ラオス中央銀行、ソラミツと中銀デジタル通貨の実証実験を開始
ラオス中央銀行とソラミツがCBDCの実証実験
日本のフィンテック企業ソラミツとラオス中央銀行が、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験(PoC)開始のための覚書(MOU)締結を2月6日発表した。
ソラミツは、2020年より実運用が開始されているカンボジア王国のCBDC「バコン」を同国中央銀行・金融監督局であるカンボジア国立銀行と共同開発を行った企業だ。
今回の実証実験には、その「バコン」システムをベースに、ラオス向けに修正したシステムがソラミツから提供されているとのこと。なお「バコン」には、ソラミツ開発のオープンソースのブロックチェーン「Hyperledger Iroha」が利用されている。
なおラオスでのCBDC実証実験のプロジェクト名は「DLAK」(Digital Lao Kip:デジタルラオスキープ)とのこと。
2月7日よりラオス中央銀行、在ラオス日本大使館、独立行政法人国際協力機構(JICA)の関係者が、ラオスの首都ビエンチャン市内の店舗で行うCBDCの実証実験に参加する予定とのこと。実証実験にはソラミツ開発のシステムが使用されるという。
今回のCBDC実証実験では、まずラオス中央銀行がCBDCを生成し、仮設の商業銀行に発行するという。その後、その商業銀行はCBDCを個人に送信し、それにより個人がCDBCを使用して店舗での支払いを可能にするという。そして店舗は支払いを受けたCBDCを別の仮設の商業銀行に送金し、 最後にラオス中央銀行がその商業銀行からCBDCを回収するといった一連の運用の流れをとるとのことだ。
ラオス中央銀行はCBDCにより、「銀行口座にアクセスできない人々にデジタル金融サービスを提供するために、より広範な国民への金融包摂の提供」、「近隣諸国などの移民先からの国際送金の送金時間と送金コストの削減」、「他国に依存しない通貨を通じての経済安全保障を確保するなど、決済システムの高度化を促進」を目指しているという。
ラオス中央銀行は、今回の実証実験の結果に基づき、CBDCの正式運用開始に向けてさらに研究を進めていくとのことだ。
ソラミツは2021年12月から1年間、ラオスでブロックチェーン・ベースの最先端の決済インフラに関する実現可能性調査をJICA開始のプロジェクトの下、実施していた。
また昨年6月にはベトナム、フィジー、フィリピン等でCBDC導入に向けた調査事業をソラミツは開始していた。発表によるとこの取り組みは、経済産業省が実施する「令和4年度 質の高いインフラ及びエネルギーインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業」において、ソラミツが採択されたものだった。
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デザイン:一本寿和
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参照元:ニュース – あたらしい経済