Ripple社:XRP Ledgerの「匿名化機能」に関する研究を支援
Ripple(リップル)社は2020年7月20日に公開したブログ記事の中で、同社のブロックチェーン研究支援事業である「大学ブロックチェーン研究イニシアチブ(UBRI)」の一貫として、”XRP Ledgerの匿名性”に関する検討が進められていることを報告しました。
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仮想通貨業界に求められる「プライバシー保護」
Ripple(リップル)社は2020年7月20日に公開したブログ記事の中で、オランダの国立大学である「デルフト工科大学」のStefanie Roos(ステファニー・ルース)助教授のコメントを引用しつつ『ブロックチェーン業界は現在”セキュリティ”に多くの時間を費やしているが、近い将来には”プライバシー”にもそれと同レベルの注意を払わなければならなくなる可能性がある』と述べています。
一部の人々は、最も代表的な暗号資産であるビットコイン(BTC)のことを「匿名性が高いプライバシーが保護された仮想通貨」だと認識していますが、ステファニー・ルース助教授は、その認識が誤解であることを次のように説明しています。
人々は自分の本名を入力する必要がないことを理由に『ビットコインはプライバシーを保護している』と信じています。しかし、誰かが同じ情報を何度も利用し続けた場合には、彼らが行う全ての取引を追跡することができるようになります。それらの集約された情報を実在する人物にリンクさせることができれば、そのような人々の全ての活動を見ることが可能です。
Ripple社が公開した記事の中では『パブリックブロックチェーンでサプライヤーに料金を支払う企業は、開発している製品またはサービスの詳細を競合他社に誤って開示する可能性がある』と指摘されており、ステファニー氏が『プライベートブロックチェーンは優れたソリューションだが、”適切な匿名性を備えたパブリックチェーン”がより有益である』と考えていることが説明されています。
ステファニー氏は『自分が買ったり売ったりしたものが、常に他の人に見られる状態を望む人はいないだろう』と述べており、そのような状況は「ブロックチェーンいじめ」に繋がる可能性を秘めていると指摘しています。このように語る同氏は、プライバシーに配慮しつつ不正取引などにも対処する必要があるため、より良い仮想通貨には”柔軟な匿名性”が求められると説明しています。
「XRP Ledgerの匿名化機能」について検討
今回の記事では、ステファニー氏の大学の学生の何人かが、Ripple社のブロックチェーン研究支援事業である「大学ブロックチェーン研究イニシアチブ(UBRI)」の一環として、仮想通貨エックスアールピー(XRP)などの基盤となっている分散型台帳「XRP Ledger」の”匿名化機能”について検討していることが報告されています。
この学生たちはUBRIの助成金を受けながら、XRP Ledgerのコンセンサスアルゴリズムを研究したり、ブロックチェーンモデルの変換過程におけるセキュリティ脆弱性テストなどに取り組んでいるとのことです。
匿名性の高い暗号資産はマネーロンダリング(資金洗浄)などといった違法行為に対する懸念から国際的にも厳しい目を向けられがちですが、匿名化機能の全てが拒絶されている訳ではなく「中央銀行デジタル通貨(CBDC)」のような国が発行に関わるデジタル通貨でも”適切な匿名性”についての議論が行われています。
Ripple社の「XRP Ledger」はすでに銀行・金融機関・仮想通貨などで幅広く利用されているため、「XRP Ledgerの匿名化機能」に関する今後の研究や、実際の実装などには大きな注目が集まります。
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