暗号資産を州財政に組み込む動き進む。米アリゾナ・ニューハンプシャーで法制化相次ぐ

州の財政戦略に広がる暗号資産活用

米アリゾナ州にて、暗号資産(仮想通貨)準備金が、5月7日に正式に設立された。

この設立は、アリゾナ州の法案「HB2749」の成立を受けてのものである。「HB2749」は、デジタル資産や暗号資産に関する未請求財産の取り扱いを明確化し、州としての管理体制を整備することを目的とした法律である。また、全米で初めて暗号資産を原資とする州のリザーブファンドを創設する内容を含んでいる。

「HB2749」では、州による暗号資産への直接的な投資は認められていないものの、未請求資産、エアドロップ、ステーキング報酬については、準備金へ転送することが許可されている。

なおアリゾナ州のケイティ・ホブス(Katie Hobbs)知事は、5月2日に法案「SB1025」に対し拒否権を行使している。

「SB1025」は、州の公的資金を暗号資産で運用することを可能にする内容であり、共和党主導の州議会によって可決されていた。しかし、ホブス知事は、暗号資産の価格変動性やリスクの高さを理由に、州の財政的安定性を損なう可能性があるとしてこれを拒否した。

暗号資産を州の財務戦略に正式に取り入れるかどうかは、現在ケイティ・ホブス知事の署名待ちとなっている別の法案「SB1373」に託されている。

「SB1373」は、5月6日に州議会を通過し、「デジタル資産戦略準備基金(Digital Assets Strategic Reserve Fund)」の創設を提案している。この基金は、州が保有する暗号資産のうち、一定の条件を満たす資産を活用し、安定的かつ安全に管理・運用することを目的としている。

今回のアリゾナ州の動きは、米ニューハンプシャー州が5月6日に、州の公的資金の一部をビットコイン(BTC)に投資することを認める「戦略的ビットコイン準備法(HB302)」を全米で初めて制定したことに続くものである。

ニューハンプシャー州のケリー・アヨット(Kelly Ayotte)知事が署名したこの法律は、州財務長官に対し、規制された枠組みの中でビットコインを保有・購入する権限を与えるものである。購入対象となるのは、時価総額が5,000億ドル(約71兆7,950億円)を超えるデジタル資産に限定されており、多くのトークンやミームコインは対象外となる。なお、現時点でこの基準を満たしているのはビットコインのみである。

また、ビットコインへの投資額は、州の準備資産ポートフォリオ全体の5%を上限とし、米国の規制を受けたカストディサービスを利用するなど、安全性の高い方法での管理が義務付けられている。

参考:Katie Hobbs
画像:PIXTA

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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