
暗号資産企業の米IPO計画見直し広がる
イーサリアム(Ethereum)開発企業コンセンシス(Consensys)および暗号資産(仮想通貨)ハードウェアウォレット開発企業レジャー(Ledger)が、米国IPO(新規株式公開)計画を延期または停止したと、「コインデスク(CoinDesk)」が5月14日に報じた。
2025年は、規制環境の明確化や機関投資家需要拡大を背景に、暗号資産関連企業による上場の動きが相次いだ。一方、2026年に入り、暗号資産市場および米国株式市場の低迷を背景に、IPO計画を見直す動きが広がっている。
コインデスクによるとコンセンシスは、早くても今年秋までIPO計画を延期したという。同社は、イーサリアム向けウォレット「メタマスク(MetaMask)」の開発元として知られる企業だ。
またコインデスクの報道によると、コンセンシスは昨年、JPモルガン(J.P. Morgan)およびゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)をIPO主幹事候補として起用していたとのこと。さらに、今年2月末ごろに米証券取引委員会(SEC)へ非公開のS-1登録書類を提出する方向で準備を進めていたという。
一方、フランス拠点のレジャーは、暗号資産の秘密鍵をオフラインで保管するハードウェアウォレットで知られる企業だ。コインデスクによると、同社は今年初め、ゴールドマン・サックス、ジェフリーズ(Jefferies)、バークレイズ(Barclays)を起用し、企業価値約40億ドル(約6,300億円)規模でのIPOを検討していたという。
ただし報道によると、レジャーはSECへのS-1登録書類提出には至っていないとのこと。また同社は、IPO以外に非公開市場での資金調達も選択肢として検討していると伝えられている。
今回の背景についてコインデスクは、マクロ経済不透明感や関税懸念、利下げ期待後退、ビットコイン現物ETFからの資金流出などを背景に、暗号資産市場でリスク資産回避の動きが強まったためだと説明している。
また、暗号資産関連企業によるIPO計画見直しは他社にも広がっている。今年3月には、米暗号資産取引所クラーケン(Kraken)がIPO計画を一時停止したとコインデスクが報じた。同社は2025年11月にSECへ非公開でS-1登録届出書の草案を提出していたという。
一方で、グローバル全体で見るとIPO計画自体が完全に停止したわけではないとみられる。欧州では、暗号資産ブローカーのビットパンダ(Bitpanda)がフランクフルト証券取引所でのIPO準備を進めていると報じられているほか、香港ではハッシュキー・ホールディングス(HashKey Holdings)が昨年12月にIPO目論見書を公開している。
なお、2026年に米国でIPOを実施した暗号資産関連企業は、現時点で暗号資産カストディ企業ビットゴー(BitGo)のみとされる。同社は今年1月のIPOで約2億1,300万ドル(約336億円)を調達したが、現在の株価はIPO価格を約36%下回っているとのことだ。
コンセンシスおよびレジャーは、今回の報道についてコメントを控えているという。
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参照元:ニュース – あたらしい経済

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