日本居住者は「Binance.com」を利用できなくなるのか?今後の対応などを調査
日本の暗号資産交換業者サクラエクスチェンジビットコイン(SEBC)が新規サービス「Binance JAPAN(仮称)」を発表したことを受けて、日本国内では『本家のBinance.comは利用できなくなるのではないか?』と不安視する声が多数出ています。
この記事では「Binance JAPAN(仮称)が提供開始されたら本家BINANCEは利用不可になるのか?」について現時点で判明している情報をまとめています。
本家「Binance.com」の現状
BINANCE(バイナンス)は世界中のユーザー向けに仮想通貨関連サービスを展開している大手暗号資産取引所として知られていますが、国や地域によっては必要なライセンスを取得しなければサービスを提供できないため、バイナンスも各国の規制当局と協力しながらサービス提供地域を制限しています。
バイナンスは数年前から日本の規制当局とも協力していることを何度も報告しており、現在は「日本語でのサービス提供」や「日本居住者の新規登録」が停止されています。
なお、BINANCEは「サクラエクスチェンジビットコイン」の買収に伴い、2022年11月30日に”日本居住者の新規口座開設”を停止していましたが、それよりも前にBINANCEの口座開設を完了していたユーザーは、現在も「Binance.com」のサービスを利用できる状態となっています(2023年5月13日時点)。
Binance JAPAN(仮称)について
Binance JAPAN(仮称)のサービスは、2023年6月以降に開始される予定となっていますが、開始時期に関する詳細は現時点で発表されておらず、詳細情報は後日改めて発表されることになっています。
記事執筆時点では、サービス内容や取扱う暗号資産の詳細なども明らかにされていませんが、Binance JAPAN(仮称)は日本の規制に準拠した形で提供される暗号資産取引所であるため、本家BINANCEと比較すると提供サービスや取扱銘柄数などは大幅に少なくなることになると予想されます。
なお、SEBCは公式発表時に「Binance JAPAN(仮称)ではSEBCの口座開設時に登録された情報は引き継がれないため、改めて口座開設申込と本人確認などの審査を行う必要がある」ということを説明しています。
BinanceJAPANに関する発表内容はこちら
「Binance.com」は利用不可に?
日本国内の仮想通貨コミュニティでは「日本居住者は Binance.com を利用できなくなるのか?」という質問の声が多く出ていましたので「日本向けサービス開始後はBinance.comが利用できなくなるのか?保有資産はどうなるのか?」についてBINANCEなどに問い合わせを行いました。
この問いについての明確な公式発表は行われていませんが、現時点では以下のような回答が得られていますので、参考にしていただけると幸いです。
「SEBCカスタマーサポート」からの回答
Binance JAPAN(仮称)への移行を発表した日本の暗号資産交換業者「サクラエクスチェンジビットコイン(SEBC)」のカスタマーサポートは『SEBC側からBinance.comに関する案内を行うことはできない』との説明を行っています。
現時点では「Binance JAPAN(仮称)」と「Binance.com」に互換性はないとのことでしたので、Binance.comに関する質問や問い合わせは「Binance.com」に行う必要があります。
Binance.comに問い合わせを行いたい場合には「Binance.com公式ホームページのチャット」や「BANINACEカスタマーサポートの公式Twitter(@BinanceHelpDesk)」などを利用することができますが、”日本向けサービス”の件については以下のような回答が得られていますので、同じような内容の問い合わせを行うのは避けるべきだと考えられます。
「BINANCEカスタマーサポート」からの回答
BANINACEカスタマーサポートの公式Twitterに問い合わせを行ったところ『現在は規制当局と連携しながら日本でのサービス提供に向けた取り組みを進めている段階であるため、詳細情報を共有することはできない』との説明がありました。
同社は現在、日本の規制に完全に準拠した形でサービスを提供できるよう取り組んでいるとのことですが、正確なローンチ時期はまだ決定していないとのことです。
「日本向けサービスが開始されるとBinance.comの口座は使えなくなるのか?」「Binance.comのアカウントで保有している資産はどうなるのか?」などの質問に関しては、詳細が決定次第できるだけ早くアナウンスを行うと説明されているため、今後の追加発表を待ちましょう。
「Binance.com」の今後の対応について追加発表があった場合には、この記事内にも内容を追記してBITTIMESの公式SNSでも報告を行う予定です。
日本向けサービスに関するその他の噂
「Binance.com」の日本居住者向けサービスに関しては『今後は正式にサービス提供が停止される可能性が高い』といった内容の噂や意見が多数出ています。
現時点では「日本居住者向けのサービス停止」について公式発表は行われていないため、これらの情報はあくまでも噂の範囲にとどまっていますが、実際にサービスが停止される場合にはBINANCEアカウントで保有している仮想通貨を移動させる必要が出てくるため、一部では「BINANCEで保管している仮想通貨は早めに移動させておくべき」という意見も出ています。
BINANCEが金融庁から警告を受けていることや、Binance JAPAN(仮称)の提供開始に向けた準備が進められていることなどを踏まえて考えると、今後は「Binance.com」が利用できなくなる可能性も十分あるため、不安な場合は早めにポジションの解消・資産の出金などを行っておきましょう。
金融庁は他の取引所にも警告済み
「アメリカ・カナダ市場撤退」の事例
BINANCEは、米国居住者向けの暗号資産取引所である「Binance US」のサービスが開始された際に「Binance.comで米国居住者向けサービスを段階的に停止する」という対応をとっています。
また、BINANCEは2023年5月13日に「カナダ市場から撤退」を発表した際には「カナダ居住者向けに”今後カナダ居住者のアカウントにどのような影響がでるか”などについての包括的な情報を含めたメールを送信したこと」も説明されています。
このような過去の事例から考えると、日本居住者向けサービスが停止される場合にも、アメリカ・カナダ市場からの撤退時と同様に「段階的なサービス停止」の対応が取られる可能性があると予想されます。
ただし、BANINACEのカスタマーサポートは、日本居住者向けサービスの今後について「詳細が決定次第できるだけ早くアナウンスを行う」と説明していますので、より正確な情報をいち早く確認したい場合には、BINANCEの公式Twitterなどをフォローして公式発表を待つようにしましょう。
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