
Tangem Pay、11月後半から段階的に提供開始
仮想通貨(暗号資産)を安全に管理できるハードウェアウォレットを展開しているTangem(タンジェム)は2025年11月6日に、Tangem Walletのアプリ内に統合された自己管理型の仮想通貨決済機能である「Tangem Pay」のサービスを2025年11月後半から段階的に提供開始することを発表しました。
Tangemは、物理的なデバイスとアプリを通じて様々な暗号資産をより安全に管理できるハードウェアウォレットを展開している企業であり、現在は「カード型・リング型のハードウェアウォレット」と、仮想通貨を管理するための「Tangem Walletアプリ」が提供されています。
Tangem Payは、Tangem Walletアプリ内に追加される自己管理型の決済アカウントであり、ユーザーはPolygonネットワーク上のUSDCをチャージすることによって、Visaが利用可能な世界中のオンライン・実店舗で「バーチャルVisaカード」を用いたで即座決済を行うことが可能になると説明されています(Apple Pay・Google Pay にも対応)。
なお、発表時点で利用可能な通貨は「USDCのみ」とされていますが、今後は対応通貨・対応ネットワークの拡大も予定されています。また、今後のアップデートでは物理カード(プラスチックカード)の提供も予定されています。
Self-custody meets real-world spending.
Tangem Pay, the non-custodial payment account embedded inside your Tangem Wallet, will begin its gradual rollout this month.
USDC. Virtual Visa card. Onchain. pic.twitter.com/qvy4al0W7E
— Tangem (@Tangem) November 5, 2025
セルフカストディで、現実世界の支払いを。
Tangem Wallet内に組み込まれた非カストディ型決済アカウント「Tangem Pay」が、今月より段階的な提供を開始します。
USDC対応。バーチャルVisaカード。オンチェーン。
日本を含む様々な国や地域で利用可能
Tangem Payは2025年11月下旬から段階的に提供開始される予定で、初期ローンチ時点ではアメリカ合衆国(33州)、ラテンアメリカ(29か国)、日本、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランド、香港、フィリピン、南アフリカ、アラブ首長国連邦(UAE)などの国々で利用可能になるとされています(Tangem Payの利用で取引手数料や月額費用は不要)。
対象地域に住んでいる場合は、早期アクセスのウェイトリストに登録することで「Tangem Pay」をいち早く試すことができるとのことで、対応外の地域に住んでいる場合は、Tangemアプリ上でウェイトリスト画面が表示され、今後利用可能になった際に通知が届くとされています。
なお、イギリス・欧州連合(EU)では2026年第1四半期に提供開始される予定で、同地域での展開ではEUの暗号資産市場規則「MiCA」に準拠した形でのサービス提供を最優先とし、EU居住者向けにステーブルコイン決済のアクセス拡大を図るとされています。
安全性と利便性を兼ね備えたハイブリッドモデル
Tangemは今回発表されたTangem Payについて、単なる暗号資産決済カードではなく「自己保管ウォレットの安全性と規制に準拠した利便性を兼ね備えたハイブリッドモデル」を開発したと説明しています。
「Tangem Wallet」は匿名で秘密鍵を完全に管理できる自己管理型ハードウェアウォレットとして提供されていますが、「Tangem Pay」は“同じアプリ内にあるオプション機能”として提供され、本人確認を行うことで現実世界での支払いに対応する仕組みとなっています。
また「Tangem Pay」で提供される支払い用アカウントは「Tangem Wallet」とは完全に独立して存在する設計になっているとのことで、Tangemのハードウェアウォレットはパスポートや政府発行IDシステムと同等の「Common Criteria EAL6+ 認証」を取得しており、Tangem Payはその上に構築されていると説明されています。
支払いに利用される資産は常にブロックチェーン上で管理され、秘密鍵の一部をユーザーが、もう一方を独立した発行パートナーである「Rain」が保有する仕組みです。Rainはユーザーがカード決済を行った分だけしか送金できないため、それ以外の資金を動かすことはできません。また「Rainにはカードを凍結する権限があるが、これはVisaネットワークとの接続を遮断するのみであり、ユーザー資金へのアクセス権はない」とも説明されています。
Tangem Payの利用方法は?
Tangem Payを利用したい場合は、サービス提供開始後にTangem Walletアプリ内からKYC(本人確認)を完了することによってTangem Payのアカウントを有効化することができるとされています。
本人確認の認証が完了すると、すぐに「バーチャルVisaカード」が発行されるため、このカードにPolygon上のUSDCをチャージすることによって支払いを行うことが可能になります。
なお、Tangem Payを利用するために必要な本人確認に関するデータは「Rain」によって安全に処理されるとのことで、Tangemが閲覧・保存することはないとも説明されています。
また、本人確認手続きはTangem Payアカウントのみに適用され、Tangem Wallet側の匿名性・プライバシーは完全に維持されるとも説明されています。
Tangemの公式発表内には「今後ATM対応が追加された際に“ATM引き出し手数料”を適用予定」とも記載されているため、今後の続報や新機能の発表などにも注目です。
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source:Tangem公式発表
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用





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