トークン投資の分析手法:ビットコイン(BTC)以上の投資リターンを得るには?

トークン投資の分析手法:ビットコイン(BTC)以上の投資リターンを得るには?

※免責
本コラムは、金融商品取引法で監督される暗号資産のデリバティブ取引の投資を助言または推奨するものではなく、情報提供と教育のみを目的としています。ただし資金決済法で監督される現物取引については投資に関わる分析している場合がございますことを留意ください。投資結果や損失については一切の責任を負いかねますため、本コラムで取り扱われる暗号資産または関連するアセットに投資される際はご自身で調査の上最終決定を行ってください。

盛り上がりを見せるトークン市場での戦い方

2020年は暗号資産市場が好調で、8月時点でビットコインは年初から約40%の上昇、イーサリアムは2倍になっています。

コインゲッコーのデータによると約30の銘柄が2020年に過去最高値を更新しています。2017年のバブル期に大きく急騰した通貨の中にも、2020年に当時の価格をドル建てで越えているものが存在します。

CoinGeckoデータ
出典:CoinGecko

トークン市場で値上がりをする銘柄のパフォーマンスはビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)の値上がりを大きく上回っているものも多く存在しています。例えばルーン(RUNE)は10倍、カヴァ(Kava)は5倍など大きい上昇をしています。

ただし、トークン市場ではプロジェクトが初期フェーズの未熟なトークンも取引されているため、短期間で大きく価格が下落する可能性も考慮するべきですし、初心者は参入するにはリスクが高いマーケットです。

とはいえ2017年のバブルの時のどのような銘柄でも実態と乖離して価格が上がる状況とは異なり、2020年現在は、大きく価格を上げているプロジェクトは、ファンダメンタルやプロジェクトの進捗状況が評価されてトークン価値が高まっています。

投資家やトレーダーとしては、プロジェクトのファンダメンタルから投資判断をする余地が高まったとも言えるでしょう。

暗号資産の4つのタイプ分析

暗号資産に投資されている人の中には「ビットコイン以外の暗号資産は必要ない」あるいは「ビットコイン以外のトークンは価値があやふやで不安」だという人もいるかと思います。そういった人に向けて、暗号資産の種類を4つに分類して、それぞれどのような価値があるのか考えてみます。

【暗号資産4つの分類】

  1. デジタルコモディティ
  2. アプリケーションを実行できる燃料
  3. 分散プロトコルの所有権利を分割したトークン
  4. 企業が発行するトークン

それぞれ順番に解説します。

ノンソブリン(非国籍)なデジタルコモディティ

たとえばビットコイン(BTC)がこれにあたります。ビットコインはゴールドをモデリングして設計された暗号資産であり、無国籍アセットとして浸透しています。

ビットコインは送金に使えなくはないですが、金融政策にあたる機能を持ち合わせておらず、常に一定の発行スケジュールで新規発行がされる点で、通貨として認めるに値する性質は持ち合わせていません。そのため、デジタル版のゴールドという表現は、その性質を表現する言葉としてはある程度の妥当性があります。

主要先進国の金融緩和による増刷される通貨、ソブリン債に信用不安を抱く人にとって、ビットコインは新しい資産クラスとして注目されています。

アプリケーションを実行できるパブリックブロックチェーンの燃料

ETHやEOS、ATOMなどがこれに当たります。イーサリアムは、ビットコインの分散台帳の仕組みをさらに拡張をさせ、スマートコントラクトというアイデアを提案しました。これはブロックチェーン上に資産だけでなく、その付随するロジックも処理できるアイデアであると言えます。

イーサリアムのネイティブトークンであるETHは、スマートコントラクトを実行するトランザクション手数料として機能します。しかし、最近ではトランザクション手数料としての役割にとどまらず、金融アプリケーション利用の担保資産やプルーフ・オブ・ステーク(PoS)移行後のステーキングなど、その利用の幅を広げています。

分散プロトコルの所有権利を分割したトークン

次にパブリックブロックチェーン上のネイティブトークンではなく、その上に構成されるプログラムに紐づく暗号資産に触れます。MKR、COMP、SNXなどのトークンがこれにあたります。

MakerDAOを例に考えてみましょう。MakerDAOはイーサリアム上で最も利用されているプログラムであり、分散的に中央銀行のような機能を実行させるスマートコントラクトを持ち合わせています。ユーザーはETHを担保としてデポジットして、ステーブルコインを得ることができます。そしてこのステーブルコインを得たいユーザーは金利を支払う必要があります。MKRはこのシステム全体をコーディネーションするガバナンストークンとして存在する暗号資産です。

MKRのトークンを保有するユーザーは、システムの金利の調整や担保比率、担保にし得る資産の選定について議決権を得られます。MKRを保有する投資家にとっては、よりリスクを回避して機能するシステムを作ることが合理的です。その理由として、ユーザーがステーブルコインを調達するには支払い金利が必要であると述べましたが、この金利はMKRのバーンにあてられ、最終的にトークン価値に反映されるからです。

MKRはMakerDAOというプロトコルをガバナンスするためのトークンですが、グローバル規模でのコラボレーションを行うための媒体であるとも言えます。あるシステムを機能させるためにステークホルダーをグローバルの不特定多数から集め、トークン価値を高める利己的な動機とシステムを紐付けています。

サービス・アプリケーションを成長させるために企業が発行するトークン

これはバイナンス(バイナンス)やフォビ(Huobi)などの取引所企業が発行する取引所トークンが最も顕著な例です。発行する取引所は、ユーザーエンゲージメント→収益増→収益増と連動して期待されるトークン価値増→高まったトークン価値による自社サービスへの投資増、というサイクルを回しています。たとえばBNB、FTT、HTなどのトークンがこれにあたります。

参照:暗号通貨はなぜ重要で、どのように社会に浸透するか?

トークン投資で分析すべきポイントは?

ではトークンの種類を理解したうえでどのようにトークンを選定して、投資をするべきでしょうか。暗号資産、トークン投資の際にいくつか考えるべきポイントを紹介します。

そのトークンは将来どのような価値を持つか

1つ目は、投資を検討しているトークンにはどのような価値が将来的に内在されるかです。たとえば、MakerDAOのトークンであるMKRはスタビリティ・フィーと呼ばれる金利が最終的には間接的にトークン保有者に還元される仕組みを持ちます。

取引所トークンのBNBやFTTは売上の一部を市場で買戻してバーンしているため、それが内在される価値として期待できます。また、例えばChainlinkのLINKトークンのようにキャッシュフローと紐づかずともネットワーク内で何らかの仕事をするプレイヤーにそのトークンの保有を強制するものなどがあります。投資の検討をするなら、まずトークンの価値が何かを考えましょう。

需給の予測

次に需給の予測です。市場で取引されるそのトークンは、誰が売手で誰が買手になるかということです。これはトークン分配状況の分析や市場環境などから分析することになります。

競合するプロジェクトとの比較・優位性

次に、類似プロジェクトとの競争性の確認です。例えばスマートコントラクトプラットフォームのプロジェクトは数多くありますが、新興スマートコントラクトプラットフォームに投資を検討する場合は、最大手であるイーサリアムに対する優位性は確認したうえで投資をするべきでしょう。そして、その優位性はあなた自身が納得できるものであるべきです。プロジェクトのホワイトペーパーで主張されるトランザクション処理能力や、新規性のあるスマートコントラクト言語の存在だけでは、競争性を確認できたとは言えません。よりシビアに競争性の確認をするべきです。

トークン投資において考えるべきことは他にも多々ありますが、まずはこういったことから考えはじめてみましょう。

プロの分析レポートを活用してみる選択肢

さて、トークンに投資するためにさまざまな暗号資産・トークンの情報を調べようとすると、それにかかる時間は膨大です。日本語の情報サービスは信頼できるものも限られ、英語の情報にアクセスしなくてはならないという現実があります。

自分で調べる時間や語学力があるとよいですが、そうでない場合でもプロフェッショナル向けの情報サービスを使うことで質の高い情報にアクセスし時間を短縮しながら気になるトークン分析を効率的に進めることができます。

HashHub Researchは、暗号資産・ブロックチェーンに特化したリサーチサービスで、毎月25本ほどのレポートを配信しています。個人投資家や、金融機関や取引所事業者など多くの企業が利用しています。

HashHub Resaerchイメージ
HashHub Resaerchイメージ

サービスは有料ですが、自身で投資判断のリサーチをする場合、30時間かかるリサーチを数本のレポートを読む時間に短縮できます。また、毎月1回配信する「暗号資産マーケットレポート」では、トークン市場の分析を行なっており、それぞれのトークンにはどのような価値が将来的に内在されるか・需給の予測・類似プロジェクトとした競争性の確認など先程紹介したような考え方と照らし合わせて分析しています。

参考:【20年8月版】暗号資産マーケットレポート

実際にはこれらHashHub Researchのレポートと平行して、自身で追加のリサーチをすることも必要になるでしょう。それでもHashHub Researchは暗号資産市場に関心がある多くのユーザーにとって力になれるサービスのはずです。

リサーチレポートを見てみる。
→「HashHub Research

参照元:CoinChoice

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