100%再生可能エネルギー化目指す「暗号資産気候協定」発足|Rippleなど27社が参画


Ripple(リップル)社は2021年4月8日に、暗号資産業界の脱炭素化・100%再生可能エネルギー化を目指す民間部門主導のイニシアチブである『Crypto Climate Accord(暗号資産気候協定)』が発足したことを発表しました。同協定には「Ripple」や「ConsenSys」などを含めた合計27の企業・個人が初期賛同者として参画しています。

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Crypto Climate Accord(暗号資産気候協定)とは

Crypto Climate Accord(暗号資産気候協定)とは、Energy Web(エネルギーウェブ)、ロッキーマウンテン研究所(RMI)、Alliance for Innovative Regulation(AIR)が立ち上げた暗号資産業界の脱炭素化・100%再生可能エネルギー化を目指す民間部門主導のイニシアチブであり、『パリ協定の理念に基づいて、暗号資産・フィンテック業界が協力し、国連気候変動枠組条約気候チャンピオンの支援の下で、”グローバル金融の持続可能な未来の構築”を目指す』と説明されています。

ビットコインなどのブロックチェーンではマイニングに大量の電力を必要とするため『暗号資産技術のエネルギー消費は地球環境に深刻な影響を与える可能性がある』といった指摘も出ていますが、暗号資産気候協定は『すべてのブロックチェーン・暗号資産業界との協力を通じて、遅くとも2025年までに100%再生可能エネルギーへの移行すること』を目指していると報告されています。

暗号資産気候協定は『業界のあらゆる側面で脱炭素化を実現するための調整の枠組みとして機能する』とされており、Energy Web、AIR、RMIはこの取り組みに関して以下の3点を上位目標として策定しています。なお、これらの目標は賛同者との協議を通じて2021年の国連気候変動枠組条約締結国会議(COP 26)の前に最終決定する予定だとされています。

  • 2025年の国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)までに、世界中のブロックチェーンを100%再生可能エネルギー化
  • 暗号資産業界におけるCO2排出量を測定するためのオープンソースの会計基準を策定
  • 2040年までに、ブロックチェーン以外のすべての事業活動と過去の排出量を含む、暗号資産業界全体の「排出量実質ゼロ(ネットゼロ)」を達成

Ripple・ConsenSysなど「27の企業・個人」が参画

Crypto Climate Accord(暗号資産気候協定)には「暗号資産・金融・テクノロジー・NGO・エネルギー・気候」の各分野から合計27の企業と個人が初期賛同者として参画しており、参画企業のリストには「Ripple(リップル)」や「ConsenSys(コンセンシス)」などの企業名も含まれています。

【暗号資産気候協定の初期賛同者】

  • Acciona
  • Allinfra
  • Circulor
  • CoinShares
  • Compass Mining
  • ConsenSys
  • C02ken
  • D-REC Initiative
  • Decarbbitcoin Labs
  • Energy Web
  • Engie
  • Exaion (EDF)
  • Global Blockchain Business Council
  • GSR
  • Hut 8 Mining
  • I-REC Standard
  • Palm.io
  • PTT
  • RECDeFi
  • Ripple
  • Singapore Power Group
  • South Pole
  • Streambed Media
  • Tom Steyer
  • UNFCCC Climate Champions(国連気候変動枠組条約気候チャンピオン)
  • Web3 Foundation
  • XRP Ledger Foundation

なお「Energy Web」は、再生可能エネルギーの調達とブロックチェーンの脱炭素化ツールの開発で優れた実績を持つ同社の強みを活かして、暗号資産気候協定の発足を支援するためにオープンソース・ソフトウェアと各分野での専門知識を活用し、暗号資産市場の参加者が近い将来行動を起こし、業界の脱炭素化の取り組みに着手できるようサポートするとされています。

また「Alliance for Innovative Regulation(AIR)」は今後、世界の主要な政策立案者や規制当局との対応を主導する役割を担うとされています。

参画企業代表者のコメント

「CoinShares、ConsenSys、Energy Web、AIR」の代表者は『暗号資産気候協定の発足』について次のようにコメントしています。

【CoinShares CSO:Meltem Demirors氏】
「Crypto Climate Accord」の賛同者として、ブロックチェーンと暗号資産技術による再生可能エネルギーの変革を目指す業界リーダーと協力できることを嬉しく思います。その第一歩として、ビットコインのエネルギー消費や電力供給源に関する、これまでの誤った情報を正す必要があります。体系的な変化が起きるまで数十年もの期間を要する一方、実現に至らないケースも多々あります。我々の業界はこうした変化を待つことなく、最先端イノベーションの追求と変化を加速させるための行動を起こすことに注力してきました。

【ConsenSys創設者:Joe Lubin氏】
ブロックチェーンシステムは人類に、より信頼できる、良いインフラを実現します。今回の発表の重要なポイントは、人類が環境にとってより良い管理者になるという点です。 イーサリアムは、エネルギー効率を高めることに注力しており、近い将来、我々はプルーフ・オブ・ステーク(PoS)によってカーボンニュートラルの実現に向けて取り組みを開始します。この転換により、イーサリアムのエコシステムを大幅に効率化し、我々が支持しているCrypto Climate Accordの目標達成をサポートします。

【Energy Web CEO:Walter Kok氏】
私たちは、ブロックチェーンの脱炭素化に必要な技術ソリューションを有しています。現在の業界に不可欠な要素は、協調に基づく取り組みです。今回の協定は、私たちの目標達成に必要かつ適切なツールと社会的な仕組みを結びつけるものです。世界中の賛同者からの評価が契機となり、未来の再生可能エネルギーの形成に向け、今後より多くの人々が参画してくれることを期待しています。

【AIR創業者兼CEO:JoAnn Barefoot氏】
暗号資産の人気が高まるにつれ、グローバル金融システムにおける暗号資産の役割も拡大しています。暗号資産やグローバル金融を含む、すべての業界が気候変動に関連する課題解決に貢献できるよう、我々は政策関係者や規制当局との協力を通じ、エネルギー利用に関する議論の発展を目指します。

Ripple社の公式では『暗号資産気候協定の成功は、地球環境とグローバル経済の両方に利益をもたらすものだ』とされており、気候変動対策を推進する人々には「CO2排出削減」というメリット、クリーンテック業界には「エネルギー需要の大きい新規顧客層を取り込むことができる」というメリット、暗号資産業界には「よりサステナブルで拡張性の高い業界に変革することで、暗号資産のさらなる普及を推進することが可能になる」というメリットがもたらされると説明されています。

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参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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