
この記事の要点
- JCBAがステーキング事業者向け運営指針を策定、近く公表
- リスク・手数料の説明基準を業界団体として整備
- 金商法改正・ETF解禁と連動、国内制度整備が加速
JCBAがステーキング指針、近く公表へ
2026年5月1日、日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)が、暗号資産のステーキングを手掛ける事業者向けの運営指針を策定し、近く一般に公表する見通しであることが日本経済新聞の報道で明らかになりました。
国内では金融商品取引法の改正案が閣議決定され、暗号資産ETF(上場投資信託)の解禁に向けた議論が進むなか、ステーキング事業者が利用者に対してリスクや手数料体系をどのように説明すべきかの基準が、業界団体として初めて整備されました。
ステーキングは保有する仮想通貨を預け入れ、ブロックチェーンのネットワーク維持に貢献した対価として報酬を受け取る仕組みで、ビットコイン(BTC)以外のPoS系銘柄を中心に利用が広がっています。
一方で、手数料体系が不透明な事業者や、取引所が破綻した場合に預け入れ資産の扱いが明確でないケースも指摘されており、今回の指針はこうした課題に対応し、業界全体の透明性向上を促す狙いがあるとみられています。
仮想通貨ステーキングの始め方
1年超の議論経て最終化、金商法と連動
2025年から議論、4月の部会で最終調整
JCBAのステーキング部会は2025年1月から新体制のもとで議論を開始し、2025年7月には成果物の原案を協議したうえで、部会員から意見を募集していました。
その後も内容の見直しを進め、2026年3月にあらためて意見募集を実施し、最終化に至ったとJCBAは説明しています。
4月15日に開催された第4回ステーキング部会では、部会長の渡辺瑛介氏(株式会社Omakase代表取締役)と副部会長の徳力創一朗氏が指針の説明を行い、参加者との意見交換を経て公表に向けた最終調整が進められています。
改正金商法、ステーキング事業者にも適用
同部会ではあわせて、4月10日に閣議決定された金融商品取引法改正案がステーキング実務に与える影響についても議論が行われました。
改正案は暗号資産(仮想通貨)を資金決済法から金商法上の金融商品として扱うもので、インサイダー取引規制の新設や発行者への年1回の情報開示義務の導入が盛り込まれています。
今国会で成立すれば2027年度に施行される見通しで、登録業者の名称も「暗号資産交換業者」から「暗号資産取引業者」へ変更される方針です。
預け入れ資産のリスク、再確認の材料に
日経新聞によれば、金商法改正などの法制度の変化を踏まえ、今回の指針では事業者がステーキングに伴うリスクや手数料体系を利用者へ説明する際の基準が明文化されたといいます。
報酬率の表示方法や管理体制の開示が整理される見通しで、取引所を通じてステーキングを利用している個人にとっては、事業者から提供される情報の内容や粒度が明確化され、自身が預けている資産のリスクを再確認する材料となります。
あわせて、2026年度税制改正大綱で申告分離課税(20%)の導入が明記されるなど、税制と法整備が一体で進み、ステーキング報酬の課税上の扱いについても明確化が進むとみられています。
JPX山道CEO「早ければ来年にも」
仮想通貨ETFも視野、国内制度整備が加速
こうした法整備や税制改革と並行して、仮想通貨ETFの国内上場に向けた具体的な動きも出始めています。
日本取引所グループ(JPX)の山道裕己CEOは4月30日、ブルームバーグの取材に対して、仮想通貨ETFの上場を早ければ2027年にも実施する考えを明らかにしました。
山道氏は「資産運用会社が仮想通貨ETF商品への強い関心を示している」と述べ、法改正と税制の整備が進み次第、上場手続きに入る準備があると説明しています。
国内ではSBIホールディングスもビットコインやXRPを組み入れた暗号資産ETFの構想を発表しており、金商法改正の成立を見据えた商品開発の動きが広がっています。
金商法改正案の国会審議の行方とJCBAのベストプラクティスの具体化は、ステーキング事業者と利用者の双方にとって今後の実務に直結する論点となっています。
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Source:日本経済新聞
サムネイル:AIによる生成画像






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