イーサリアムL2「Astar zkEVM Powered by Polygon」登場|懸念の声に対する説明も
新ブロックチェーン「Astar zkEVM」を発表
アスターネットワーク(Astar Network/ASTR)の開発を主導する「Stake Technologies」は2023年9月13日に、Astar Networkの新ブロックチェーン「Astar zkEVM Powered by Polygon(Astar zkEVM)」を発表しました。
Astar zkEVMは、以前から告知されていた過去最大級のアップデート「Supernova」の構想の取り組みであり、ポリゴン(MATIC)の開発で知られる「Polygon Labs」との協業を通じて、日本からWeb3事業の先進事例を創出していくために、信頼されるチェーンを展開していくと説明されています。
Supernovaの到来
Astar Networkは@0xPolygonLabsとの協業を発表します!
Ethereumレイヤー2である「Astar zkEVM Powered by Polygon」を共同で提供。日本からWeb3事業の先進事例を創出していくために、信頼されるチェーンとなることを目指します。@Sota_Web3と@sandeepnailwalから: pic.twitter.com/liovslUQiZ
— Astar Network Japan (@AstarNetwork_JP) September 13, 2023
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Astar zkEVMとは?
Astar zkEVMは、ゼロ知識証明と呼ばれる技術を活用したチェーン開発キット「Polygon CDK」を用いて開発されたAstar Networkの新ブロックチェーンとなります。
この新ブロックチェーンは、Astar Networkが提供してきた相互運用性に加えて、高度な処理能力・拡張性・安全性を備えていると説明されています。
ゼロ知識証明(zk Proof)とは、機密情報を明かすことなく特定の事柄を証明できる技術のことであり、自分が秘密の情報を知っていることをその情報を明かさずに相手に証明できる技術となっています。
Astar zkEVMは、ブロックチェーン最大規模のユーザーを有する「イーサリアム」のレイヤー2となるブロックチェーンであり、EVM環境と同等のEVM等価性を保持しているとされています。
また、Astar zkEVMはグローバル展開されている様々なWeb3ツールでサポートされ、ガスレストランザクションやアカウントアブストラクションなどマスアダプションに向けたソリューションが提供されていく予定とも説明されています。
なお、今回の新チェーン登場によって、Astar Networkでは「Astar powered by Polkadot」と「Astar zkEVM powered by Polygon」が共存することになりますが、Astar Networkのファウンダーである渡辺創太氏は、トークンはASTRのみであるため希薄化することはないと説明しています(Astsr zkEVMのガス代はETHになる予定)。
今後のアーキテクチャはAstar powered by PolkadotとAstar zkEVM powered by Polygonが共存します。トークンはASTR1つなので希薄化しません。Astarはこの2年常にPolygonと競争してきました。これからはAstar x Polygonでタッグを組みAstar… https://t.co/Ma6N9nZdaW pic.twitter.com/cN1sNE3IaZ
— 渡辺創太 @Startale Labs (@Sota_Web3) September 13, 2023
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Astar zkEVMの可能性と懸念に対する説明
Astarは、2022年1月に「Polkadotのパラチェーン」としてローンチされた日本発のパブリックブロックチェーンですが、Astar zkEVMは「EthereumのL2チェーン」であるため、エコシステムの拡大につながると期待されています。
イーサリアムは世界中で広く活用されているブロックチェーンであり、既に様々な分散型アプリケーション(DApps)がイーサリアム上で展開されているため、今後はEVMに準拠したDAppsが「Astar zkEVM」に移行してくる可能性もあると期待されています。
なお、Astar zkEVMについては「ASTRの希薄化・トークンエコノミクス・ポルカドットとの関係性」などに関する疑問や懸念の声があがっていますが、渡辺創太氏は13日のX投稿でこれについて以下のような説明を行なっています。
ASTRの希薄化について
今までもこの先もAstarにおいてトークンは$ASTR一つであり希薄化はしません。なので僕が一つの会社を辞めて次の会社を始めるという例は不適切です。なぜなら新株を発行するわけでもなく、違う株を発行する(違い会社を作るわけではないからです。むしろその真逆です。)
トークンエコノミクスについて
まず、Ethereum L2をローンチしたらかなりの数のTier1プロジェクトがAstarエコシステムに参加してくることになると思います。Ethereum L2でもASTRはもちろん使われるのでAstar PoSからAstar zkEVMにトークンが移行された時点でそれはLockされたASTRになります。
ASTRの価値を考える上でユーティリティが大事でありTier1のプロジェクトは我々のエコシステムの拡大とユーティリティ増加に直結します。また、Ethereum L2の手数料はAstar Foundationに入るのでそれを用いて買い戻しやコミュニティのために使います。
Astsr zkEVMの手数料をETHにする予定なのはもう二つ理由があります。
一つ目はETHを持っていればAstarが使えるので圧倒的にAstarが使いやすくなります。次にバイナンスを始めとする取引所はローンチしたら無料で黙ってサポートしてくれるわけではありません。全取引所いれると数億円の費用が発生するでしょう。これを避けました。
ポルカドットとの関係性について
Ethereum L2を作るのはPolkadotを捨てたわけではないです。
EthereumにはEthereumの良いところがあるしPolkadotにはPolkadotの良いところがあります。僕はいまインターネットを繋ぐときにどのネットワークに繋ぐか気にしてないように将来的にはどのブロックチェーンを使っても同じにらなっていく未来をみてます。
なので短期的にこのネットワークに繋いでないとか新しいネットワークを作ったとかではなく、我々起業家はいかにユーザーに使ってもらえるか、いかに社会をいい方向に向かせられるかにこだわるべきです。
なお、今後はゲーム・IPコンテンツ・金融・ロジスティクス・小売事業など各事業領域のトッププレイヤーとの連携・協業を強化して、Astar zkEVMが”日本市場で最も信頼されるチェーン”となることを目指した取り組みを進めていくと報告されています。
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