【簡単解説】Meta社がFacebookやInstagramでのNFT事業撤退へ
マーク・ザッカーバーグ氏がCEOを務めるソーシャルテクノロジー企業「Meta(メタ)」(旧Facebook)が、NFT事業から撤退することがわかりました。
Meta社のコマースおよびフィンテック部門の責任者であるステファン・カスリール氏によると、同社が最優先で取り組むべき事業を見直した結果、NFTの取り組みから撤退することになったとのことです。
この発表に対して、NFT関係者からは多くの厳しい意見が寄せられています。
ステファン・カスリール氏による関連ツイート:
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好調スタートだと思われていた矢先の撤退
Meta社によるNFT事業撤退の動きは、2022年に同社の株価が低迷したことを受けたものです。
カスリール氏はツイッターにて、「依然として、クリエイターがマネタイズできる機会を提供することが最優先事項であることに変わりはないです。今後は、リール投稿のマネタイズオプションなど、スケールでインパクトを与えられる領域に注力していこうと考えています」とツイートしています。
Meta社は、2022年5月に初めてNFT分野への参入計画を正式に発表しました。
CEOであるマーク・ザッカーバーグ氏は、2022年6月の決算報告会で「Web3に関する事業は、長期的であり、非常に高いコストがかかるものです。しかし、メタバースが、仕事や教育、取引など、私たちの生活のあらゆるシーンで活用されるものになると確信しており、それらの構築に携われることに喜ぶ日が来るでしょう」と述べていました。
そして、2022年8月にMeta社は、一部のクリエイターとNFTコレクター向けに、FacebookやInstagramにデジタル資産の表示や取引ができる機能を試験的に導入すると発表し、試験プログラムがスタートしました。
同年11月には、トップクリエイターであり12万人のInstagramのフォロワーを抱えるドリフター・シュート氏が、Instagramにてプロジェクトを公開したところ、わずか10秒で作品が完売したと報告しており、InstagramのNFT取引機能が好調で動いていると考えられていました。
▼InstagramのNFT取引機能が好調スタート、トップアーティストのプロジェクトがわずか10秒で完売
約2兆円にも拡大した損益
一方で、Meta社の拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、メタバース・ソフトウェア・プラットフォームに取り組む部門「Reality Labs」が抱える損益はこの四半期で拡大し、その額は2022年末で合計約137億ドル(約1兆8,367億円)に達しました。
同時に、コスト削減を実施しており、2022年11月には約11,000人の従業員を解雇しました。
これらの金銭的損失がNFT事業撤退の検討材料になったかは不明ですが、メタバース事業が好調スタートではなかったことがわかります。
▼Meta社によるInstagramのNFTに関しての発表はこちらから
早期撤退に対して、NFT関係者からの非難の声が殺到
今回のNFT事業撤退の発表を耳にしたクリエイターらは、厳しい意見を述べています。
発表にいち早く反応したコレクターのクルーグマン氏は、
- このような短期的な動きはいかがなものか
- NFT参入は非常に大きな可能性を秘めているのに、離れるタイミングが早すぎる
- これまでの取り組みが台無しである
などの失意に陥ったツイートをしています。
また、ブロックチェーンを活用した企業向けロイヤリティサービスを提供しているコニー・アンサルディ氏は、「今回の判断は先見性に欠けており、長期的な視点で考えられていないと思います」と語っています。
その他にも、有名なアーティストらが思慮の浅い計画であると非難しています。
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元記事:https://blockworks.co/news/meta-winding-down-nfts
https://nftnow.com/news/breaking-instagram-is-sunsetting-digital-collectibles-nfts/
参照元:NFT Media