(セキュリタイズCEOカルロス氏コメントあり)デジタル証券プラットフォーム企業セキュリタイズが私募証券の即時取引サービス「Instant Access(インスタントアクセス)」を提供開始
デジタル証券プラットフォーム企業セキュリタイズが私募証券の即時取引サービス「Instant Access(インスタントアクセス)」を提供開始
デジタル証券プラットフォームのSecuritize(セキュリタイズ)がVC(ベンチャーキャピタル)を含む5社に関連する私募証券の即時取引サービス「Instant Access(インスタントアクセス)」の提供開始を発表したとBloombergが報じた。
このサービスは規制当局の規制に準拠してスマートコントラクト開発しカウンターパーティーリスクがない方法でセキュリティトークンを交換するための手段として利用されていく予定とのこと。
ちなみに金融領域におけるカウンターパーティーリスクとは、金融商品の取引を行う際、取引の相手方(カウンターパーティー)が債務不履行などに陥り、契約によって定めた支払いが履行されないリスクのことを指す。
具体的にInstant Accessの機能を利用すると、投資家は保有するデジタル証券を売却する意思表示をウェブのURLリンクで表現することができる。このURLリンクは、メールやチャットなど、様々なプラットフォームで共有することが出来るとのこと。
さらにInstant Access機能を有効化するとセキュリティ・トークン発行体からのKYC/AMLチェックを済ませている投資家はトークン保有者から取引用のURLリンクを受けとることで、保有者からデジタル証券を購入することができるとのこと。この際はKYC/AML要件を満たしかつセキュリタイズが開発したDSプロトコルを通して、発行体が課す全ての取引制限事項を満たす取引のみが許可される仕組みだ。
Securitizeの創業者兼CEOのCarlos Domingo(カルロス・ドミンゴ)氏は「VCの所有権や不動産投資信託のような私募証券は誰が所有できるか、いつ売買できるかなどの制限があるため取引が難しいです。そこでSecuritize(セキュリタイズ)は、Ethereumブロックチェーン上のスマートコントラクトを使用してルールが満たされるようにプログラムされていることを確認することで、それを緩和しようと計画しています。そして多くの人はブロックチェーンの技術が金融領域に活かされるまで時間がかかると考えていますが、既に重要な技術として活かされてきています」とBloombergの取材に対して答えた。
あたらしい経済もカルロス・ドミンゴ氏に対して取材を行った。質問内容は「1.セキュリティ・トークンの市場規模はどれくらいだと考えていますか?2.アメリカの現状はどのようなものでしょうか3.今後どのようなアセットをセキュリティ・トークン化したいでしょうか」だ。
質問に対しカルロス・ドミンゴ氏は「セキュリティ・トークンの市場規模は民間証券で数兆ドルだと考えています。そしてアメリカにおけるセキュリティ・トークン化現在の傾向としては、企業が規制を考慮した制度的な採用が多くなっています。今後はファンドや不動産などの非流動性資産に焦点を当てていきます」と答えてくれた。
編集部のコメント
カルロス・ドミンゴ氏のコメントによると、特に不動産REITを今後セキュリティ・トークン化していきたいとのことです。なぜなら、多くのREITがいつどのようにして移転したのか明白ではないため取引が困難になっている状況があるからとのことです。
日本でもデジタル証券に関しては、同様の動きが活発化しつつあります。4月21日に三井物産デジタル・アセットマネジメント(MDM)がセキュリティ・トークンの実証開始の発表、さらにLayerX開発のプロダクト活用により、7億円規模の実証ファンドを4月28日より開始することを発表しております。
こちらは第一フェーズとして実証ファンドが不動産所有権の信託受益権をセキュリティ・トークン化し、スマートコントラクトを活用し運用する予定となっています。
さらに今後アセットの取引が不透明な領域において、セキュリティ・トークン化の流れは速まっていくとあたらしい経済編集部は考えています。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
イメージ:RaStudio,dalebor
参照元:ニュース – あたらしい経済