【NFT×お酒】海外のNFTの活用方法とは?海外事例から学ぶアルコール業界がNFTに参入する5つの理由とは?
お酒はコレクターや愛好家の多いジャンルであり、飲むだけではなくコレクションするといった楽しみ方もあるため、NFTとの相性がいいと考えられています。
最近では海外でNFT付きのシャンパンボトルが3.4億円で取引されたり、他にもあらゆる酒造メーカーがNFTの商標登録を進めたりと、アルコール業界でNFTが盛り上がっている様子が多く見られます。
▼Bored Ape Yacht Club(BAYC)のNFT付きシャンパンボトルが250万ドル(3億4,270万円)で販売
今回の記事では海外の事例を通して、アルコール業界がNFTに参入する理由について、どんなメリットがあるかをお伝えしていきます。
1. 鑑定書の役割
高級ブランドアイテムや希少アイテムに鑑定書がついているのと同様に、NFTは高級ワインやスピリッツ(蒸留酒)における「偽造品対策」に役立ちます。
各ボトルにNFTが添付されていれば、製品のリアルタイム追跡や真正性の証明が可能になるからです。
アルコールブランドは、製品の生産元を証明することができる「Chai Vault」のようなブロックチェーンと連携して対策することができます。
Chai Vault:
https://www.chaivault.com/
2. 高級アルコールブランドへの投資に対する新たな施策
高級ワインやスピリッツを専門に取り扱っている「BlockBar」というNFTマーケットプレイスがあります。
「BlockBar」は高級なお酒への新しい投資方法を実現するプラットフォームであり、これまでに、酒齢12年以上のバーボンである「グレンフィディック」や、日本のウイスキーブランドの「軽井沢」、最高級ブランデーである「レミーマルタン」などの高級ブランドと提携して共同で限定ボトルコレクションをNFTとしてミントし、マーケットプレイスにてリリースしました。
NFTボトルは、オークション、先着順、抽選など、さまざまな販売方法があります。
購入者はNFTボトルを、「BlockBar」がシンガポールの倉庫に保管している物理的なボトルと交換して実物アイテムを受け取ることもできれば、交換せずにマーケットプレイスで取引することも可能です。
また、購入者はプライベート蒸留所ツアー、限定コンテンツ、特別割引、限定NFTドロップなどの特典を得ることができます。
このように、お酒を「飲む」・「コレクションする」以外の部分で顧客に対して新たなアプローチができるのです。
BlockBar:
https://blockbar.com/
ボトルを熟成させたのちに換金が可能
「BlockBar」が行っているのと同様、飲料関連のNFTプロジェクトの多くは、購入者がNFTを物理的なボトルと交換するオプションを提供しています。
プロジェクトによって交換のタイミングは即時の場合や後日の場合とさまざまですが、交換するまでの期間に、購入したボトルの価格が上昇する場合があります。
例えば、アメリカのナパバレーにあるワイナリー「Trefethen」は、2018年ものの「カベルネ・ソーヴィニヨン」のNFTボトルを9本ミントしており、購入されたワインボトルを最長10年間、ワイナリー側で保管します。
保管されてボトルが熟成されている間に価格が上昇すると、購入者はその恩恵を受けることが可能なのです。
お酒はただ飲むものではない、「あらゆる体験特典」を提供
飲料関連のNFTアプリケーションは、実際のボトルをトークン化することに限定されるものではなく、スマートコントラクトを利用することで、アルコール企業は顧客に対して様々な独自の体験を構築することができます。
(※スマートコントラクトとはさまざまな契約を自動で実行する仕組みのこと)
▼【スマートコントラクトとは】概要と代表例で、わかりやすく解説!
例えば、カナダのビクトリア州にあるカクテルバー「Clive's」が提供するNFTには、アンロック可能なコンテンツとしてレシピが含まれており、デジタル体験、テイスティング体験に加え、世界的に有名なバーテンダーとのAMAセッション(質問できるセッション)へのアクセス権が付与されています。
Clive's:
また、世界的に有名なラガービールメーカーである「Budweiser」は、独自のメタバース「Budverse」を構築しており、NFTがメタバースへのエントリーキーとして機能し、限定特典をアンロックすることができるなど、NFT購入者に特別な特典を付与しています。
Budweiser Budverse:
https://us.budweiser.com/budverse
このようにアルコール企業はあらゆるパターンの購入者特典を設定しています。
ブロックチェーンを活用することで「収益アップ」
NFTは、ワイナリーにとって強力な財務ツールとなり得ます。
スマートコントラクトにエンコード(変換を加える)すれば、ボトルを発行したワイナリーはすべての取引からロイヤリティを獲得し続けることができるのです。
例えば「Blockbar」との提携の場合、ロイヤリティの10%がマーケットプレイスとワイナリーで分配されます。
また、ワイナリーは「DeFi(ディファイ)」を導入することで収益を上げることが可能となります。
(※DeFiとは:分散型金融と呼ばれているブロックチェーン上に構築された金融アプリケーションのこと)
▼【DeFi(ディファイ)とは】購入メリットと収益を上げる方法を解説
「DeFi」はお金の取引において仲介業者をはさむ必要がないため手数料が低くすむのです。
例えば、ワイン投資への障壁を低くする分散型ワインファンドを構築している「WiV」はブロックチェーン技術を取り入れることで、ワイン取引市場の改善に取り組んでいます。
WiV:
https://wiv.io/
最後に
今回の記事では、海外の事例をもとにアルコール業界のNFT事業を紹介しました。
NFT参入によって「お酒は飲んで楽しむもの」という魅せ方以外の新たな楽しみ方を提供できるようになるため、顧客に対するアプローチの選択肢を増やすことができるのです。
またブロックチェーン技術によって、お金の動かし方を変えていくことが出来るので販売側と購入者の両者にとってプラスの影響をもたらします。
NFTやブロックチェーンといったWeb3技術は既存の商品においても新たな可能性をもたらすということがわかります。
▼【NFT×お酒】お酒関連事業におけるNFT活用事例4選
元記事:https://nftnewstoday.com/2022/10/05/alcohol-brands-in-the-nft-space/
参照元:NFT Media