
ホスキンソン氏「大手テックが新たな主導権を握る」
カルダノ(Cardano/ADA)共同創設者のチャールズ・ホスキンソン氏は2025年9月10日、米大手テック「マグニフィセント・セブン」が仮想通貨(暗号資産)市場の次の成長局面を主導するとの見解を示しました。
ホスキンソン氏は、CLARITY法案などの仮想通貨関連法案が成立して規制が明確化されれば、金融大手だけでなく、マグニフィセント・セブンのようなテック企業もブロックチェーン領域に本格参入すると指摘しています。
「マグニフィセント・セブン」とは、マイクロソフト、グーグル、アマゾン、アップル、メタ、テスラ、エヌビディアの大手テック企業7社を指す総称で、同氏はこれらの企業が次世代の仮想通貨普及を後押しするとしています。
さらに同氏は、巨大IT企業が持つ大規模なユーザーベースを背景に、法定通貨と仮想通貨を相互に変換する「オン/オフランプ」を掌握するキングメーカーとして台頭する可能性があると指摘しました。
こうした動きは、既存基盤であるイーサリアム(ETH)にとって脅威となり得ると語っています。
米テック大手がステーブルコイン導入か
米大手テック企業参入で変わる仮想通貨市場の未来図
銀行から大手テック企業へ広がるブロックチェーン活用
ホスキンソン氏はインタビューで、米国における仮想通貨関連の法整備が進展するにつれ、大企業の参入が加速すると説明しています。
具体例として、米議会で審議中の「CLARITY法案」に言及し、これが成立すれば「大手銀行に加え、マグニフィセント・セブンのようなビッグプレイヤーも参入する」との見方を示しました。
ホスキンソン氏は、こうしたテック企業が国際送金や通貨換算に伴うコスト削減の観点からブロックチェーン技術に関心を寄せており「ブロックチェーン基盤のステーブルコインを導入すれば多くの仲介業者を排除でき、企業の送金コストの低減につながる」と指摘しています。
マグニフィセント・セブンによる実証実験
実際に一部の企業で既にブロックチェーン活用が進められており、ホスキンソン氏はマイクロソフト、アマゾン、アルファベット(グーグル)などが試行を始めている事例を挙げています。
こうした取り組みが広がり参入が本格化すれば、イーサリアムなど既存の分散型金融基盤との競合が生じる可能性があると同氏は指摘しました。
さらに同氏は「マグニフィセント・セブンはイーサリアムをわざわざ支援するインセンティブがない。自前のユーザーを抱える彼らは、自ら法定通貨と仮想通貨の仲介役となって流動性を集められる」と述べており、結果としてイーサリアムに依存しない独自圏域を築きかねないと警鐘を鳴らしています。
米IT大手台頭で迫られるイーサリアムの選択
ホスキンソン氏はイーサリアム共同創設者の一人でもありますが、その将来性には以前から懸念を示しており、2025年4月に「イーサリアムは今後10〜15年は持ちこたえられないかもしれない」との厳しい予測も述べていました。
こうした発言からは、仮想通貨分野における米大手テック企業の存在感拡大が、既存のブロックチェーンエコシステムに大きな影響を及ぼし得るとの見立てがうかがえます。
米上位企業でブロックチェーン活用が急増
規制整備と普及加速が仮想通貨市場を後押し
米国の採用拡大と新興国が牽引する普及動向
ホスキンソン氏の予測が示すように、仮想通貨分野への大手企業や機関投資家の参入は世界的な普及を押し上げています。
ブロックチェーン分析企業チェイナリシスの最新レポート(2025年版・世界仮想通貨採用指数)によると、米国ではビットコイン現物ETF承認や規制の明確化を背景に機関投資家の参入が急増しており、総合順位は前年4位から今年2位へと浮上しています。
一方、新興国ではインドが総合首位を維持し、パキスタンやベトナムも上位にランクインするなど、グローバルには個人・機関の双方で採用拡大の傾向が鮮明になりました。
初のドージコインETFが投資家心理に与えた影響
また米国市場では、ドージコイン(DOGE)の現物ETF「Rex-Osprey DOGE ETF(ティッカー:DOJE)」が近日初上場する予定で、ブルームバーグのエリック・バルチュナス氏は「意図的に実用性のない資産を組み込んだ初の米国ETFになる」と自身のX(Twitter)で伝えています。
この報道を受け、ドージコイン価格は一時前週比で10%以上上昇する場面も見られました。
このように規制整備や金融商品の拡充を背景に、仮想通貨のメインストリームへの浸透は加速しています。そして、ビッグテックによる次の波が現実味を帯びる中、市場構造に大きな変化が訪れるとの見方が広がりつつあります。
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Source:インタビュー動画
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用






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