ユニスワップ(UNI)の「Uniswap Wallet」、iOSテストフライトでリリースへ
Uniswap WalletがiOSテストフライトでリリースへ
分散型取引所(DEX)の「ユニスワップ(Uniswap)」開発元のユニスワップラボ(Uniswap Labs)が、「ユニスワップウォレット(Uniswap Wallet)」の早期アクセス版のリリース予定を3月3日発表した。
発表によると「ユニスワップウォレット」は、オープンソースにより開発されたセルフカストディ(自己管理型)のモバイルウォレットとのこと。現在のところアップル(Apple)が提供しているiOS環境でのアプリテストシステム「テストフライト(TestFlight)」にてリリースされる予定だという。
なおセルフカストディとは中央集権的な管理者に暗号資産(仮想通貨)を預けずに、ユーザー自身が秘密鍵管理を行い、暗号資産の保管を行うこと。また「テストフライト」で公開されたアプリは、あくまでもプレスリリースおよびテスターとなる為、実際にiOSで公開するにはアップルの審査が必要となる。
「ユニスワップウォレット」はイーサリアム(Ethereum)、ポリゴン(Polygon)、アービトラム(Arbitrum)、オプティミズム(Optimism)のブロックチェーンに対応しているとのこと。今までのウォレットで異なるチェーンのDapps(分散型アプリ)に接続する際にはネットワークを切り替える必要があったが、同ウォレットではその必要はなく、例えばイーサリアム上のリドファイナンス(Lido Finance)、ポリゴン上のアーベ(Aave)、アービトラム上のユニスワップに同時接続できると説明されている。
また「ユニスワップウォレット」では、上記にあげたブロックチェーンに対応した「暗号資産・NFT」の送受信・保管といったウォレットの通常機能の他、大きな特徴としてシードフレーズの保存方法が挙げられている。
ウォレット復元の際に必要となるシードフレーズは「紙にメモをする手動保存」が推奨されているが、それに加え「ユニスワップウォレット」では、「アップルのiCloudで暗号化して保存」もできるという。これにより端末を紛失した場合でもシードフレーズのバックアップによりウォレットが保護できると説明されている。
なお「ユニスワップウォレット」は、米サイバーセキュリティ企業「トレイルオブビッツ(Trail of Bits)」の監査も完了し、セキュリティ基準を満たしているとのことだ。
ユニスワップラボは、同ウォレット早期アクセス版利用に必要なアクセスコードを今後2週間以内に配布するとしており、希望ユーザーに対しては「公式Twitter」や「公式Discord」をフォローするよう促している。
なお今回「テストフライト」で「ユニスワップウォレット」を早期リリースするのは、「理由はわからないが、アップルからの承認が得られない」からとのことだ。ユニスワップラボによるとアップルは昨年10月に「ユニスワップウォレット」の承認をしていたが、12月にリリースするとしたわずか数日前に祖の承認を却下したとのこと。アップルのガイドラインに100%準拠していることと、様々なノンカストディアルウォレットがApp Storeでリリースされているのにもかかわらず、引き続きアップルからの承認は得られていないとのことだ。
ちなみに3月1日には米投資アプリのロビンフッド提供のノンカストディアルウォレット「ロビンフッドウォレット(Robinhood Wallet)」が、全世界で利用可能となっている。同ウォレットは、全iOSユーザーへ正式に公開され、Appleアプリストアからダウンロードが可能となっている。
またアップルは昨年10月、iOSアプリによるNFT使用を制限する方針を示し、NFTサービスのアプリにも従来通り30%の決済手数料を徴収することを表明した。これにより12月には、コインベース(Coinbase)提供の「コインベースウォレット」が最新アップデートでNFT送信機能を追加したため、アップルは同機能をブロックした。
アップルはNFT送信時に発生するガス代の30%をコインベースから徴収することができると主張。しかしアップルの独自システムは暗号資産に対応していないため、コインベースがアップルの要求に応えられずNFT送信機能はブロックされる形となった。
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参考:ユニスワップ
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Andrei-Filippov・artacet
参照元:ニュース – あたらしい経済