カルダノ創設者:ディープフェイク問題における「ブロックチェーンの有用性」語る
生成型AIの進歩で「検証システム」が必要に
カルダノ(Cardano/ADA)の創設者であるチャールズ・ホスキンソン氏は、2023年5月28日に公開されたサプライズAMA(質問に答える企画)の中で、ディープフェイクコンテンツの問題に対処するためのブロックチェーン技術活用についてコメントしました。
今回の内容は『AIが生成する偽物のコンテンツ作成が簡単になってきているが、動画や画像などが本物であることを確認するためにブロックチェーン技術を使わなければならない未来はくるのでしょうか?』という質問に回答した際に語られた内容となっています。
チャールズ・ホスキンソン氏はこの質問に対して『Yes』と回答しており、ディープフェイクのコンテンツが増えていくにつれて、そのコンテンツが本物であるかどうかを検証するためのシステムが必要になってくるとの考えを語っています。
ホスキンソン氏は「今後12ヶ月〜24ヶ月以内には、AIが生成した映像や音声が現実のものと見分けがつかないレベルに到達する」との予想を語っており、ドナルド・トランプ氏やジョー・バイデン氏のような著名人が子供を殺害しているような偽物の動画が出てくる可能性があると指摘してきています。
このように語るホスキンソン氏は、今後の世界は「目で見たものを信じる」という現在の風潮から「目で見てそれが真実であると証明されるまで、それが偽物である可能性を疑う」という世界へと移行していくのではないか?との考えも語っています。
「NFTを用いた検証済みコンテンツ」が重要に
ホスキンソン氏は、ディープフェイクを用いた悪意のある偽物コンテンツが蔓延する世界から抜け出すためには「検証された情報」や「検証されたコンテンツ」が必要であると語っています。
具体的には「コンテンツ作成時にNFTを作成して署名を行い、そのコンテンツが正規のデバイスで作成されたことを示す証拠を用意する必要がある」と説明されており、「私たちは”どのようにしてコンテンツが偽物でないことを確認すればいいか”について実際に話し合いを進めなければならない」とも説明されています。
なお、ホスキンソン氏は今回の回答の中で、このような検証済みコンテンツの仕組みを「Generative AI Proof Watermarking(生成型AIを証明する電子透かし)」と表現しています。
ここ最近では、人工知能(AI)を活用して文章・画像・動画などを生成するサービスが続々と登場してきていますが、その一方では「生成型AIを用いた犯罪行為」も問題視されているため、今後はそのような問題を可決するための手段の1つとして、ブロックチェーンやNFTなどの技術が広く活用されていく可能性もあると予想されます。
AIに関するその他の注目記事はこちら