【後編】シリコンバレー最高峰VC「a16z」が投資をするクリプトプロジェクト10選

【後編】シリコンバレー最高峰VC「a16z」が投資をするクリプトプロジェクト10選

a16z(Andreessen Horowitz)は、シリコンバレーの最高峰のベンチャーキャピタルです。FacebookやTwitter、ピンタレスト(Pinterest)、エアビーアンドビー(Airbnb)、スラック(Slack)などが主要な投資先で、現在では暗号通貨に精力的です。同ファンドは2018年に「a16z crypto」というクリプト専門のファンドを立ち上げ、3億5,000万ドル(約380億円)という最大規模のクリプトファンドとして存在感を示しています。

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最高峰のVCであるa16zはなぜ暗号通貨に精力的に投資を実行するのか?

前回のコラムでは、前編としてa16zがこれまで投資してきた5つのクリプトプロジェクトを紹介しました。今回は、残りの5つを紹介します。

セロ(Celo)

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セロ(Celo)はステーブルコインのプロジェクトです。2020年のローンチを目指しています。仕組みはメイカーダオ(MakerDAO)とSynthiexを複合させたようなモデルで、Celoの発行スキームは、暗号通貨担保型と独自トークン担保型を組み合わせた形になっており、担保資産(独自トークンであるCelo Gold)によって構成されるリザーブプールでステーブルトークンの価格をコントロールする仕組みになっています。

Celoはこれまで2回の資金調達ラウンドに参加しており、合計3,650万ドル(約40億円)を調達しています。a16zはそれらの投資ラウンドに参加し、Celo Goldを保有しています。

アンカレッジ(Anchorage)

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アンカレッジ(Anchorage)は暗号通貨のカストディを提供する企業です。ヘッジファンドやVCなど他社資本を運用するファンドは所定の機関に資産を信託しなくてはいけません。しかし、暗号通貨の信託は秘密鍵の管理など特殊な事情があり、信託を行うことは技術的にハードルがあります。Anchorageはそれらのシステムを構築しています。

秘密鍵を分離して保管しながらも、ステーキングやガバナンス参加できるシステムも構築されています。これまで2回の資金調達ラウンドを行い、総額5,700万ドル(約60億円)を調達しています。

ダッパー・ラボ(Dapper Labs)

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ダッパー・ラボ(Dapper Labs)はさまざまなブロックチェーンのゲームアプリケーションを開発する会社です。ブロックチェーン業界で最初に話題になったゲームであるクリプトキティも同社の開発です。最近では他にもゲームを開発している他、ウォレットやゲームに最適化された独自ブロックチェーンの開発を行っています。Dapper Labsはこれまで総額3,890万ドルを調達しています。

コンパウンド(Compound)

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コンパウンド(Compound)は分散型金融(DeFi)のマネーマーケットプロトコルです。ユーザーは暗号通貨のレンディングおよび、暗号通貨を担保にして借り入れを行うことができます。これらの全ての動作はスマートコントラクトによって行うことができます。

Compoundは2018年のプロジェクト開始以来、独自トークンを発行することはしてきませんでしたが、約2年間のプロジェクト運用後の2020年に独自トークンCOMPの構想を発表しました。a16zなどこれまで投資をしてきた投資家にトークンが配布されています。a16zらはこの独自トークンに投資をしていることになります。

ポリチェーンキャピタル(Polychain Capital)

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最後に取り上げるのは、ポリチェーンキャピタル(Polychain Capital)です。a16zはプロジェクトだけでなくファンドにも投資をしています。ファンドを通してファンドに投資をすることは一般的に運用手数料が二重にかかることになり、資金効率が悪いですが、それでありながらも投資をすることはa16zは暗号通貨領域に大きな可能性を見出していることの現れでしょう。

Polychain Capitalはポルカドット(Polkadot)やコスモス(COSMOS)などに精力的に投資をしていることで知られ、その点でa16zも直接はそれらを保有していなくても、間接的にそれらを保有していることになります。

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参照元:CoinChoice

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