暗号資産決済「Slash」、オムニチェーンDEXプロトコル「オーダリーネットワーク」と提携

Slashがオーダリーネットワークと提携

Slash Fintech Limited(スラッシュフィンテックリミテッド)が、Orderly Network(オーダリーネットワーク)との戦略的パートナーシップ締結を12月5日発表した。

この提携は、日本をはじめとしたアジア市場における事業展開の促進を目的に行ったとのこと。オムニチェーンでオーダブックDEXを構築するオーダリーネットワークの高い技術力や知見を活用することで、中長期的な多角化戦略の実現を目指しているとのことだ。

スラッシュの事業開発部の加藤雅人氏に取材したところ、スラッシュではオーダリーネットワークのようなオーダブック型DEXをはじめとした各dappsにおけるマルチチェーンデポジットツールとしての導入数増加を目指しているとのこと。

今回の提携でスラッシュは、「オーダリーネットワークと連携することでアジア市場における営業提案を加速する」と加藤氏は「あたらしい経済」編集部へコメントした。

オーダリーネットワークとは

またオーダリーネットワークは、DeFi(分散型金融)開発者向けの分散型オーダーブックプロトコル。同プロトコルを活用したオーダブックDEX(分散型取引所)構築サービスを提供している。プロジェクトとしては、ブロックチェーン全体で流動性を統合するオムニチェーン取引インフラストラクチャの提供を目指している。

オーダリーネットワークでは、オムニチェーンプロトコルLayerZero(レイヤーゼロ)の技術を活用し、取引を実行するためにトークンがチェーン間を移動する必要がないように設計されている。そのためトランザクションデータ、ユーザーデータ、残高、取引データなどを中継するクロスチェーンメッセージのみが送信されるとのこと。

これによりトレーダーは、セルフカストディのまま現在のチェーンからトークンを移動することなく、使い慣れたオーダーブック型の取引インターフェースを利用し、他の異なるチェーン上の取引相手と取引可能になる。

なおオーダリーネットワークでは、OP Stack(OPスタック)上に構築されたOrderly app chain(Orderly Settlement layer)を介してすべての取引がオンチェーンで決済されている。オムニチェーンについては現在Arbitrum(アービトラム)に対応しており、今後はPolygon(ポリゴン)、BNB Chain(BNBチェーン)、Optimism(オプティミズム)、Avalanche(アバランチ)、Linea(リネア)、Scroll(スクロール)などのEVM エコシステムに対応を予定しているとのこと。

オーダリーネットワークは昨年11月、野村ホールディングスの暗号資産(仮想通貨)関連子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)から資金調達を実施している。

「スラッシュペイメント」とは

スラッシュフィンテックリミテッドは、暗号資産(仮想通貨)決済「Slash Payments(スラッシュペイメント)」を提供する企業。

「スラッシュペイメント」は、顧客が暗号資産で決済する際に支払先が受け取り希望する暗号資産を持たなくとも、顧客自らが保有する暗号資産が決済画面において自動的にスワップされ、支払先希望の暗号資産で支払いができるサービスだ。システムがDEX(分散型取引所)ルーターと連携することで、最適なレートで暗号資産をスワップする仕組みとなっている。

ユーザーが支払いに利用できる暗号資産は「スラッシュペイメント」がサポートするブロックチェーン上で発行されている1400以上の銘柄がサポートされているとのこと。また売り上げとして暗号資産を受け取る導入店舗側はUSDT・USDC・DAI・JPYC・wETHといったステーブルコインを選択して受け取りができるようになっている。また導入店舗は、コントラクトの発行を行うだけでQRコード/APIの利用が可能となっている。

現在同サービスではイーサリアム(Ethereum)、BNBチェーン(BSC:BNB Smart Chain)、Polygon PoS(ポリゴンPoS)、アバランチ(Avalanche)のCチェーン、アスターネットワーク(Astar Network)、アービトラムワン(Arbitrum One)、OPメインネット(OP Mainnet)のブロックチェーン上の暗号資産での支払いに対応している。

なおスラッシュフィンテックリミテッドでは「スラッシュペイメント」の他に、NFTに暗号資産の預入と引出ができるサービス「Slash Vaults(スラッシュボールト)」も提供している。

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images:iStocks/Olena-Lishchyshyna・Lidiia-Moor

参照元:ニュース – あたらしい経済

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