
この記事の要点
- Oobitが2026年4月、仮想通貨給与に関する調査を公開
- 労働者の43%が希望、企業の提供は7%にとどまる
- 11%は1〜5%減給を受け入れてでも受け取りを希望
- 給与制度・税務・価格変動対応が導入拡大の焦点に
「仮想通貨で給料を」43%が希望、企業は7%のみ
仮想通貨決済サービスを手がけるOobitは2026年4月、フルタイム就業者1,004人を対象に実施した仮想通貨給与に関する調査レポートを公開しました。
調査によると、給与の一部を仮想通貨で受け取りたいと考える労働者は43%にのぼる一方、実際に仮想通貨給与を提供している企業は7%にとどまっています。
この36ポイントの開きは、給与の受け取り方を見直そうとする労働者側のニーズに対し、企業の制度が追いついていない現状を示しています。
仮に勤務先が今すぐ仮想通貨給与を導入した場合、32%が利用したいと回答しました。さらに11%は、給与の1〜5%減額を受け入れてでも一部を仮想通貨で受け取ることを望んでいます。
こうしたニーズが具体的な数値として表面化する一方で、給与計算や税務処理、価格変動への対応が普及の障壁になっているとOobitは指摘しており、仮想通貨給与をめぐる労使間のギャップが今回の調査で改めて確認されました。
「オンチェーン給与は丸見え」
Oobit調査が示す仮想通貨給与の需要と壁
若年層ほど高い関心、希望銘柄はビットコイン
関心の高さは世代によって異なり、ジェネレーションZが46%、ミレニアル世代が45%と高い水準となり、X世代も35%が前向きな姿勢を示しました。
仮想通貨の保有経験者に限ると関心率は57%に上昇し、アクティブな取引・投資経験者では86%に達しています。
これは未経験者(27%)の3倍を超える水準で、仮想通貨に触れたことがある層ほど給与での受け取りに前向きな姿勢を示しています。
希望する銘柄はビットコイン(BTC)が46%で最多、次いでステーブルコインが11%、イーサリアム(ETH)が5%と続きます。
ただし、関心を持つ労働者が望む配分は給与全体の平均27%にとどまり、残る73%は従来の法定通貨での受け取りを希望しています。
仮想通貨給与への「全面移行」ではなく、法定通貨と組み合わせて使い分ける形が現実的な選択肢として浮上しているとOobitは分析しています。
こうした関心の高まりは採用面にも波及しており、16%が「仮想通貨給与の提供は求人応募の後押しになる」と回答しました。
さらにアクティブな取引経験者では、1〜5%の減給を受け入れてでも仮想通貨給与を望む割合が26%まで跳ね上がっており、企業の採用競争力に直結する要素となりつつあります。
5人に1人が経験、大半は副業・フリーランス経由
採用面で関心が高まる一方、すでに仮想通貨で報酬を受け取った経験がある労働者は全体の20%に達しています。
世代別ではジェネレーションZが23%、ミレニアル世代が21%、X世代が16%という結果になりました。
ただし、その内訳は副業が45%、フリーランスが44%と過半を占めています。正規の雇用契約上での受け取りは21%にとどまりました。
ギグワーク(15%)、単発案件(14%)、パートタイム(9%)が続いており、仮想通貨給与は正規雇用よりも副業やフリーランス領域で先行して広がっている実態を示しています。
受領者の58%が換金、満足度は78%に
受け取った仮想通貨の扱い方は人によって分かれており、別ウォレットへの転送が30%、即時にドルへ換える人と一定期間保有後に換金する人がそれぞれ29%と続き、価格変動を避けて法定通貨に戻す動きが過半を占めました。
全額保有を続けている人は25%、長期投資扱いとした人が24%、財・サービスへの直接支出に充てた人は16%にのぼっています。
こうした使い分けの裏で、経験者の78%は受け取りに満足したと回答しており、実際に体験した層からは肯定的な評価が広がっているとOobitは説明しています。
88%が変動を不安視、ステーブルコインに突破口
肯定的な経験が広がる一方で、受け取りを妨げる障壁も根強く残っています。価格変動リスク(ボラティリティ)を最大の懸念に挙げた労働者は50%に達し、「ある程度懸念している」とする回答は88%にのぼりました。
そのほかの懸念としては、法定通貨の選好が35%、仮想通貨の使いにくさが32%、信頼性への不安が28%と続いています。
さらに税務処理の複雑さとセキュリティ上の不安がそれぞれ22%、知識・理解不足が19%と挙げられており、技術・制度・心理の各面で複合的な障壁が残っています。
こうした不安を和らげるために労働者が求めているのは、明確な規制(30%)、雇用主によるマッチングやボーナス制度(28%)、ワンクリックでドルに換金できる仕組み(24%)の3つです。
受け取った仮想通貨をすぐにドルへ換金している経験者が29%いる現状を踏まえ、Oobitは「価格変動を抑えながら使えるステーブルコインの活用が、企業導入の突破口になり得る」と指摘しています。
2030年の普及率は世界人口の半分に
仮想通貨給与の制度化、今後5年で主流入りも
仮想通貨給与をめぐっては、エルサルバドルが2021年にビットコインを法定通貨として採用して以降、各国で労働報酬としての位置づけを問い直す議論が広がってきました。
今回のOobit調査は、こうした世界的な議論の現在地を労働者側の数値で示すものとなり、関心と導入のあいだに36ポイントの差があることを明らかにしました。
同社は、企業導入が広がるためには給与計算システムの仮想通貨対応、税務当局によるガイダンス整備、変動リスクへの対応手段の提供が同時に進む必要があると説明しています。
なかでもボラティリティへの懸念が88%に及ぶ現状を踏まえると、価格変動を抑えやすいステーブルコインを活用した給与スキームをどの企業が先行して提示するかが、普及スピードを決める分岐点となります。
Oobitの調査で「5年以内に仮想通貨給与が主流になる」と答えた労働者は27%にのぼっており、雇用契約に仮想通貨を組み込む選択肢は今後の労働市場で徐々に現実味を帯びる可能性があります。
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Source:Oobit調査
サムネイル:AIによる生成画像









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