コロナウィルスが仮想通貨に与える影響、ビットコイン価格との相関性
新型コロナウィルスによりビットコインの使用も低迷
新型コロナウィルス(Covid-19)のパンデミックにより。暗号資産(仮想通貨)市場にも大きな変化が見られています。2020年3月30日に、アメリカのブロックチェーン調査会社チェイナリシス(Chainalysis)が、マーチャントサービスやギャンブル、そしてダークネット(Darknet)における、仮想通貨の支出状況についてレポートを発行しました。
Chainalysisによるレポートでは、ビットコイン(BTC)の価格と、マーチャントサービス・ギャンブル・ダークネット市場におけるビットコイン支出量との間にある相関性の変化があったことが報告されました。同社の分析によれば、3月9日以来、各分野でビットコインでの支出量に深刻な落ち込みが見られたのことです。
北米にコロナウィルスが広がり始めた前後の期間で、各分野のサービスに対するユーザーの送金量を見ると、さまざまな相関性が現れています。例えば、ダークネット市場では収益とビットコイン価格の相関性がより強まっており、価格の下落に伴い、ダークネット市場でも収益が大きく落ち込みました。
Chainalysisのレポートでは、「過去にダークネット市場の売上高とビットコインの価格には、小さいが明確な逆相関関係があったことを考えると、今回の分析結果は非常に興味深い。一方、マーチャントサービスとギャンブルの分野では、ビットコインの価格との相関性が薄れ、収益も大きく減少していないため、高い回復力があるのではないか」と分析しています。
商業・ギャンブル分野は相関性が薄れ、ダークネットは大打撃
Chainalysisのレポートでは、マーチャントサービス分野での支出は低下しているものの、収益とビットコイン価格の相関性も低下したことで大きな影響がないとされています。また、ビットコインの価格下落と、ギャンブル分野での活動数が低下していることは関係性がないとも報告しています。最も強い影響が見られたのはダークネット市場においてであり、これまでは弱い逆相関関係があったものの、ダークネット市場におけるベンダーの調達が滞り、それによって利用が減少していることなどが関係していると考えられています。
今回のパターンは他に類を見ないものでしたが、仮想通貨業界における最大の懸念は、以前の取引レベルが回復できるかということと、経済そのものが回復した時、ユーザーが通常通りに利用する状況に戻ってくるのかということだとレポートは結んでいます。
参考
・Merchant Services, Gambling, and Darknets: Coronavirus Economy Stunts Cryptocurrency Spending
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参照元:CoinChoice