中央銀行デジタル通貨(CBDC)の利用「50%以上が前向き姿勢」カナダ調査報告
カナダのCBDCに関する調査報告
中央銀行デジタル通貨(CBDC)に対しては批判的な意見も多数出ており、実際のCBDC導入については意見が分かれていますが、「WealthRocket」の報告によると、カナダの国民の半数以上はCBDCに前向きな姿勢を示しているとされています。
CBDCを利用するつもりはあるか?
WealthRocketによると、調査に参加したカナダ国民の59%は「CBDCが利用可能になったら前向きに利用する」と回答したとのことで、25%の人々は「現金の代わりに使用する」と回答したと報告されています。
逆に「CBDCを利用するつもりは全くない」と回答したのは回答者の4分の1程度で、16%の人々は「現時点では質問に答えられるほどCBDCを理解していない」と回答したとされています。
CBDCの取り組みは日本でも
詐欺やデータ悪用などの懸念は?
CBDCの利用については前向きな姿勢が示されているものの、CBDCに関する詐欺・サイバー攻撃・個人情報管理などに関しては多くの人が懸念を抱いていることが報告されています。
具体的には以下のようなリスクについての懸念が多かったとのことで、CBDCが主流になることによって政府による一方的な資産凍結が容易になる可能性などについての懸念があったことが伝えられています。
- 詐欺の可能性に対する懸念(56%)
- サイバー攻撃のリスク(53%)
- 個人データの悪用に対する懸念(44%)
- 匿名性の欠如に対する懸念(35%)
プライバシーは保護されると思うか?
「CBDCが実際に導入された場合に、中央銀行は自分のプライバシーを保護してくれると思うか?」という質問に関しては、51%の人々が「プライバシーを保護してくれると思う」と回答、25%の人々は「保護してくれることに自信を持てない」と回答したと報告されています。
ただし「CBDCに関する匿名性・監視・取引追跡」については35%の人々が懸念を示しているとのことで、匿名性やプライバシーについて一定の懸念があることも明らかにされています。
CBDCとプライバシーに関する問題は以前から議論されてきた重要な話題の1つであり、人気著書「金持ち父さん 貧乏父さん」を執筆したことなどで知られるロバート・キヨサキ氏は『CBDCが導入されると全てのお金のやりとりが追跡可能になり、ユーザーのプライバシーが失われる可能性がある』との懸念を語っています。
キヨサキ氏が語った内容はこちら
考えられるCBDCの利点は?
今回の調査報告では「CBDCにどのようなメリットがあると感じているか?」についての回答結果も報告されています。
特に回答が多かったのは利便性・安全性に関する内容で「企業・個人間でのオンライン購入・送金が容易になる」「現金を持っていなければ強盗に遭わない」「デジタル通貨を使用すればより安全に取引できる可能性がある」などの回答が得られたと伝えられています。
なお、カナダの人々がCBDCの導入に対して前向きな姿勢を示している一方で、アメリカのフロリダ州やノースカロライナ州では「CBDCを禁止する法案」が可決されたことも報告されています。
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