
この記事の要点
- Galaxy Digitalアレックス・ソーン氏が「CLARITY法案」に警告
- 4月末に委員会通過できなければ2026年中の成立は困難との見方
- 不成立なら施行は2029年にずれ込むとTDコーウェンが試算
- 機関投資家の市場参入判断にも影響、規制空白が長期化へ
CLARITY(クラリティ)法案、4月末が事実上の成否の分岐点に
米仮想通貨投資会社Galaxy Digital(ギャラクシー・デジタル)のアレックス・ソーン氏は2026年3月15日、仮想通貨市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」が4月末までに委員会を通過しなければ2026年中の成立見込みが大幅に低下するとの見解を示しました。
ソーン氏は自身のX(旧Twitter)で「5月上旬に上院本会議の審議時間を確保できなければ、日が経つごとに可決の見込みは遠のく」と述べており、期限が迫る中でも審議が進まない最大の要因は銀行側と仮想通貨企業側の根深い対立にあると指摘しています。
if CLARITY doesn't pass committee by end of april, odds of passage in 2026 become extremely low. this needs to hit the senate floor by early may… floor time is running out and odds diminish every day that passes
the framing right now is that the dispute over stablecoins… pic.twitter.com/tEejEsmUi9
— Alex Thorn (@intangiblecoins) March 14, 2026
もしCLARITY法案が4月末までに委員会を通過しなければ、2026年中の成立可能性は極めて低くなる。
この法案は5月初旬までに上院本会議に持ち込まれる必要があるが、審議に使える時間はすでに限られており、日が経つごとに成立の可能性は低下している。(後略)
その背景にあるのはステーブルコインの報酬制度を巡る争点で、この溝を埋める妥協案が4月末までにまとまらなければ、法案は2026年会期を逃して次の議会でゼロから再スタートを迫られるリスクがあり、投資銀行TDコーウェンもその可能性に言及しています。
同社はCLARITY法案が2027年まで可決されず、施行は2029年にずれ込むシナリオを公表しており、業界が強く求める規制の明確化が数年単位で先送りされるリスクを指摘しています。
規制の枠組みが整わない状況が続けば機関投資家の市場参入判断にも影響が及ぶとソーン氏は指摘しており、4月末という期限が米国の仮想通貨(暗号資産)規制の行方を左右する分岐点として市場参加者の注目が集まっています。
トランプ氏、CLARITY法案「即時可決」要求
争点・スケジュール・政治、3つの壁が阻むCLARITY法案審議
米仮想通貨規制の根幹を定める法案
CLARITY法案は、仮想通貨取引所の運営ルールや資産分類、ステーブルコインの位置づけを包括的に定める米国の市場構造法案です。
同法案が成立すれば、仮想通貨の規制枠組みが初めて体系的に整備され、取引所の運営基準や資産の証券・商品分類などが明文化されることになります。
銀行vs仮想通貨、ステーブルコイン報酬制度で平行線
議会ではこれまで数年にわたり類似の法案が審議されてきましたが、銀行業界と仮想通貨業界の利害対立が立法を繰り返し阻んできました。
特に焦点となっているのが、ステーブルコインの報酬制度です。
銀行側は「利回り付きステーブルコインが伝統的な預金モデルを侵食する」と主張する一方、仮想通貨企業側は「過度な規制は市場の発展を妨げる」と反論しており、双方の立場は平行線をたどっています。
上院銀行委員会のメンバーからは「どちらの側も完全に満足する結果にはならない」との発言も出ており、妥協案の成立が法案可決の前提条件であることを明らかにしています。
トランプ圧力も届かない、スケジュールと政治の限界
法案審議は政治日程の面でも逆風に直面しています。ある上院議員は「4月以前に審議する余裕はない」と公言しており、議会のスケジュール確保が難航している状況です。
他の重要議題が優先される中、複雑な妥協を必要とする法案に十分な審議時間を割くことは容易ではなく、こうしたカレンダー上の制約が4月末という期限をより厳しいものにしています。
また、ドナルド・トランプ大統領は銀行側が法案の進行を遅らせているとして公に批判し、早期成立を求める政治的圧力をかけています。ただし、この発言が議会内の交渉にどこまで影響するかについては見方が分かれています。
規制明確化が3年遠のく、不成立シナリオの深刻な影響
CLARITY法案が成立すれば、仮想通貨取引所の運営基準、資産の証券・商品分類、ステーブルコインの法的取り扱いが明文化されます。
こうした規制の枠組みが確立されれば、機関投資家が市場参入を判断する際の法的基盤が整備され、現在グレーゾーンに置かれている多くのサービスの合法性も明確になると業界関係者は指摘しています。
一方、2026年会期での成立が叶わなかった場合、法案は次期議会に持ち越され、新たなリーダーシップのもとで内容が見直される可能性があります。
TDコーウェンが示した「2027年可決・2029年施行」というシナリオが現実となれば、業界が求める規制明確化の恩恵は3年以上の先送りとなります。
妥協を急ぐか、それともより確実な合意形成に時間をかけるのか。議会の判断が今後数週間で問われています。
2030年まで「デジタルドル」に法的封印
仮想通貨規制、立法と行政で同時進行する米国の動き
米国では立法だけでなく、行政側の発言や政策姿勢にも変化が見られています。
SEC(米証券取引委員会)のポール・アトキンス議長は、401k年金口座での仮想通貨投資について「解禁のタイミングが来た」と述べ、一定の安全策を前提とした活用を支持する姿勢を示しました。
一方、財務省のスコット・ベセント長官は、仮想通貨規制を巡る議論の中でエルサルバドルへの移転に触れるなど、行政側の姿勢が必ずしも一枚岩ではない状況を浮き彫りにしています。
行政・立法の双方で議論が続く中、CLARITY法案を巡る4月末の期限は、米国の仮想通貨規制の方向性が今年中に定まるかどうかを占う重要な節目として注目されています。
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Source:アレックス・ソーン氏X投稿
サムネイル:AIによる生成画像






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