
この記事の要点
- ジョーンズ氏が4月28日にBTCを「最高のインフレヘッジ」と評価
- ビットコインの希少性を強調し、ゴールドを上回る資産との見解を提示
- 米株GDP比252%を指摘、IPO増加と株式市場への影響に警戒感
ジョーンズ氏「ビットコインは金より上」と明言
著名マクロ投資家でチューダー・インベストメント創業者のポール・チューダー・ジョーンズ氏は2026年4月28日、ポッドキャスト「Invest Like the Best」に出演し、ビットコイン(BTC)を「明確に最高のインフレヘッジだ。ゴールドよりも上だ」と評価しました。
同氏はビットコインの発行上限が2,100万枚に固定されている点に触れ、供給量が毎年数%ずつ増加する金(ゴールド)とは異なる希少性を持つ資産であるとの認識を示しています。
また、2020年のFRB(米連邦準備制度理事会)と米財務省による大規模な財政・金融介入を背景にビットコイン投資を開始した経緯にも言及し、当時のインフレ環境において優位性が際立っていたと振り返りました。
一方で、インフレヘッジとしての側面だけでなく、サイバー戦争や量子コンピューティングといった新たなリスクにも触れ、デジタル資産全体に影響を及ぼす可能性について警戒感を示しました。
特に量子コンピューティングについては、AI(人工知能)の進展とともに実用化の現実味が高まっていると指摘し、銀行システムを含むデジタルインフラ全体への影響にも注意が必要と述べています。
量子が仮想通貨・BTCを襲う日
GDP比252%に膨張、米株バブルの懸念
「今後10年、株で利益を出すのは困難」
ジョーンズ氏はビットコインへの強気姿勢を示す一方で、米国の株式市場に対しては強い警戒感を表明しました。
同氏によると、現在の米株式市場の時価総額はGDP比で252%に達しており、1929年の65%、1987年の85〜90%、2000年のITバブル時の170%をいずれも上回っています。
この水準について同氏は「現在のバリュエーションで買えば、10年先のリターンはマイナスになる」と述べ、今後10年間の株式投資は「非常に難しい」との見通しを明らかにしました。
加えて同氏は、大型IPO(新規株式公開)の波が控えている点にも言及し、株式供給の急増を警告しました。
今後1年間に予定されているIPOの規模は市場時価総額の5〜6%に相当する可能性があり、過去10年間にわたり自社株買いで年間約2%ずつ株式供給を減らしてきた流れが逆転することになります。
「終わりのない売りの連鎖」再来を警戒
こうした株式供給の転換が意識されるなか、ジョーンズ氏は現在の市場環境が1999〜2000年のITバブル崩壊前夜と多くの共通点を持つと分析しています。
当時もIPOラッシュの後にロックアップ解除が相次ぎ、「終わりのない売りの連鎖」が発生したと同氏は振り返りました。今回もIPO関連の資金需要がテック株から吸い上げられることで、テクノロジーセクターの重しとなり続けると同氏は指摘しています。
こうしたIPOによる需給悪化リスクに加え、過去の大きな市場崩壊の多くがデリバティブによる過剰なレバレッジに起因していたと同氏は振り返り、1987年の暴落は「100%ポートフォリオ・インシュアランスが原因だった」と説明しました。
35%下落ならGDP80%相当が消失
こうした歴史的な教訓を踏まえ、ジョーンズ氏が最も懸念しているのは、株価急落が米国経済全体に波及する「負の連鎖(自己増幅的な動き)」です。
米国の税収の10%はキャピタルゲイン税が占めており、株式市場が大幅に下落すればこの税収がゼロに近づくと同氏は指摘しています。
その結果、財政赤字の急拡大と債券市場への打撃が同時に発生し、逆資産効果を通じて実体経済にも悪影響が及ぶ展開が予想されます。GDP比252%に達した時価総額が30〜35%下落すれば、GDPの80〜90%に相当する資産が消失する計算となります。
これらの点についてジョーンズ氏は「バブルかどうかは断言できないが、明確にソブリン債のバブルの中にいる」と述べ、米国の財政・金融環境が過去に類を見ない水準にあるとの認識を示しました。
マクグローン氏「まだ底ではない」
量子耐性対応が加速、IPO供給増も焦点に
一方で、ジョーンズ氏が指摘した量子コンピューティングの脅威をめぐっては、ブロックチェーン業界で具体的な対応策が動き出しています。
ブロックストリームCEOのアダム・バック氏は「保有者に10年の移行猶予を与えるべきだ」との見解を示しており、ビットコイン開発者コミュニティでは耐量子署名への移行案が議論されています。
あわせて、ソラナ財団は4月27日に量子耐性移行ロードマップを公開し、耐量子署名方式「ファルコン」を軸とした3段階の移行計画を提示しました。
ジョーンズ氏が警告したIPOラッシュによる株式供給の急増と、ビットコインの長期的なインフレヘッジ機能への評価が、今後のマクロ環境の変化とともに注目を集めています。
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Source:「Invest Like the Best」ポッドキャスト
サムネイル:AIによる生成画像






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