<i style=”font-style:normal;font-size: 97%;”>急激な円高は一服か。けれど2016年は強気</i> 相場にならない。1月に日銀追加緩和も…
2016-01-07
さて、2015年のクリスマスに当コーナーで、2016年の相場予想を書きました。
【参考記事】
●証券会社の上昇予想は話半分で読むべき。日経平均1万5000円、米ドル/円は110円も(2015年12月25日、今井雅人)
簡単にまとめれば、2016年は原油価格がさらに下落。中国経済は、落ち込む。米国は利上げをしていくものの新興国への影響、ハイイールド債券(※)への影響を考慮しなければならず、利上げペースは鈍る。
そうした環境のもと、為替は円高、株価は下落する可能性が高い。
こういうものでした。
(※編集部注:「ハイイールド債」とは、格付けのランクが低く、元本割れリスクが高い代わりに高利回りの債券のこと。ジャンク債などと、ほぼ同じ意味で使われる)
■いきなり予想が的中し、中国でサーキットブレーカー発動 年が明けまして、1月4日(月)から、いきなり予想していたことが起きてしまいました。
中国の景況指数が予想を下回ったことをきっかけに、取引初日から中国の株価が急落し、中国人民元も急落しています。
中国人民元/円 4時間足(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:中国人民元/円 4時間足)
景況指数が予想を下回ったといっても、48.9の予想に対して、48.2と大した差でもありませんし、そもそも、それほど普段は重要視されていない経済指標です。
それがこれほどの激しい相場の原因となってしまうというのは、結局、元々何かのきっかけがあれば、崩れそうな環境にあったということなのでしょう。
上海の総合株式指標は、2016年から1日の変動幅が7%になったら、自動的に取引が停止される、いわゆるサーキットブレーカー制度が採用されています。
中国CSI300指数 1時間足(出所:CQG)
そして、1日7%下落して制度が適用されてしまうという事態がいきなり2日間も起こるという、信じられないようなことが起きています(※)。
(※編集部注:上海株式市場では1月4日に続き、1月7日もサーキットブレーカーが適用された)
■産油国のチキンレースが起きて、原油価格は下落 原油価格の方も、中国経済の落ち込みで下落をしていますが、これも実はきっかけに過ぎません。
下のグラフを見ていただけるとわかりますが、今、世界的な景気の低迷で原油の需要が落ち込んでいるにもかかわらず、各国は原油価格の下落分を量産で補おうとするため、供給は逆に増えてしまっています。
(IEA(国際エネルギー機関)公表のデータより、ザイFX!編集部が作成)
その結果、需要と供給の推移を見ると、ワニの口のように開いていっているのがわかると思います。
また、産油国のチキンレースが起きてしまっているのです。これでは原油価格が下落するのは当たり前でしょう。
OPEC(石油輸出国機構)も、今や指導力をまったく失っており、誰もこの需給調整ができない状態に陥っています。であれば、今後は、採算が合わなくなった企業などで倒産、あるいは撤退していくことが連鎖的に起きるまでこの傾向は続いてしまうのではないかと思っています。
中国がおかしくなっていることを受けて…