イオス開発企業「Block.one」のCTO、Daniel Larimer氏が辞任|新プロジェクトに注力
仮想通貨イオス(EOS)を開発していることで知られるブロックチェーン企業「Block.one」の最高技術責任者(CTO)であるDaniel Larimer(ダニエル・ラリマー)氏は2021年1月10日の投稿で『Block.oneのCTOを辞任したこと』を報告しました。今回の発表を受けて、EOSの価格は20%以上下落しています。
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今後は「自由を確保するためのツール作成」に焦点
イオス(EOS)を開発していることで知られるブロックチェーン企業「Block.one」の最高技術責任者(CTO)であるDaniel Larimer(ダニエル・ラリマー)氏は2021年1月10日に、Block.oneが立ち上げた EOS基盤のソーシャルメディアプラットフォーム「Voice(ボイス)」の投稿で『Block.oneのCTOを辞任したこと』を報告しました。
分散型取引所「BitShares(ビットシェアーズ)」や、ブロックチェーン基盤の分散型ブログ・SNS「Steemit(スティーミット)」の共同創設者でもあるDaniel Larimer氏は「Block.one」のプロジェクトに大きく貢献した重要人物の1人として知られています。
ダニエル・ラリマー氏は今回の投稿で以下のような短い文章で『才能あるエンジニアグループの助けを借りて”EOSIOのソフトウェア”を作成・起動できたことを誇りに思う』とコメント、『今後は人々が自分の自由を確保するために使用できるツールの作成に焦点を当てていくつもりだ』と説明しています。
私は過去4年間に渡って「Brendan(Block.oneのCEO)」や「Block.one」と協力してきました。非常に才能のあるエンジニアグループの助けを借りてEOSIOソフトウェアを作成・起動できたことを誇りに思っています。悲しいですが、全ての良いことには終わりがあります。2020年12月31日をもって「Block.one」のCTOを辞任しました。
私は『全ての人々の生命・自由・財産・正義を確保するための”自由な市場・自主的解決策”を生み出す』という私の使命を継続します。「次に何をするか」についてはまだ明確に決定できてはいませんが、”検閲に強い技術を構築すること”に魅力を感じています。『”サービスとしての自由”を提供することはできない』と思うようになりましたので、人々が自分の自由を確保するために使用できるツールの作成に焦点を当てたいと考えています。
Block.oneが今後の取り組みを通じて最高の企業となることを願っています。
Block.one CEO「今後を楽しみにしている」とコメント
『Daniel Larimer氏の辞任』に関する報告は同日2021年1月10日に「Block.one」からも行われており、『Block.oneのCTOであるダニエル・ラリマーは、新しい個人プロジェクトを追求するために出発した』と報告されています。
Block.oneの最高経営責任者(CEO)であるBrendan Blumer(ブレンダン・ブルマー)氏は公式発表の中で以下のように述べており、『ダニエルがこれまで貢献してくれたことに感謝しているのは私だけではない。彼が次にどのようなことをするのかを楽しみにしている』とコメントしています。
私はDanと2017年に「Block.one」を共同設立しました。それ以来、業界と会社の両方が前例のない高さにまで成長しました。Danがこれまで貢献してくれたことに感謝しているのは私だけではありません。彼が次に何をするかを楽しみにしています。
仮想通貨・ブロックチェーン企業では「意見の対立などによってプロジェクトの重役が辞任した」といったニュースも多数報告されていましたが、今回の「ダニエル・ラリマー氏の辞任」に関しては双方合意の元で決定しており、良好な関係が維持されているように見受けられるため、辞任後も何らかの形で両者が再び関わる可能性もあると考えられます。
ダニエル・ラリマー氏は以前から「Twitter、Facebook、Apple、Google、金融システム」などで検閲の問題が深刻化してきていることを指摘しており、『中央集権化された組織への過度な依存を減らすために、独自の独立したインフラストラクチャを構築することが重要である』といった考えも語っていたため、同氏が今後作成する新たなツールにも注目です。
>>「ダニエル・ラリマー氏からの報告」はこちら
>>「Block.oneからの報告」はこちら
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