英FCAと英中銀、金融市場トークン化の共同ロードマップ公表

ステーブルコイン決済も検討

英金融行為規制機構(FCA)と英国銀行(Bank of England)が、英国ホールセール金融市場におけるトークン化の将来像を示す共同ビジョン文書を5月18日に公表し、業界からの意見募集を開始した。締め切りは2026年7月3日に設定されている。

今回の取り組みは、英国政府の「Wholesale Financial Markets Digital Strategy」に沿ったもので、トークン化証券の発行・取引・決済インフラ整備を進める狙いがある。

文書では、分散台帳技術(DLT)を活用したトークン化について、「ホールセール金融市場における数十年に一度の変革になり得る」と位置づけられた。具体的には、決済高速化、24時間365日の取引・決済、流動性向上、スマートコントラクトによる自動化、重複台帳や照合作業の削減などが主な利点として挙げられている。

また両当局は、英国について「トークン化分野で世界的リーダーとなる潜在力を持つ」と説明。多くのホールセール市場分野で世界トップ3の取引センターであることに加え、新RTGS(リアルタイム・グロス決済)基盤や安定した法制度を競争優位として示した。

現在、英国のデジタル証券サンドボックス(DSS)には16社が参加しており、ギルト債で80〜130億ポンド、スターリング建て社債で170〜280億ポンド規模の実取引が想定されている。FCAと英中銀は、DSS参加企業が恒久認可へ移行できる制度整備を進める方針も示された。

また、英財務省によるデジタル国債「DIGIT」パイロットでは、HSBCが2026年2月にDLTサービス提供事業者として選定済み。DIGITはDSS上で発行され、オンチェーン決済を伴う実証実験として実施される予定だ。

健全性規制では、プルーデンシャル規制機構(PRA)が同時公表したCEOレターにおいて、法的権利と基礎リスクが同等である場合、トークン化資産は原則として非トークン化資産と同じ健全性規制上の扱いを受けると明確化された。

さらに英中銀は、デジタル資産台帳が中央銀行マネーによるプログラマブル決済へアクセスできる「シンクロナイゼーション・サービス」を2028年提供開始目標で開発中と説明。現在は18社参加の「Synchronisation Lab」で実証を進めている。

このほかDSSでは、既にトークン化銀行預金による証券決済が認められているが、今後は一定のステーブルコインも決済手段として追加される予定だ。

なお、FCAは指定投資暗号資産(SIC)のカストディ規制について、当初予定していた「CASS 17」の適用を見送る方針も明らかにした。当面は既存の「CASS 6」をベースに審査を行うとしている。

参考:発表
画像:PIXTA

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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