CryptoNinja原作のTVアニメ『忍ばない!クリプトニンジャ咲耶』の放送が今年10月に決定!原作を担当するイケハヤ氏に独占インタビュー
2023年10月から、CryptoNinjaのTVアニメシリーズ『忍ばない!クリプトニンジャ咲耶』が放送されます。
NFTキャラクターのTVアニメ化は世界初とされており、大きな注目を集めています。
今回は、CryptoNinjaのプロデューサーであり、『忍ばない!クリプトニンジャ咲耶』の原作を担当するイケハヤ氏に単独インタビューを行い、放送スタートを控えた気持ちやアニメ制作の経緯、アニメ制作におけるNinjaDAOの重要性などを熱く語っていただきました。
10月にアニメスタートを控えた現在の心境
NFT Media編集部(以降、N)
本日は、CryptoNinjaのTVアニメ化に至るまでの経緯や今後の展望についてお伺いしたいと思います。よろしくお願いします!
いよいよ10月にアニメの放送スタートが控えていますが、現在の率直なお気持ちを教えてください。
イケハヤさん(以降、イ)
そうですね、ようやくここまでこれて、非常にワクワクしています!正直に言うと、企画の実現にあたって、NinjaDAOの方々からクラウドファンディングのご支援がなければ、ここまで来れてないと思います。なので、ワクワクももちろんですが、それ以上に応援をしてくださった皆様への感謝が大きいです!
アニメ制作にはまとまったお金が必要になるので、元々は自分の会社からお金を出すつもりでした。その時は、数千万単位の支出を覚悟していましたね…。
ですが、クラウドファンディングの支援が予想以上に集まりまして、本当に感謝がつきません。「応援させろ」という雰囲気が出るほど、皆さんには応援していただきましたね(笑)!コミュニティの皆さんに制作資金を出していただいたおかげで、この企画を心穏やかに進めることができました。
アニメ制作について
N
アニメの制作の現状はいまどのような状況なんでしょうか?
イ
現在は、声優さんがアフレコを始めていて、制作自体はかなり順調に進んでいます。制作進捗で言うと、すでに終わりが見えてきていて、僕も楽しみにしながら、いつも見させていただいています!
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N
テレビを前提にした動くCryptoNinjaを見た時はどんなお気持ちでしたか?
イ
やはり感動が大きかったです!私とRii2(リツ)先生の二人で作ったキャラクターたちを、プロのアニメーターの方々が作品にしてくれたことは、言葉にならない感動がありますね…。_________________________________________________________________________
N
イケハヤさんがIPビジネスとしてCryptoNinjaを立ち上げられたときから、アニメ化/映像化ということは構想にあったかと思います。それでも、アニメ制作のオファーを受けた時や、「実現できる」と思った時のお気持ちをお聞かせください。
イ
当初はこれほど大きな話になるとは思っていませんでしたね。初めは小さめの予算で、Webアニメという形から始めることを考えていました。そのレベルであれば、可能な範囲だと思っていましたので。
しかし、コミュニティの皆様の支援が想像以上に熱かったんですよね(笑)。そのおかげで、「これであれば企画の規模を大きく出来るのでは?」と思うようになり、今に至ります。ですので、初めは小さな企画でしたが、いつの間にか大きな話になっていたなというのが振り返った時の所感ですね。
「CryptoAnime Labs」について
N
通常のアニメ制作ですと、いくつかの会社がその作品ごとに制作委員会を立ち上げますよね。そしてその作品制作が終われば、その製作委員会は解散します。しかし今回は「CryptoAnime Labs」という一体化した組織になっています。これは非常に新しい取り組みだと感じます。この組織を立ち上げた背景はどういうものでしょうか?
イ
うん、そうですね。
最近はこういった手法、LLP(有限責任事業組合)と呼ぶようなんですが、この方式も増えてきているようなんです。
今回もまず、LLPを使ったアニメーション制作が最近の流れとしてあったので、それを参考にLLPの法人を5社が作り、アニメ制作の話が始まったんですよね。Web3時代のアニメ制作委員会として「CryptoAnime Labs」が立ち上げられました。
LLPは暗号資産を扱いやすいというメリットもあるそうで、暗号資産やNFTを扱うWeb3の事業とも相性が良いみたいなんです。
そこから色々な話が展開していき、今回は、CryptoAnime Labsと同時に「クリプトニンジャ咲耶制作委員会」という制作委員会も同時に作っているんです。LLPが製作委員会に入るという、ハイブリッドな形でアニメーション制作を行っています!
N
アニメ制作の話があって「CryptoAnime Labs」ができたのかと思っていましたが、逆だったのですね。
イ
そうですね!LLPのCryptoAnime Labsが初めにあり、同社がSBTやNFTを使ったクラウドファンディングでアニメを作れないか、という挑戦を始めたという流れです。
NFTについて
N
我々はNFT MediaなのでぜひNFTの話を聞かせて頂きたいと思います。
「パスポートNFT」をリリースしてから1年ほど経過しています。パスポートNFTや手裏剣NFTの手応えについてお聞かせください。
イ
想定を上回る金額と参加者の数で、反響が大きすぎて運営一同ビックリしています(笑)。本当にありがたいです!
もう少し言えば、今回の「Web3の技術を使いながら、クラウドファンディングでコミュニティと一緒にIPを育てていく」やり方は、正しかったのではないかと思っています。
アニメーション制作の歴史の中で、NFTで資金調達をした事例はなく、コミュニティだけで約7,000万円の調達ができているんですよね。
これはアニメーション制作の中で、類を見ない規模になるので、自分たちで言うのもなんですが、そこは非常に良いやり方だったと思っています。あとはコミュニティの皆さんが、応援してくれたからこその結果なので、コミュニティの皆さんには本当に感謝しています!_________________________________________________________________________
N
NFTを活用したクラウドファンディングは、今後のアニメ制作でも使われたり広がっていくと思いますか?
イ
そう思っていますね。僕らが多少特殊なコミュニティとIPというのはありますが、それを考えたとしても、汎用的に使える考え方だと思っています!
今までも、アニメーションを作るために、クラウドファンディングを行うこと自体は世の中にあるにはありました。ですが、そこにNFTやSBTを絡めることで、今までとは少し違ったクラウドファンディングのユーザー体験やコミュニティの盛り上げができるはずです。
他のIPでも同じように、コミュニティの力を使ったクラウドファンディングで、アニメーションを作る話は当初からありました。ですので、今後他のIPでも実証できたらと思っています。
アニメ制作におけるコミュニティの重要性
N
今回のアニメ制作でNinjaDAOが及ぼした力はどういったところですか?
イ
Web3はコミュニティが大事というのはよく聞く話ですが、これについてはかなり痛感していますね。
僕もアニメや漫画が好きですが、今までのアニメ制作とは異なるやり方でできているのはすごく良いなと思っています!一般的なIPは、放送されたものを、ファンの人たちが別々で楽しみながら、Twitterのハッシュタグなどでお互いの感想を見合う形です。
一方で、僕らのアニメーションが放送されると、NinjaDAOが一番に盛り上がり、コミュニティのみんなで、フラットに盛り上がっていくはずです。そして、先の話にはなりますが、盛り上がりの熱量を見ていきたいなと思ったりします。
何が言いたいかというと、コミュニティを使ったIPの立ち上げには、色々な可能性がまだまだ眠っているような気がしているんです。これまでも、コミュニティの力には何度も驚かされましたが、ここからアニメーションが実際に世の中に出て行くと、さらに驚くようなことが起こってくるのではないかとワクワクしています!_________________________________________________________________________
N
CryptoNinjaの立ち上げ時に、アニメ化や漫画化の想定はございましたか?
イ
結果論にはなってしまいますが、想定していました!
まず、キャラクターが魅力的であれば、クリエイターの方々が上手く二次創作してくれるだろうという予想はしていました。
日本における二次創作やファンアートの文化は、世界的に見てもすごいものなので、魅力的なキャラクターを盛り上げようというコミュニティができれば、ストーリーもそのうち生まれるだろうという期待感は当初からありましたね。
また、ものすごくよくできたストーリーを作ること自体が、そもそもすごく難しいんですよね。僕は漫画制作などの経験がなく、ストーリーを作ることはできなかったので、そう言った意味では、今の形に落ち着かざるを得なかったところはあると思います(笑)。
アニメ制作で大変だったところ
N
今回のアニメ化に関して、想定外に大変だった部分はありますか?
イ
正直にいうと、全て大変でしたね…。1つのテレビアニメを完成させるには、一言では言い切れないほど大変な調整があるのだと見てて思いました(笑)。
今回はショートアニメで、比較的短い3分程度の尺のアニメですが、それを作るにしてもある程度のお金は必要ですし、その分儲かるかというと、実はそうではないんです。
ヒットしたアニメーションは大きく稼ぎ、そうでないアニメーションは赤字で終わることが多いという、ビジネス構造上の難しさをひしひしと感じています…。
今回の企画について言えば、大ヒットせずとも続けられるビジネスモデルを組めたらいいなというのは、個人的にすごく感じていることです!
漫画やアニメでもそうですが、中堅のIPにもファンは必ずいて、ファンの人たちは作品の続きを見たいのに、上手くいかずに終了してしまうというのはよくある話です。これにNFTなどを絡めて、利益を生み出すことができれば、従来なら終わってしまう作品でも、NFTから制作費などを確保して続けられる可能性があります。
中堅のIPでも、そうやって続けているうちに、すごく良い作品になっていくルートもかなりあり得る話だと思っているんです。あまりヒットしていなくても、ファンがいるのであれば続けていけるようなビジネスモデルを、NFTを活用して組めたらいいなというのは、実は少し思っていますね。
アニメが視聴者に与える影響について
N
今後、今までNFTやCryptoNinjaを一切知らず、アニメが面白いと思って入ってくる人たちもいるかと思われます。そういった方々は、今あるNinjaDAOの形にどういった影響を与えると思いますか?
イ
アニメを見て、新しい方々が来てくれるのはすごく楽しみです!
現状、NinjaDAOの中でも、毎日のようにCryptoNinjaのファンアートが作られていますが、それを楽しむ人たちは、人数で見るとそんなに多くありません…。
楽しんでいる人の多くはNFTユーザーであり、ファンアートクリエイターの方々が可愛いイラストを書いても、楽しむ人自体が少ないというのはかなりもったいないことだと思っているんです。
しかし、今回のアニメが放送され、NFTを知らない人がコミュニティに入ってくれれば、状況が変わると思っています。Twitterなどでクリエイターの方々がファンアートを投稿した時に、反応してくれる人たちが増えると思うんですよね。
アニメをきっかけにキャラクターを知って、それらのファンアートを作っている人たちがたくさんいることに、感動してくれるといいなと思っています!
また、CryptoNinjaは商用利用が自由なので、新しく来てくれた方々の中から、新たにNFTクリエイターが誕生すれば、すごく楽しいと思っています。_________________________________________________________________________
N
そうなれば最高ですね!では、NFTは好んでやり取りしているけども、アニメを見ない層に対して、今回のアニメ化で何か良い影響を与えられると思うことはありますか?
イ
今回のアニメは年齢問わず見られる上に、ショートアニメなので、普段アニメを見ない人でもかなり見やすいと思っています。私も公開前の作品の一部を観させていただきましたが、3分くらいなので、いい意味で一瞬で見終ってしまいます(笑)。
好みはあると思いますが、普段アニメを見ない方も、サッと見られるような作品として楽しんでいただけるような仕上がりになっています!
今後のCryptoNinjaの運営方針について
N
今回のアニメ制作に携わられて、今後のCryptoNinjaの運営方針について心的変化はありましたか?
イ
基本的に、アニメ制作は元々想定していたことなので、大きな変化はありません。ただ、アニメの放送に伴って、新しい方々がコミュニティに入ってくるはずです。
現在のCryptoNinjaコミュニティは、NFT中心でNFTを好きな人たちが集まって形成されています。そのため、新しい方々が入ってくる時は、コミュニティの雰囲気や文化などを調整する必要があると感じています。
また、新しい方々が入ってくることで、できることも広がっていくと思っています。そういった点で、CryptoNinjaの運営に関していうと、アニメが出てくることでさまざまな良い変化が起こるのかなと楽しみにしていますね!
Web3時代のアニメ制作について
N
Web3時代になってアニメ制作の変わる部分、あるいは変わらない部分はありますか?
イ
コミュニティの存在が、今までのアニメ制作と大きく異なるポイントだと思いますね。 一般的なアニメ制作は、大手のテレビ局や出版社から始まるものですが、今回のクリプトニンジャ咲耶で言えば、コミュニティから始まってみんなで作っています。
資金調達でいうクラウドファンディングや制作プロセスにおける情報共有についても、コミュニティが大きく関わっていて、そこが従来のアニメ制作と大きく異なるところです。
ですが、プロのアニメーション制作会社が「作るもの」に対しては、ファンコミュニティであっても干渉する必要はないと思っているんです。これは従来のアニメ制作と変わらないというか、変えない方が良い、と思っているところです。
今回で言えば、ファンワークスさんが脚本から作ってくれて、素晴らしいアニメが出来上がりました。製作者や創作者へのリスペクトをこめて、僕らは素直に楽しんでいくというところは今までのアニメと変わらないところです!
ちなみに、今回のアニメ制作の中には、音楽を提供する方や声優などに、NinjaDAOのクリエイターの方々が関わっています。そういったクリエイター集団の中から、アニメーション制作に実際に参画するのは、従来のアニメ制作にはない新しい部分だと感じています!
他メディアとのミックスについて
N
アニメや漫画、スマホゲームなどメディアが増えていく上で、それらをミックスする構想はありますか?
イ
そうですね、ありますね。
僕はFateというゲームが昔から好きで、CryptoNinjaはFateのイメージに近いですね。
Fateは、SFや王道のファンタジーなど色々なストーリー展開があり、それらを色々なクリエイターの方々が制作しています。登場するキャラクターについても、共通するキャラクターもいれば、個々で登場する限定キャラクターもいます。
ですが、Fateファンの中では、”それら全部を合わせてFateだよね”というある種の共通認識を持っているんです。
CryptoNinjaもFateと同じように、色々な作者さんがそれぞれの「CryptoNinja」を作っています。それぞれを見ると、共通するキャラクターもいれば、違うキャラクターも登場しますが、”それら全部でCryptoNinja”という共通性が出てくると良いなと思っています!
今後のNFT市場の展望について
N
最後に、今後のNFT市場の展望について意見をお聞かせください。
イ
現状は、市場全体のPFPに対する失望感が大きいですよね…、うん。今まで過熱気味だった市場が、落ち着き、更に直近でいえばAzuki Elemantalsの失速あたりから、失望感にまでなってしまった、という印象があります。
なので、PFPがもう一度大きく盛り上がることは、少し想像しづらいかなぁ、というのが正直な感想です。
ですが一方で、ゲームのアイテムとして使えたり、限定コミュニティに参加できたり、CNPのように優待を受けられるなど、ユーティリティのあるPFPを作れるプロジェクトについては、今後も成長性があると思っています!
PFPに対する失望感が広まっている裏では、付加価値を持つPFPを作っている人もいるので、この一年間でさまざまな淘汰があると見ていますね。
参照元:NFT Media