イラン、米国の攻撃受けホルムズ海峡封鎖計画を承認|金融不安により仮想通貨市場も下落

イラン核施設攻撃でビットコイン、主要アルトコインが急落

米国のドナルド・トランプ大統領は2025年6月22日、イランの核施設3カ所への攻撃を実施したことを明らかにしました。同日、イラン議会が報復措置としてホルムズ海峡の封鎖計画を承認したとも報じられています。

これを受けて世界の金融市場に緊張が走り、仮想通貨市場でもビットコイン(BTC)価格が前日比約3.5%急落して一時10万ドル(約1,465万円)を割り込みました。

主要アルトコインも軒並み下落しており、イーサリアム(ETH)は約9%下落し、1 ETH=2,185ドル(約32万円)となりました。エックスアールピー(XRP)も約6%下落し、1 XRP=1.96ドル(約290円)を記録しています。

米軍のイラン核施設攻撃と仮想通貨市場への影響

米軍、イラン核施設3カ所に攻撃

米国防総省は、今回の軍事作戦「ミッドナイト・ハンマー」においてB2戦略爆撃機やトマホーク巡航ミサイルを投入し、フォルドゥ、ナタンズ、イスファハンの核施設3カ所を攻撃したと発表しました。

トランプ大統領は全ての航空機が無事帰還したと述べ「今こそ平和の時だ」と自身のSNSに投稿しています。また、米政府は今回の空爆について、イランの核能力を無力化することが目的であり、体制転換や長期的な戦争を意図したものではないと強調しました。

一方でイラン議会は22日、同国の国営放送プレスTVを通じてホルムズ海峡封鎖案の承認を発表しました。ただし実行にはイラン国家安全保障最高評議会と最高指導者ハメネイ師の最終決定が必要とされています。

ホルムズ海峡封鎖計画が招くインフレ懸念

ホルムズ海峡はペルシャ湾とアラビア海を結ぶ世界有数の戦略航路であり、世界の海上原油輸送量の約30%が通過する要衝です。

米国務長官マルコ・ルビオ氏は中国などに対し、イランが同海峡封鎖に踏み切らないよう働きかけを求めるとともに、イランが報復措置を取れば「イランにとって最悪の過ちになる」と強く警告しています。

原油供給の要所であるホルムズ海峡が封鎖された場合、供給途絶により原油価格が急騰し、世界経済に深刻な影響を及ぼす可能性があると懸念されています。

こうした中、JPモルガンのアナリストは原油先物価格が一時的に1バレル=120〜130ドルまで急騰し、各国でインフレ率が再び高騰して景気停滞と重なる「スタグフレーション」に陥る恐れがあると指摘しています。

ロスカット急増でビットコインが10万ドル割れ

こうした金融市場の不安から、安全資産とされる金や米国債に資金が移動し、リスク資産である仮想通貨から資金が流出したとみられています。

22日早朝には米国の攻撃報道を受け、大口投資家によるロスカット(強制清算)が多数発生し、その規模は1日で10億ドル(約1,465億円)を超えた報じられています。

ビットコイン価格は急落により短時間で1万ドル以上値下がりし、一時は約46日ぶりに10万ドルを割り込む場面が見られました。

主要なアルトコインも同様に値を下げ、イーサリアムは前日比約9%安の2,180ドル台、XRPも約6%下落し1.9ドル台まで値を下げました。

ビットコイン・仮想通貨市場の先行きと懸念

BTC価格は一時反発も地政学リスクは継続

一方、ビットコイン価格は急落後の23日、再び10万ドル台を回復しており、一定の底堅さも見られます。

しかし中東情勢の先行きは依然不透明で、今後の展開によっては、相場が再び大きく変動するリスクも指摘されています。

特に、イランがホルムズ海峡の封鎖といった強硬な報復措置に踏み切る可能性については、状況を大きく変える重大リスクとして市場関係者から警戒されています。

有事リスクが価格上昇要因に転じる可能性も

一方で、過去の地政学的リスク発生時にも、ビットコインは一時的な下落後に反発した事例が複数確認されています。

たとえば2022年にロシア・ウクライナ戦争が勃発した際には、ビットコイン価格がその後約35日間で42%急騰した事例がありました。

一部の強気派投資家は「現在、ビットコインは強気相場の最中で10万ドル超という高値水準にある。過去のパターンが繰り返されれば、戦争リスクが相場の上昇を後押しする可能性がある」との見方を示しています。

戦争への懸念が高まると、不安の声が大きくなります。しかし、事実はそれ以上に雄弁です。

2022年、ウクライナ戦争が始まった直後、ビットコインは弱気相場の中でわずか35日間に42%も上昇しました。

そして今は2025年。再び戦争への懸念が広がる中、ビットコインは10万ドルを超え、相場は依然として強気です。

もし、あの時と同じような展開が、さらに強力な要因を伴って再現されたとしたら―。

今後のビットコイン相場を左右するイラン情勢の行方

一部のマーケットアナリストは短期的な下値を9万3,000〜9万4,000ドル(約1,360〜1,380万円)付近と予想しつつ、そこまで下落する可能性は低いとの見解を示しています。

当面はイラン情勢に関する報道が相場変動の主要因となると見られ、投資家は引き続き関連ニュースに注意を払う必要があります。

今後、米国とイランの双方が歩み寄り、情勢が沈静化に向かえば市場心理が改善し、ビットコインが再び上昇基調に転じる可能性もあるとみられています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=146.45 円)

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Source:ロイター報道
サムネイル:AIによる生成画像

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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