ビットコインの底値は?100万ドル到達は可能?BitMEX共同創業者の価格予想
トランプ相場では「シンプルに考えること」が重要
暗号資産取引所BitMEX(ビットメックス)の共同創業者であるアーサー・ヘイズ氏は2025年3月4日に公開したブログ記事で、ドナルド・トランプ大統領の金融政策が市場に与える影響について説明した上で、ビットコイン(BTC)の底値やBTC価格が100万ドルに達する可能性などについて語りました。
ビットコインの価格は、今月3日にトランプ大統領が仮想通貨準備金について言及したことで95,000ドル付近まで回復したものの、その後は再び82,000ドル付近まで下落する動きが見られました。
米国の政策やトランプ大統領の発言は仮想通貨業界で特に注目が集まっているトピックの1つであり、それに応じて価格も大きく変動していますが、アーサー・ヘイズ氏は今回の記事で「多くの人はトランプ大統領の政策が次々に発表される中で、KISS(シンプルに考える)という原則を忘れがちだ」と指摘しています。
ヘイズ氏は「トランプ相場の絶え間ない興奮状態はビットコインを積み立てる上で有害である」と語っており、「トランプ大統領が不動産業界のショーマンでもあること」を説明しています。
投資家にとってこの絶え間ない興奮状態はsats(BTCの最小単位)を積み上げることにとって有害です。ある日は買い、次のヘッドラインを見てすぐに売る。この過程で市場に翻弄され、積み上げた資産は瞬く間に減っていきます。
KISS(Keep It Simple Stupid:シンプルに)を思い出してください。
トランプとは何者か?トランプ氏は不動産業界のショーマンです。不動産で成功するには、可能な限り低金利で巨額の借金をする術を極めなければなりません。そして、ユニットを売るため、あるいはスペースを貸し出すために、新しい建物や開発プロジェクトがいかに素晴らしいかを誇張してアピールする必要があります。
私は、トランプ氏が国際社会の感情をいかに操作するかには興味がありませんが、彼がどのように政策目標を資金調達するのかには関心があります。
また同氏は「トランプ氏は史上最高の大統領とみなされることを望んでいるため、緊縮財政によって帝国の基盤を破壊することには興味がないと私は思う」とも語っています。
BTC=100万ドル到達のシナリオについて
ビットコイン価格については、短期的にはさらに下落する可能性を指摘しつつも、長期的には今後数年で劇的な上昇を遂げる可能性があるとの見解が示されています。
同氏は「米連邦準備制度(FRB)が金融政策を転換して大規模な流動性供給を再開すれば、ビットコイン価格が大きく押し上げられる」と予測しており、ビットコイン価格が100万ドル(約1億5,000万円)に到達するシナリオについても次のように説明しています。
アメリカでは、FRBと財務省がFlu-19(COVID-19を皮肉った表現)のパンデミックに対応するため、2020年から2022年の間に約4兆ドルの信用を創出しました。DOGEに着想を得た資金供給は、COVID対応時の70~80%に達する可能性があります。
ビットコインはアメリカだけで4兆ドルが供給されたことによって、2020年の最安値から2021年の最高値まで約24倍に上昇しました。現在、ビットコインの時価総額は当時よりもはるかに大きいため、控えめに見積もっても、3.24兆ドルの資金供給で10倍の上昇は期待できます。この計算が、トランプ政権時代にビットコインが100万ドルに到達する可能性を示しています。
米国の仮想通貨準備金について
仮想通貨市場では、今月3日にトランプ大統領が「仮想通貨準備金の創設」についてコメントしたことによって短期的な価格高騰がみられましたが、ヘイズ氏はこの動きについて「今回の発表は新しいものではなく、価格上昇は単にトランプ氏の仮想通貨政策の再確認を材料にしたデッドキャット・バウンス(一時的な反発)に過ぎない」と説明しています。
同氏は「米国の仮想通貨準備金が価格上昇に寄与するためには、米政府が実際にこれらの暗号資産を購入する必要がある」と説明した上で、「実際に購入が始まるまでには長い時間がかかる可能性が高いため、仮想通貨準備金による価格上昇を過大評価しないほうがいい」との見解を示しています。
この準備金が価格にプラスの影響を与えるためには米政府が実際にこれらの暗号資産を購入する必要があります。しかし、政府が使える未使用のドル資金は存在しません。
トランプ氏がこの計画を実行するためには、共和党議員の支援を得て債務上限を引き上げるか、金価格を市場価格に合わせて再評価する必要があります。これらが仮想通貨準備金に資金提供する唯一の方法です。
トランプ氏が約束を守らないと言っているわけではありませんが、実際に購入が始まるまでの期間は、レバレッジトレーダーが清算前に持ちこたえられる時間よりも長い可能性があります。そのため、この上昇は過信しないほうが良いです。
強気相場は継続中、底値は70,000ドル
アーサー・ヘイズ氏は今回の記事で、ビットコイン価格がさらに下落する可能性を警告しつつ「私は現在もビットコインが強気相場にあると確認している」とも語っています。
同氏は「近い将来に米国株式市場で大幅な調整が起こる」と考えているとのことで、「ビットコインが下落局面で市場をリードしたのなら、次の上昇局面でも先行するだろう」との考えを示しています。
具体的には「ビットコインが最初に底打ちし、その後に伝統的な金融市場や米国株式市場が追随する形で下落、それにつれてビットコインが上昇し始める」と予想されています。
ビットコインの底値については「最悪の場合でもBTCの底値は前回の強気相場の最高値である70,000ドル(約1,048万円)程度になるだろう」とコメント、「私は慎重に押し目買いを継続し、レバレッジを使わずに最終的なフィアット金融市場の崩壊を待つつもりだ」と語られています。
政治は政治家に任せておけ。自分の信念を貫き、ビットコインを買え。
アーサー・ヘイズ氏が公開した記事の全文は「こちらのページ」で読むことができます。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=149.87円)
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Souce:アーサー・ヘイズ氏ブログ記事
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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