ビットコインクジラは「CoinJoin」で蓄積中?匿名取引件数が3倍に増加
匿名取引を使うのはハッカーだけじゃない?
仮想通貨業界では大口保有者(クジラ)が大量のビットコイン(BTC)を蓄積していることが以前から報告されていますが、そのようなクジラはビットコインの匿名取引に役立つCoinJoin(コインジョイン)を使用してBTCを蓄積していると報告されています。
CoinJoin(コインジョイン)は、複数のユーザーの取引を1つのトランザクション(取引)にまとめることによって、BTCの送金経路をわかりにくくする匿名取引方法のことであり、プライバシーを保護しながらBTCを送金できる手段の1つとして知られています。
コインジョインのような匿名取引ツールは「仮想通貨を盗むハッカーの資金洗浄手段として広く利用されている」と考えられがちですが、仮想通貨分析企業「CryptoQuant」の共同創設者兼CEOであるキ・ヨンジュ氏は、「クジラたちもCoinJoinを用いてビットコインを蓄積している」と報告しています。
キ・ヨンジュ氏は2024年12月26日のX投稿で「CoinJoinの年間平均取引件数は過去2年間で3倍に増加している」と報告した上で、「一部の人々はCoinJoin取引の急増はハッカーの資金洗浄によるものだと考えているが、今年のハッキング被害額は22億ドルで、BTC実現時価総額の0.5%未満に過ぎない」と指摘しています。
BTCを大量保有するアドレスの多くはETF(上場投資信託)や上場企業などに関連するものとなっていますが、現在も24万〜42万BTCを蓄積したアドレスの所有者は不明であるとのことで、「このクジラたちは一体誰なのか?」と疑問が呈されています。
Whales are accumulating #Bitcoin through privacy transactions.
Over the past two years, the annual average number of CoinJoin transactions has tripled. While some attribute this surge to hackers laundering stolen funds, Chainalysis reports total hacking losses of $2.2 billion… pic.twitter.com/8Uex48UtWf
— Ki Young Ju (@ki_young_ju) December 26, 2024
クジラたちはプライバシー取引を通じてビットコイン(BTC)を蓄積しています。
CoinJoin取引の年間平均件数は過去2年間で3倍に増加しました。この急増をハッカーが盗まれた資金を洗浄しているためだと考える人もいますが、Chainalysisは、今年のハッキングによる損失は22億ドルで、これはビットコインの実現時価総額3,770億ドルの0.5%未満に過ぎないと報告しています。
2024年には155万BTCが蓄積アドレスに流入しており、その多くはETF(上場投資信託)、MicroStrategy、およびカストディアルウォレットに関連しています。クジラたちはプライバシー取引を利用して、資金を新しい機関投資家に転送することがよくあります。
公開された保有量を超えて、約24万BTC〜42万BTCを蓄積したのは誰なのかは依然として不明です。これらのクジラたちは一体誰なのでしょうか?
TrezorはCoinJoin機能を搭載
匿名化ツールで蓄積するクジラは誰なのか?
謎のクジラの正体に関する意見は様々で「制裁対象国や一部の国家が秘密裏にビットコインを蓄積している可能性がある」と予想する意見も出ています。
また、最近では世界規模で仮想通貨の規制環境が整備されてきており、トラベルルールなどで仮想通貨保有者の特定も容易になってきているため、「資産凍結を恐れる人々」や「税金の支払いを拒む投資家」などがCoinJoinを介してビットコインを蓄積している可能性もあると考えられます。
最近では国が銀行預金などの金融資産を引き出せないようにする「預金封鎖」などの言葉を耳にする機会も増えてきているため、そのような懸念で匿名化ツールを利用する人が増加している可能性もあります。
匿名取引ツールは一般的に「犯罪者が使うもの」として認識されていますが、「お金のプライバシーを守るためには匿名ツールが必要」という意見もあり、規制強化や中央銀行デジタル通貨(CBDC)などで個人資産が過度に監視・押収されるリスクを警告する意見も出ているため、今後も匿名ツールの需要は高まる可能性があると予想されます。
ただし、将来的には「政府が主要サービスや取引所などに”匿名ツールを利用する疑わしいアドレスのブロック”を要求する」といった事例が増加する可能性もあるため、匿名化ツールの利用を検討している場合にはそのような複数の可能性も考慮しておくことが重要です。
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執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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