テゾス(Tezos)関連団体が勅許公認会計士会とブロックチェーンの推進を目的に提携
4月に、Tezos Southeast Asia (Tezos東南アジア、以下:TSA)は、 Association of Chartered Certified Accountants (勅許公認会計士会、以下:ACCA) と提携したことを発表しました。
会計士向けのブロックチェーンのトレーニングコースを開設予定
TSAは東南アジアでブロックチェーンの普及を推進する非営利団体でシンガポールを拠点にしています。TSAはTezos Foundationから支援を受ける団体で、日本においてはTezos Japanがあります。
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TSAとACCAの両団体は2020年末か2021年前半に、会計士向けのブロックチェーンに関するトレーニングコースを開設する予定で、さらに会計学のためのブロックチェーンソリューションを構築するために、ユースケースを模索しワーキンググループを結成することを計画しています。
会計分野でのブロックチェーン技術の利用方法とは?
会計分野におけるブロックチェーン技術の潜在的な応用は多岐にわたります。例えば、監査における検証手順の改善、取引の決済時間の短縮、コンプライアンスプロセスの自動化と合理化などがそれにあたります。
例えば企業の管理している帳簿、サプライヤーの明細書、銀行の残高が常に一致しているかという作業には膨大な時間が費やされています。このように複数の数字を突合して正しい数字ひとつにまとめることをリコンサイルと呼びます。
ブロックチェーンは分散的なネットワークで、複数のノードに記録されていたデータは常に同一に更新され、それぞれのデータにずれが発生することがないことが特徴です。つまり、この例で言えば、帳簿、サプライヤーの明細書、銀行の残高がずれる心配がなくなります。
英国に拠点を置くACCAは、世界的な会計団体であり、「Chartered Certified Accountant」という資格を提供しし、会計士に認定資格を与えています。ACCAは、「ブロックチェーンによって、会計実務、特に監査においより効率的に大量のデータを検証することができるようになり、より少ないペーパーワークかつ、より高い信頼性に基づいて遂行できるようになる。」と述べています。
企業によるパブリックブロックチェーンの利用
ブロックチェーンをリコンサイルに適用させようという動きは他にもありますが、その多くはコンソーシアムブロックチェーンで適用が検討されており、Tezosのようなパブリックブロックチェーンの使用を想定していることは珍しいのが現状です。
リコンサイルの事例に限らず、企業のブロックチェーンの利用において、パブリックブロックチェーンを選択する事例は2020年時点では少数だと言ってよいでしょう。
パブリックブロックチェーンを企業利用する場合、スケーラビリティやプライバシーが課題になります。ですが、EYなどの企業は企業においてもコンソーシアムブロックチェーンではなくパブリックブロックチェーンを推進しようという動きがあり、今回のTezosにおいても今後の展開が期待されます。
参考
・Accountant training body ACCA to explore Tezos blockchain
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参照元:CoinChoice