JCBA、暗号資産証拠金取引のレバレッジ倍率改正について要望書を公表
JCBAによる暗号資産証拠金取引に係るレバレッジ倍率の改正要望
日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)が、「暗号資産証拠金取引に係るレバレッジ倍率の改正要望」を作成し、10月17日公表した。
この要望は、暗号資産交換業及び暗号資産関連デリバティブ取引業の自主規制団体である日本暗号資産取引業協会(JVCEA)に提出したという。
JVCEAに提出された要望は、「一律2倍となっている個人のレバレッジ倍率を、個別銘柄ごとに過去のボラティリティに基づき算出すること」と「現状、JVCEAが個別銘柄ごとに過去のボラティリティに基づきレバレッジ倍率を算出している6銘柄の暗号資産数について、算出対象銘柄を拡大すること」である。
これについてJCBAはJVCEA対し、「改正案の実現に向けた協力」も求めている。なお暗号資産証拠金取引のみでなく、暗号資産信用取引に関しても同様の改正を行うとのことだ。
要望書提出の経緯
暗号資産証拠金取引のレバレッジは、2020年5月に改正金融商品取引法が施行され、25倍から2倍に減少した。要望書によると同改正法の施行後に日本国内の暗号資産取引量は激減したという。
2017年4月にレバレッジが25倍だった際、BTCの対日本円取引量はグローバルで約50%だったという。それに対しレバレッジ2倍となっている2023年4月では、BTCの対日本円取引量はグローバルで約1~3%になっているとのこと。
これについては、レバレッジ倍率改正以前の国内の暗号資産証拠金取引利用者の一部が改正後、高レバレッジサービスを提供している無登録のオフショア取引所への移行が考えれれるという。
また暗号資産証拠金取引のレバレッジ倍率は、他の金融商品と比較しても、低く抑えられているのが現状だ。 ・このように20年5月の改正金商法施行に伴い個人のレバレッジ倍率は2倍となったがその一方で、法人については個別銘柄ごとに毎週(過去)の価格変動を基にレバレッジを計算する方法が導入されていた。
今回JCBAは、個人向けもこの法人向けの方法を採用すべきだと主張。なお現在、法人向けのレバレッジは4~9倍で推移しているという。
現在、諸外国では新たな暗号資産関連法案・規制の策定がなされ、新たな金融商品が台頭してきている状況だ。また日本において暗号資産現物は世界で初めて法制化された一方、デリバティブ市場の中心となるレバレッジ取引のレバレッジ倍率が過度に規制されている状況である。
JCBAは、暗号資産をアセットクラスとして認識するにあたっては、現物市場・デリバティブ市場・貸借市場の整備が必要であると説明。
また今後日本が国家戦略としてWeb3を推進していくにあたり、その基礎となる暗号資産をアセットクラスとして認識すべき状況であり、現物市場の整備に次いで、デリバティブ市場の整備が必要だと主張している。
JCBAでは、このような背景に鑑み、JVCEAへ今回の提案を行ったとのことだ。
関連ニュース
- JCBA、国内IEOの規制ルール整備か。上場暗号資産に売却制限など=日経
- JVCEAとJCBA、共同で「暗号資産に係る2024年度税制改正要望書」を日本政府へ提出
- DMM Bitcoin、現物取引3銘柄とレバレッジ取引6銘柄の取り扱いへ。アルゴランドは国内2例目
- オーストラリア証券取引委員会、eToro現地法人を提訴へ、レバレッジ商品の違反で
- 米SEC、「レバレッジ型ビットコイン先物ETF」を初承認
参考:JCBA
デザイン:一本寿和
images:iStocks/metamorworks
参照元:ニュース – あたらしい経済