129円台半ば割れのユーロ/円は買い時? 売り時?「化け線」で下値は狂ったのか?

 明けまして、おめでとうございます。
 本年も、なにとぞ宜しくお願い申し上げます。
■2012年11月に中長期のレジスタンスラインを突破 今回はユーロ/円の分析を行なう。まずは、月足チャートからご覧いただきたい。
 ユーロ/円は、2008年に約170円(正確には、169.95円)の高値をつけてから、下落に転じた。 
ユーロ/円 月足(クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)
 そして、月足チャートで見ると、2012年3月に2008年の高値を起点としたレジスタンス・ライン「ピンクの破線(細線)」を上に抜けたのだ が、この時点では、結局、トレンド転換が起こらなかった、と判断したので、2012年4月の高値に合わせて、新たなレジスタンス・ライン「緑の破線」を表 示した。
 つまり、レジスタンス・ライン「ピンクの破線(細線)」を上に抜けた時には、ユーロ/円は、下落トレンドのままで、上昇トレンドに転換していない、と判断した。
 しかし、改めて引き直した中長期のレジスタンス・ライン「緑の破線」を明確に上に抜ける場合は、「買いシグナル」なので、要注意と考えていた。
 2012年の11月に、中長期のレジスタンス・ライン「緑の破線」を、明確に上に抜け、「買いシグナル」を発した、と考える。 
ユーロ/円 月足(クリックで拡大) (出所:ヒロセ通商)
■150円近辺をピークに下落トレンドに転換した可能性 一昨年(2014年)の10月31日(金)に、日銀が追加の金融緩和策を発表したことを材料に、ユーロ/円が急騰した。
 それで、その時点での直前の安値(134円台前半)に合わせて、サポート・ライン「赤の破線」を表示した。
 高値150.00円アラウンド(149.75-80円水準)をつけるまでは、このサポート・ライン「赤の破線」に従って上昇した、と考える。
 しかし、昨年(2015年)の1月中旬(1月15日木曜日)の急落で、このサポート・ライン「赤の破線」を割り込んだ。「売りシグナル」を発した、と考える。 
ユーロ/円 月足(クリックで拡大) 
(出所:ヒロセ通商)
 この時点(2015年1月15日木曜日)で、ユーロ/円が、トレンド転換した可能性がある、と考えた。
 つまり、ユーロ/円の94円台から150円近辺まで上昇した期間が、「上昇トレンド」であり、150円近辺がピーク(最高値)で、「下落トレンド」に転換している可能性がある、ということだ。
 ユーロ/円は、この「売りシグナル」に従い、126.00円近辺まで下落した。
 しかし、126.00円近辺を底に、反転して、大きく急騰した。
 それで、新たに、一番右のサポート・ライン「緑の破線」を表示した。 
ユーロ/円 月足(再掲載、クリックで拡大)(出所:ヒロセ通商)
 126円台からの反転、大きな上昇で、ユーロ/円のトレンドは判然としなくなった(つまり、はっきりしなくなった、わからなくなった)、と考えた。
 昨年(2015年)の4月以降の値動きでは、ユーロ/円は、126円台にまで急落し、そして、141円台に急騰した。
 しかし、直近の値動きで、一番右のサポート・ライン「緑の破線」を割り込み、「売りシグナル」を発した、と考える。
 個人的な思惑になるが、月足チャートに、「赤の破線」で示したサポート・ラインを割り込んだことで、その時点でトレンド転換が起こっているのではないか?(=すでに、下落トレンドに転換しているのではないか?)と、考えている。
 ごく目先の直近の値動きでは、昨年(2015年)の12月3日(木)のECB(欧州中央銀行)理事会後のドラギ総裁の発表した「追加の緩和策」が、事前に期待した程の内容ではなかったことで、強烈な「ユーロの買い戻し」となった。
 12月3日(木)のユーロ/円の安値は129円台ミドルをつけているが、安値(129円台ミドル)から急上昇して、134円台をつけている。
 しかし、この値動きで「上昇トレンド」に転換したとは言えない、と考えている。
 続いて、週足チャートをご覧いただき…

参照元:ザイFX! 松田哲の「FX一刀両断!」

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