Square傘下のTBD:ビットコインの分散型取引所「tbDEX」のホワイトペーパー公開
米国の決済大手「Square(スクエア)」の傘下に属する新部門「TDB」は2021年11月19日に、以前から報告されていた仮想通貨ビットコインの分散型取引所(DEX)である『tbDEX』のホワイトペーパーを公開しました。一般的な分散型取引所では、信頼できる第三者を必要としない「トラストレス」と呼ばれるモデルが採用されているものの、tbDEXはトラストレスモデルを採用しないと報告されています。
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分散型取引所「tbDEX」のホワイトペーパー公開
Square(スクエア)の傘下に属する新部門「TDB」は2021年11月19日に、以前から報告されていた仮想通貨ビットコインの分散型取引所『tbDEX』のホワイトペーパー(事業計画書)を公開したことを明らかにしました。
We made a white paper. https://t.co/ffvYGjQQ7T
— TBD (@TBD54566975) November 19, 2021
ホワイトペーパーを作成しました。
TDBはTwitterやSquareのCEOであるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏が2021年7月に初めて明かした”ビットコインの分散型取引所(DEX)構築を目指すプロジェクト”であり、ユーザーがより簡単にビットコインと法定通貨を交換することができる分散型取引所を構築するための取り組みが進められています。
今回公開されたホワイトペーパーでは、tbDEXは『ビットコイン・法定通貨・現実世界のグッズなどの資産を交換するためのプロトコル』だとされており、『tbDEXプロトコルは社会的信頼を確立するためのフレームワークを提供することによって資産間の交換を行う分散型取引ネットワークを推進し、分散型ID(DID)と検証可能な認証情報(VC)を利用して実世界でのアイデンティティの証明を確立する』と説明されています。
「トラストレスモデル」は採用せず
一般的な分散型取引所では、信頼できる第三者を必要としない「トラストレス」と呼ばれるモデルが採用されているものの、tbDEXはトラストレスモデルを採用しないため、独自のガバナンストークンも備えていないと報告されています。
そのため「tbDEX」は一般的なDEXよりもやや中央集権寄りな取引所となっており、取引所利用者は最初に本人確認手続き(KYC)を実施して、地域の規制に準拠していることを確認する必要があり、その手続きを完了した後に自分のウォレットを取引所に接続して取引を行うことができるようになると報告されています。
また、tbDEXではプラットフォーム上での取引を追跡できるようにするためのブロックチェーン分析ソリューションが組み込まれると報告されているため、一部では『ウォレットアドレスや本人確認情報などを参照することによって、政府当局などがユーザーの身元を特定できること』に対する懸念の声も出ています。
tbDEXは”トラストレスモデルを採用しないこと”について『信頼を必要としないビットコインなどの最終目標を考慮するとこの方法は最適ではないかもしれないが、現実では法定通貨システムとのインターフェースがトラストレスになることはない。法定通貨側のエンドポイントは常に規制対象となる。どんな価値の交換でも評判といったガバナンス上のトラストは必要とされる』と説明しています。
トラストレスモデルの採用・不採用については意見が分かれるものの、バランスのとれた方法で一定の監視下における状況を構築すれば取引所を悪用した犯罪行為を防ぐことができ、誤送金や盗難などといった”問題のある取引”が行われた場合にも取引をキャンセルすることができる可能性があるため、このような仕組みの採用を支持する声も出ています。
プレスリリースではこのような信頼関係のあり方について『tbDEXプロトコル自体は、個々のウォレットと参加する金融機関との間の最適な信頼関係がどのようなものであるべきかについては意見を持たない』と書かれており、『管轄区域が異なれば、異なる法律や規制が適用されるし、個人や機関が異なればリスク許容度も異なるため、信頼関係の性質は決して普遍的なものではない。信頼関係の交渉をプロトコル側で決定することは”最大限の分散化を図る”という原則に反することになる』と説明されています。
なお、資産の交換・取引については「仮想通貨金融システムと法定通貨間においては中央集権的仲介者を必要としない入出金システムの構築」を目指すとのことで、ステーブルコインを法定通貨の代わりにすることも可能だと報告されています。
ただし、このホワイトペーパーは現時点で概念形成の段階にあるため、これからコミュニティのフィードバックを受けて修正を加えていくとされています。
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