FTXの破産はどこまで仮想通貨に影響する?連鎖倒産の経緯と今後

どうも墨汁うまい(@bokujyuumai)です。FTXジャパン含むFTXグループ134社の破産は仮想通貨業界に大きな影響を与え、今後の影響が懸念されています。

本稿ではバイナンスに次ぐ巨大なFTXグループの破産における今後のビットコインやイーサリアムなど仮想通貨業界全体に対する影響について分かりやすく解説を行います。

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FTXグループ破産の経緯

まず最初にFTXグループの破産について簡単に見てみましょう。FTXはアフロの名で知られるサム・バンクマン・フリード(Sam Bankman-Fried)氏の投資会社アラメダリサーチ(Alameda Research)の危機的な財務状況がリークされます。それに伴いFTXに投資をしていたバイナンス(Binance)のCEO、チャンポン・ジャオ氏(Changpeng Zhao)がFTXの取引所トークンであるFTT(FTXトークン)の全売却を発表しました。

そしてFTX不信に繋がり数日で巨額の引出しが発生したことで流動性危機へと繋がり、バイナンスがFTX買収で決着かと思いきや財務状況の悪さから買収を断念した結果、FTXグループの破産となりました。

またFTX破産の前に出金停止をしていた日本法人子会社で、元コイン(Quoine)のFTXジャパンは業務停止命令含む行政処分を受け、現在も出金を停止している状態となっています。FTXジャパンは年末に出金を再開することを目指しており、日本の法律に守られて仮想通貨が返還される可能性が残っている状態です。

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2022年中旬からの連鎖倒産

FTXグループの破産は一見CEOのサム・バンクマン・フリード氏の失態に見えますが、実は2022年中旬の仮想通貨暴落が起点となっています。ビットコイン価格は2021年11月に史上最高値となる780万円を記録、この価格は2017-2018年の仮想通貨バブル時最高値の3倍にも及ぶ高騰でした。そしてわずか半年後の6月に235万円まで下落しました。

この影響で仮想通貨ヘッジファンドのスリーアローズキャピタル(3AC=Three Arrows Capital)が破産したことから「連鎖倒産」が始まります。スリーアローズキャピタルの破産はマイナー仮想通貨レンディング企業のボイジャーデジタルや大手のセルシウスなどが貸し付けた資金を取り戻すことができずに破産してしまいました。

ブロックファイの破産まで波及

このときにボイジャーデジタルへ出資をしていたFTXは買収を敢行、さらにスリーアローズキャピタルの清算ミスで巨額損失を負った最大手レンディング企業ブロックファイ(BlockFi)に運転資金を提供していました。一時収まったと思ったこの連鎖倒産も年末に迫りアラメダリサーチの財務状況がリークされてしまったことで結果破産。FTX顧客資金使い込みや政治献金などが明るみとなり現状に至ります。

またブロックファイはアラメダリサーチに巨額の無担保ローンを提供していたことや米国仮想通貨取引所であるFTX USでの売買をしていたこと、2.75億ドルの運転資金借り入れなどで計10億ドルを超える資金問題が重なった結果ブロックファイの破産となっています。

そしてFTX破産の影響は最大手仮想通貨ブローカレッジ「ジェネシス(Geneis)」にも波及しており、出金と新規ローンを停止。債権者が破産を避ける再建をするための弁護士を雇ったものの投資家に対して資金調達ができなければ破産の可能性を警告しています。

さらに影響を受けたのがウィンクルボス兄弟の仮想通貨取引所「ジェミニ(Gemini)」が提供するGemini Earnがジェネシスのレンディングを使用しており、引出し停止状態であることからさらなる連鎖倒産の可能性を示唆しているということになるでしょう。

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仮想通貨業界復帰ファンドと透明性

今回のFTX破産とさらなる連鎖倒産を重く見たバイナンスは「仮想通貨業界復帰ファンド(Industry Recovery Fund)」の発足を発表。当初10億ドルとしていた資金ですが、複数のファンドやスタートアップから追加の10億ドルを投入して20億ドル規模となっています。

また仮想通貨取引所の信用が地に落ちた事件であるといえ、各仮想通貨取引所が保管している残高を公開するなど、FTXグループ破産を重く考えていることが分かるでしょう。

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仮想通貨規制の強化

また日本国内で仮想通貨上場における規制の緩和の可能性が上がっていたものの、今回のFTXジャパンの業務停止命令を含む行政処分及び親会社の破産に伴い、国内での営業ライセンスを持つ仮想通貨交換業者への目も厳しくなると言えます。

実際に関東財務局は11月30日、ずさんな経営を行ってきたエクシアデジタルアセットに業務停止命令を出し、顧客資産が分別管理されていない可能性を指摘しています。香港が仮想通貨規制緩和を進めいた他、日本のみならず仮想通貨を資産クラスの1つとして扱う動きが加速していたのに対し、急激なストップをかける可能性が高いでしょう。

一方でこれらの失敗を経験とし、より良いい仮想通貨業界を目指していくことが将来的な業界の利益と投資家保護につながるため、1-2年は難しい時間とはなるとみられるものの、今後の改善に期待したいと筆者は考えています。

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