JPモルガン、ソラナ上で78億円相当の債券を発行|初のトークン化コマーシャルペーパー

ソラナ上で米ドル建てCP初発行

米金融大手JPモルガン・チェースは2025年12月11日、ソラナ(SOL)上で約5,000万ドル(約78億円)相当のコマーシャルペーパー(CP)を発行したと発表しました。

コマーシャルペーパーとは、企業が短期的な資金調達のために発行する無担保の約束手形であり、期間は通常1年未満とされています。

JPモルガンによると、トークン化されたCPはCoinbase(コインベース)と大手資産運用会社フランクリン・テンプルトンによって、米ドル連動型ステーブルコイン「USDコイン(USDC)」建てで購入されました。

この取引は、米国でパブリックブロックチェーンを活用して有価証券を発行・決済した初期の事例であり、JPモルガンはそれを伝統的金融市場とブロックチェーン技術の融合に向けた「グローバルなマイルストーン」と位置付けています。

JPモルガン、トークン化債券市場に本格進出

Galaxyが関与した初のオンチェーンCP発行

JPモルガンの発表によれば、本取引は米Galaxy Digital(ギャラクシー・デジタル)の資金調達ニーズに基づいて設計され、同社はストラクチャラー(構造アレンジ役)としても関与しました。

今回のCP発行はGalaxy Digitalにとっても初の商業手形発行であり、オンチェーン形式を採用することで短期資金調達手段を強化するとともに、ブロックチェーンベースのマネーマーケット商品に関心を持つ機関投資家層へのアクセスを拡大する狙いがあります。

JPモルガンのデジタル資産部門責任者であるスコット・ルーカス氏は声明で「今回の画期的な取引は、金融の未来を築く上で重要な一歩となる。伝統的金融機関によるデジタル資産の採用を示すものであり、複雑な法規制環境下においてもソラナを介して新たな金融商品を安全にオンチェーン化できることを証明した」と述べています。

トークン化証券の実用化に向けた期待

今回の債券を購入したフランクリン・テンプルトンのイノベーション部門責任者サンディ・カウル氏も「もはや機関投資家はブロックチェーンを単なる実験ではなく、本格的に取引へ活用し始めている」と指摘し、オンチェーンで行われるあらゆる新たな取引がよりオープンで効率的な金融エコシステムへの変革を加速させるとの見解を示しています。

また、コインベースは公式X(旧Twitter)上で「ウォール街が資本市場でブロックチェーンの活用に本腰を入れ始めた」と述べた上で、本件が米国における初期の証券トークン化事例であり、USDCによる決済とカストディ体制に支えられた取引である点を強調しています。

ウォール街は、資本市場におけるブロックチェーン活用を本格化させています。

本日、JPモルガンは ソナラ上でGalaxy向けの米国コマーシャルペーパー(CP)発行を手配しました。

これは、米国で公共ブロックチェーン上に発行された初期の債務証券の一つであり、トークン化、USDC決済レール、そして コインベースのCrypto-as-a-Serviceプラットフォームによるカストディを活用した取り組みです。

ルーカス氏は今回の成功を受け「2026年前半にはこの枠組みとJPモルガンの関与範囲をさらに拡大したい。投資家・発行体に加え、対象とする証券の種類も広げていく考えだ」と語っており、今後のさらなる展開に意欲を示しました。

ブラックロックら大手もトークン化推進

米資産運用大手BlackRock(ブラックロック)のラリー・フィンクCEOは2025年12月、「金融業界が市場インフラの次なる大進化」に入ったとエコノミスト誌のコラムに寄稿し、ブロックチェーンによる資産トークン化で決済の高速化と投資資産の拡大が可能になると指摘しました。

さらに、米ゴールドマン・サックスとBNYメロンは7月、マネーマーケットファンド(MMF)の持分をブロックチェーン上でデジタル証券化する共同プロジェクトを開始しました。

このプロジェクトにはブラックロックやフィデリティなどの資産運用大手も参加しており、ウォール街における伝統金融とブロックチェーンの融合を象徴する事例となっています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=155.71 円)

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Source:JPモルガン発表
サムネイル:AIによる生成画像

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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