシー通貨ETF
米国でビットコインやイーサリアム(ETH)に続く現物ETFの承認が相次ぐなか、今回のZCSH上場によって、その対象はプライバシー機能を特徴とするZECにも広がりました。
一方、日本では2018年以降、金融庁の方針を踏まえて匿名性の高い仮想通貨が国内の交換業者で扱われておらず、ジーキャッシュも国内取引所を通じて売買しにくい状況が続いています。
今回の上場により、ZECへの投資手段をめぐる米国と日本の違いがより明確になっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.23 円)
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Source:Grayscale公式ブログ
サムネイル:AIによる生成画像





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