
この記事の要点
- Kraken・Fundriseが2026年3月27日、未公開株トークン「VCXx」を発表
- SpaceX・OpenAI・Anthropicなど4社への個人投資が単一トークンで可能に
- 機関投資家限定だった未公開株市場が、個人投資家へ初めて開放
- xStocksが公開株を超え、未公開企業エクスポージャーの新カテゴリに参入
SpaceX・OpenAIへの個人投資をオンチェーンで解禁
大手仮想通貨取引所Kraken(クラーケン)は2026年3月27日、米国最大の個人向けオルタナティブ投資プラットフォームFundrise(ファンドライズ)と提携し、同社の新設ファンド「Fundrise Innovation Fund(VCX)」のトークン化を発表しました。
Krakenのトークン化株式プラットフォーム「xStocks」が、同新設ファンドをブロックチェーン上でトークン化し、「VCXx」として提供するとしています。
この提携により、SpaceX(スペースエックス)やOpenAI(オープンエーアイ)、Anthropic(アンソロピック)、Databricks(データブリックス)といった未公開の大型テック企業へ、単一のトークンを通じて分散投資できるようになります。
これまで、こうしたレイトステージ企業の未公開株への投資は機関投資家や富裕層に限られており、高額な最低投資額や長期のロックアップ期間(資金拘束)が個人の参入を阻んできました。
VCXxはこの障壁をトークン化によって取り除き、ほかのデジタル資産と同様に取引や担保化、運用戦略への組み込みが可能な設計となっています。
VCXxはxStocksにとって、公開株式の枠を超えて未公開企業エクスポージャーを提供する新たなカテゴリの追加となり、数日以内に正式取引が開始される見通しです。
RWAトークン化の仕組み
VCXxがxStocksに新カテゴリ、未公開企業株がオンチェーン化
ウォレットから未公開株に投資可能に
VCXファンドはニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場する公開ファンドでありながら、その投資先はSpaceXやOpenAIといった未公開企業の株式で構成されています。
発表によれば、公開市場に上場するファンドを通じて未公開企業の価値変動に連動できる仕組みとなっており、これまで機関投資家や富裕層に偏っていた投資機会を、より広い投資家層へ開放する役割を担います。
KrakenのxStocksは、このVCXファンドをブロックチェーン上でトークン化し、「VCXx」として提供します。VCXxはウォレット間で移転できるほか、複数のプロトコル間で流動性を持たせることが可能で、オンチェーン金融アプリケーションへの統合にも対応します。
また、VCXxはマルチチェーンかつ相互運用性を前提とした設計が採用されており、単一ネットワークに依存せず、複数のブロックチェーン上で流通できる構造となっています。
さらに、VCXxは担保化やレンディング、自動運用戦略への組み込みにも対応するとしており、単なる投資商品にとどまらない活用が想定されています。
xStocksはすでに100種類超のトークン化株式・ETFを取り扱っており、累計取引量は250億ドル(約3兆7,500億円)を超えています。関連資産の保有者数も世界で10万人を超えており、トークン化証券市場における主要プレイヤーの一角を占めています。
高額・長期拘束が阻む未公開株投資
VCXxが登場した背景には、未公開のまま巨大化するテック企業と、そこへ投資できない個人との格差があります。
近年、IPO(新規株式公開)を行わず高い企業価値を維持するレイトステージ企業(上場前の成長段階にある大型スタートアップ)が増えており、SpaceXやOpenAIのように未公開段階で企業価値が大幅に拡大する事例が相次いでいます。
一方でこうした企業への投資は、高額な最低投資額や長期のロックアップ期間(資金拘束)を理由に機関投資家や富裕層に限られており、個人投資家にとって投資機会の格差が広がっています。
Payward共同CEOのアルジュン・セティ氏は「VCXをトークン化することで、世界中の適格投資家が公開ビークル(取引所に上場した公開ファンド)を通じて、世界トップクラスの企業へのプライベートエクスポージャーにアクセスできるようになる」と述べました。
ファンドライズCEOのベン・ミラー氏も「VCXは公開市場と非公開市場を結ぶブリッジとして構築したもの。すべての個人投資家が世界有数の未公開テック企業に投資できるべきだ」と発表文の中で説明しています。
NYSE、トークン証券インフラ整備に着手
S&P500もオンチェーンへ、金融インフラのトークン化が加速
トークン化資産をめぐっては、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが公式ライセンスのもとS&P500の無期限先物契約をHyperliquid(ハイパーリキッド)上で提供すると発表しており、24時間取引可能な金融インフラとしての整備が各所で同時並行的に進んでいます。
対象領域は公開株式や指数商品から未公開企業・実物資産を含む幅広い資産クラスへと広がっており、トークン化の波が従来の市場区分を越え始めています。
VCXxのような未公開資産のトークン化が広がるかどうかは、各国規制当局の対応や適格投資家要件との整合性が焦点となります。Nasdaqとの連携動向とあわせ、今後の展開が注目されます。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.95 円)
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Source:Kraken公式ブログ
サムネイル:AIによる生成画像





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