「強気相場はまだ終わらない」仮想通貨市場は持続的なスーパーサイクルへ|著名エコノミスト予測

この記事の要点

  • クルーガー氏「仮想通貨の強気相場はまだ終わっていない」
  • 下落局面は買い場との見方、逆張り戦略の有効性を強調
  • 従来の4年周期論は崩壊、スーパーサイクル仮説を提唱
  • 市場構造改善で長期上昇を予測、2026年がピークの可能性
  • 機関投資家の資金流入とETF期待が強気相場を下支え

下落局面でも「強気相場は終わらず」

2025年8月30日、著名エコノミストのアレックス・クルーガー氏は、自身のX(旧Twitter)の投稿でビットコイン(BTC)や主要アルトコインを含む仮想通貨市場の強気相場はまだ終わっていない」との見解を示しました。

クルーガー氏は足元の下落について「多くの仮想通貨チャートが壊滅的で弱気に見える水準だが、むしろ強気の兆候とみている」と指摘し、投資家の悲観拡大は弱気相場入りではなく買い場となる可能性があるとの見方を示しています。

さらに同氏は、8月下旬の急落局面で自身も損失を被ったものの、その後は翌週に向けて強気ポジションを取ったことを明らかにしました。

皆がパニックに陥っている時こそ最良の買い場であり、全員が祝福ムードの時ではない」と述べ、極端な悲観局面では逆張り戦略が有効との考えを示しています。

短期的にはFRB(米連邦準備制度理事会)の次回会合までは相場の不安定さが残るとしつつ「今回の下落でサイクルが終わったわけではない」との強気な姿勢を見せています。

多くの仮想通貨チャートは現在、壊れていて弱気に見えるほどですが、逆にそれが強気のサインにも思えます。ロングポジションの清算も大きく進みました。特に今日のクローズ後の2回の清算が顕著です。

私は来週に向けて強気の姿勢をとっており、すでにそのようにポジションを組み直しています(ちなみに今日は大きな損切りをすることになりましたが…)。

覚えておくべきは「皆がパニックになっている時こそ買いの好機であり、皆で浮かれて自己陶酔している時ではない」ということです。今日の動きは主にBTCとETHが売られた一方で、アルトコインはそれより前に下落を止めていました。これはしばしば強さが出てくる兆候です。

FOMCが終わるまでは大きなトレンドは出ないと見ています(FRBは依然として利下げを行うと考えており、それがまだ完全には織り込まれていないと感じます)。仮にここからさらに下げたとしても、今回がサイクルの終わりだとは全く思っていません。(後略)

クルーガー氏が語る仮想通貨市場スーパーサイクル論

従来型サイクル論とスーパーサイクルの違い

クルーガー氏は、従来のサイクル論とは異なる「スーパーサイクル」仮説に基づき、仮想通貨(暗号資産)市場の先行きを予測しています。

同氏によれば、今回の強気相場は過去のような熱狂的上昇と反動の急落を伴わない可能性が高いとの見方です。

具体的には、主要資産が小幅な一時的下落と緩やかな値上がりを繰り返しながら持続的に上昇するというもので、従来の「4年周期」を前提とする大幅調整のサイクル論は当てはまらない指摘しています。

強気相場を支える市場構造の変化

クルーガー氏は、仮想通貨市場の劇的な環境改善が強気相場を下支えする要因になると考えており「1970年代の金市場に匹敵する歴史的転換点」と位置付けています。

こうした状況を踏まえ、2025年内に過去のような熱狂的バブルが生じる可能性は低いとの見解を示しました。

一方で、ソラナ(SOL)など需給が積み上がった一部銘柄では短期急騰が起こり得ると述べています。全体としては調整が浅くとどまり、緩やかな上昇基調が続くとの見方を示しました。

2026年が強気ピークになる可能性も

さらにクルーガー氏は、次の本格的な強気相場のピークが2026年になる可能性にも言及しています。

根拠として、FRB議長の交代を含む金融政策の転換期が2026年に訪れる点を挙げ、強気相場の終焉には主要な外部トリガーが必要だと説明しました。

現在の市場心理について同氏は「強気と弱気が拮抗している」と評価しました。そのうえで、9月に弱気転換しやすいというアノマリーは統計的に有意ではなく、季節要因よりもFRB政策発表までの清算局面に焦点が当たるとの見通しを示しています。

資金流入が支える仮想通貨市場の成長

8月の資金流入43億ドルが示す市場の強さ

直近では、機関投資家による仮想通貨への資金流入が堅調に続いていることが確認されています。

CoinShares(コインシェアーズ)の最新レポートによれば、2025年8月の仮想通貨産投資商品の月間資金流入額は合計43億7,000万ドル(約6,400億円)に達しました。

年初来累計は355億ドル(約5.2兆円)に拡大しており、長期的にも機関投資マネーの存在感が強まっていることが確認されています。こうした動きは市場基盤の強化につながると分析されています。

「BTCからアルトコインへ」資金シフトが進む

特にイーサリアム(ETH)関連商品の資金流入が目立ち、8月単月で約39億5,000万ドル(約5,800億円)の新規流入が確認されています。

一方、ビットコイン関連商品からは約3億150万ドル(約442億円)の純流出が発生したことが報告されています。

この対照的な動きは、投資資金がビットコインから主要アルトコインへシフトしていることを示しています。実際、ソラナ関連商品には約1億7,700万ドル(約260億円)、エックスアールピー(XRP)関連商品には約1億3,400万ドル(約200億円)が流入しました。

アルトコイン現物ETF承認期待が資金流入を後押し

市場では、米国でのアルトコイン現物ETF(上場投資信託)承認期待が高まっており、資金集中の動きを後押しした一因だと分析されています。

そのため、ETF承認が実現すれば、さらなる資金流入が加速する可能性があります。

地域別では、先週の資金流入の大半を米国拠点の投資商品が占め、約22億9,000万ドル(約3,360億円)に達しました。スイスやドイツ、カナダがこれに続き、投資が複数市場に分散していることは安定性の向上に寄与すると指摘されています。

利益確定売りによる調整も市場基調は維持

コインシェアーズの調査責任者ジェームズ・バターフィル氏は、流入資金が地域・資産ともに分散している点に注目しており「8月最終週の下落は長期の弱気転換ではなく利益確定に伴う一時的な調整だ」と述べています。

また、8月末の米インフレ指標(コアPCE価格指数)の公表を受けて市場心理は一時的に悪化しましたが、その背景にはFRBの利下げ観測後退による短期的な失望があるとの見解を示しました。

こうした流れを背景に、クルーガー氏のスーパーサイクル論と機関投資家の資金流入を軸として、仮想通貨市場は依然として持続的成長への注目を集めています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.32 円)

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Source:アレックス・クルーガー氏X投稿
サムネイル:AIによる生成画像

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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