
伝統金融大手Vanguard、仮想通貨市場に本格参入
2025年12月2日、米資産運用大手Vanguard(バンガード)は、仮想通貨を主要資産とするETFや投資信託の取引を同社の証券仲介サービスで解禁する方針を決定したことがブルームバーグの報道で明らかになりました。
ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、エックスアールピー(XRP)、ソラナ(SOL)などを主要資産とする仮想通貨ETF・ファンドを約5,000万人の顧客が12月3日から売買できる見通しです。
バンガードはこれまで「仮想通貨は価格変動が大きく投機的すぎる」として関連商品の提供を避けてきましたが、今回の方針転換により、伝統金融大手の参入が市場に追い風をもたらすと期待されています。
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伝統金融大手バンガード、仮想通貨対応へ大転換
慎重姿勢から仮想通貨解禁に転じた背景
この新方針は、長年にわたる「仮想通貨は長期投資に値しない」という慎重姿勢を覆すものであり、市場が10月初頭から約1兆ドル(約156兆円)下落する局面にあるなかで報じられました。
実際、バンガードは2024年1月、米国初の現物型ビットコインETFが市場投入された際に、他社の同ETFを自社プラットフォームで購入できないよう規制し、「この種の資産提供は顧客の長期的利益に資さない」とコメントしていました。
しかしその後も顧客からの要望は根強く、報道によれば、数ヶ月にわたる社内検討を経て方針転換に至ったといいます。
仮想通貨ETFの急成長と顧客需要の拡大
仮想通貨ETFは2024年以降相次いで承認され、初期11本のビットコイン現物ETFは約2年で合計約1,250億ドル(約19兆円)の資産規模に拡大しました。
中でもBlackRock(ブラックロック)社のビットコイン現物ETF(iShares Bitcoin Trust:IBIT)はピーク時に約1,000億ドル(約15.5兆円)に達しており、市場関係者からは「もっと早く対応すべきだった」との声も上がったと伝えられています。
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米大手金融が続々と仮想通貨市場に進出
バンガードによる仮想通貨市場への本格参入は、2025年に加速する伝統金融機関の仮想通貨分野への参入動向を象徴する出来事です。
例えば米オンライン銀行のソーフィ(SoFi)は11月、米国で初めて連邦認可を受けたFDIC加入銀行として、ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨売買サービスを開始し、伝統金融による仮想通貨参入の動きを示しました。
また米大手のU.S.バンクは規制環境の明確化を受け、9月に機関投資家向けビットコインのカストディ業務を再開し、ETFにも対応するなど、伝統金融の仮想通貨参入が本格化しています。
こうした動きにより伝統金融による仮想通貨への姿勢転換がさらに鮮明となり、市場には新たな資金流入への期待が高まっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=155.61 円)
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Source:ブルームバーグ報道
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