【メタバースで雨は降る?】メタバースに天気という概念は存在するのか事例や効果とともに解説

カナダのファッションブランド「Cape de Coeur」は2022年1月7日に、「The Guardian 」と呼ばれる雨用のケープコートのNFTをリリースしました。

(※ケープコートとはヨーロッパ生まれのポンチョのような羽織のこと)

「The Guardian 」発表ツイート:

このNFTは「空間や場所を超える」「個性を強めていく」ことをテーマにデザインされました。ケープコートは雨用なので、日常的に使用するものではないように思います。

そもそも、メタバースでこのような「雨用」の衣類など必要なのか、雨といった天気の概念がメタバースに存在するのか。

今回の記事ではメタバースの「天気事情」についてレポートしていきます。

Cape de Coeur:
https://capedecoeur.com/pages/guardian-nft

「The Guardian 」OpneSea:
https://opensea.io/assets/matic/0x2953399124f0cbb46d2cbacd8a89cf0599974963/46820835975655347803032867952182683998704578446030592879873711751929073238019

あらゆる気象条件を再現できる「Omniverse(オムニバース)」

Omniverse(オムニバース)

メタバース事業を進めている企業として、マーク・ザッカーバーグ率いるMetaや、アメリカのゲーム会社であるEpic Games(エピックゲームズ)やRoblox(ロブロックス)、アメリカの半導体メーカーであるNVIDIA(エヌビディア)があげられます。

メタバースは人間とコンピューターで生成されたコンテンツが作成する3Dのバーチャル世界であり、ユーザーは、VRヘッドセットやARツール、スマートグラスなどを使用することでアクセスすることができます。

先ほど挙げたNVIDIA(エヌビディア)は現在、独自のメタバース事業として「Omniverse(オムニバース)」を開発しています。

「Omniverse(オムニバース)」とは「仮想デザインコラボレーション」および「リアルタイムシミュレーション」が可能なプラットフォームです。

例えば、このメタバース空間では3Dの建物を作成することが可能なので、建築家は、異常気象に耐え得る建築物の設計およびその強度のシミュレーションをプラットフォーム上で行うことができます。

NVIDIA(エヌビディア)のプログラマーは、アメリカの天気予報サービスであるAccuWeather(アキュウェザー)によって収集された気象データを使用して、台風や吹雪など、あらゆる種類の気象条件をOmniverse(オムニバース)内に再現しています。

Omniverse(オムニバース):
https://www.nvidia.com/ja-jp/omniverse/

NVIDIA(エヌビディア)Twitter:
https://twitter.com/NVIDIAGeForceJP?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

なぜメタバースにも「天気」といった概念が必要になるのか

天気を再現できるOmniverse(オムニバース)は特に「建築」の分野において役に立ちます。

現実世界で建築物を実際に組み立て始める前に、バーチャル空間で現実と同様の気象条件のもと模擬実験を行うことで、時間やお金といったあらゆるリソースを節約することが可能となるのです。 

すなわち、メタバースでの模擬実験によって建物の強度がテストでき、実際の建設開始に向けて構造の確認や改善をすることができるようになります。

また、メタバースに天気といった概念が存在するということは、天候の変化があり、昼と夜のサイクルも存在するということです。

すなわちユーザーは、メタバースで空のない空間を歩き回るよりも、没入的により現実世界に近い体験をすることができるようになるのです。

より実用的な役割をも担うメタバース

メタバースに天気が存在することで、移動先の天気の確認を行うことも可能となります。

これは、どこかに向かうときに傘や上着が必要かどうかなど、まずはバーチャルで目的地に訪れて現地の気象状況を確認できるといったことです。

例えば旅行やコンサートなどのイベントのときにも役立ちます。

他にも、メタバースでの天気の存在は、防災時にも役に立ちます。

自然災害が発生した場合、人々はメタバースを使用することで、避難経路を調べたりすることも可能になります。

メタバースでは、どこで何が起きているかをリアルタイムで確認できるので、被害情報などをどこよりも早く確認することが可能であるためです。

このようにメタバース内での行動が現実世界にも役立つといったシチュエーションが存在します。

最後に

「天気」といった概念がメタバースの可能性を大いに飛躍させるといっても過言ではありません。

メタバースの懸念点の1つに現実世界とのギャップが存在します。

Omniverse(オムニバース)が提供する「仮想デザインコラボレーション」および「リアルタイムシミュレーション」といった技術はそのギャップを小さくしていくことが期待でき、仮想空間と現実世界の垣根が限りなく低くなることでしょう。

参照元:NFT Media

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